サウジアラビアへ旅行へ行くけど、英語は通じる?現地の人はどんな言語を話している?といった疑問にお答え。
都市部であれば英語が通じる
サウジアラビアの公用語は、アラビア語だが、ジェッダやリヤドといった都市部や若者では英語を話す人も多い。
都市部なんかだと、インドやパキスタンからの出稼ぎ労働者も多く、彼らは英語が話せる場合が多い。確実に英語でコミュニケーションをとりたい場合は、こうした外国人に話すか、若者を狙った方がよいだろう。
レストランには、だいたいアラビア語と英語のメニューがあるし、空港や町中でも英語の標識がある。アラビア語が話せなくとも、観光でそれほど困ることはない。
ウーバーや町中のタクシー運ちゃんの英語力は、非常にバラツキがある。ネイティブ並みに話せる人もいれば、アラビア語オンリーと言う若者もいる。私の経験した限りでは、英語が通じた運ちゃんは4割ぐらいだっただろうか。
サウジアラビアのアラビア語
もしも、サウジ旅行のためにアラビア語を勉強しようなどと考えている人に言いたい。やめておけ、と。
アラビア語は、素人が気軽に手を出せるような言語ではないのだ。
なぜか。
アラビア語は、書き言葉と話し言葉でかなり違うからである。書き言葉は、ニュースや本といった公式の場で使われる言葉。日本で言えば、「いとおかし」といった古文みたいなもの。一方で話し言葉は、現代日本人が使う「マジマンジ」といった話し言葉である。
同じ日本語だが、古文を会話に使ったらおかしい。アラビア語もそれと同じだが、外国人がまず勉強するのが、この古文なのである。
話し言葉のアラビア語も、地域によって方言がある。その方言が、標準語と関西弁のような可愛らしい違いではなく、青森弁と標準語ぐらい違うのである。
サウジアラビアで話されているアラビア語は、湾岸方言というもの。同じアラブ諸国であるイラクやシリア、モロッコ、エジプトとは違う。アラビア語ネイティブに言わせれば、同じアラビア語でも方言が違うと、何をいっているのか分からない時があるという。
旅行で役立つアラビア語フレーズ
とにかく時間がある本気マンでなければ、アラビア語に関わるのはやめとけと言うのが、私の提案である。
ただ、「アッサラーム・アレイクム」ぐらいは覚えておいた方がいい。これは、アラビア語の挨拶である。タクシーに乗った時や、店に入った時、ホテルの受付人に声をかける時など、とにかく人に会ったら、この言葉を放つべし。
日本では、お店やタクシーに乗って相手に「こんにちは」と挨拶をすることがあまりないが、サウジでは頻繁にある。
ちなみに、「アッサラーム・アレイクム」と言われたら、返事は「ワアレイク・ムッサラーム」である。
ありがとうは「シュクラン」。どういたしましては「アフワン」。さいならは「マアサッラーマ」お店の品や相手を褒める時なんかは、「マアッシャ・アッラー」と言う。イスラーム教徒というのは、褒められることを好まない。
「そのカバンいいですね」、「奥さん素敵ですね」、「このアイテム可愛いですね」。日本であれば、コミュニケーションの潤滑油として、褒めることは有効である。しかし、イスラーム教徒は、褒められる(邪視)ことによって、それが失われることを恐れる。
例えば、「その車、かっこいいじゃん!」と言われた自分の車が、翌日に事故ったとする。そこでイスラーム教徒は、車が妬みの目で見られたから、災いが降りかかったのだ、と考える。
実際に、車体に「マアッシャ・アッラー」ステッカーを貼った車をサウジではよく見かける。妬みによって、不幸がふりかからないようにする魔除けみたいなもんだろう。
サウジ人を知るには言葉もそうだが、イスラーム教のルールや考え方について知っておくことも役立つかも!?
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