イスラーム教のルールまとめ。これだけは知っておきたいイスラーム教

イスラーム教ってルールが多そう。一体どんなルールがあるんだ?イスラーム教の国に旅をするんだけど、注意しておいたほうがよいことってある?

たまたまイスラーム教の国UAEに4年、インドネシアに3年、そしてなぜかイスラーム教の国にばかり旅をしてしまった筆者が、イスラーム教のルールや旅の注意点について、ご紹介。


イスラーム教徒が守るべき5つのルール

イスラーム教徒には、守るべき5つの義務がある。これらはすべてイスラーム教の聖典、コーランに書かれているものである。

イスラーム教徒の5つの義務

1.信仰告白(シャハーダ):イスラームの神を信じます!と宣言
2.礼拝(サラート):1日5回。シーア派の場合は1日3回
3.斎戒(サウム):主にラマダン月に断食などを行う
4.喜捨(ザカート):貧しい人やコミュニティへの寄付
5.巡礼(ハッジ):年に1回の巡礼月に聖地メッカに巡礼すること

日本でいうところの国民3大義務のようなものである。義務といっても、すべてを行うのは難しい。たとえば巡礼は、経済的余裕がないといけないし、サウジアラビアのビザを取得するのも難しい。

よって巡礼は義務とはいっても、できればやったほうがよい、ということになっている。

女性が守るべきルール

特に女性は守るべきルールが多そうである。全身黒ずくめのアラブ人女性を見れば、もうルールでがんじがらめといった感じである。

しかし、そのルールはいたってシンプルで、「女性の美しい部分を隠しなさい☆」というものである。その心は、男は誘惑に弱い生き物であり、女性の美しさが男を惑わすから、というものである。

しかし、コーランには重要なことが書かれていない。一体女性のどの部分が美しい部分であり、どこを隠すのか。

肝心な部分が抜けているのだ。そこで人々はあれこれ考えた。

ひとまずサラサラと美しい長い髪は、当然美しい部分だよね〜と思った人は、髪を隠すためにヒジャーブと呼ばれるスカーフをかぶり、女性らしいボディラインときめ細やかな肌を隠すために、長袖や長いスカートをはく。

しまいには、「女性の顔自体が美しい部分だろ!」という結論に至った人々は、目だけしか出さないニカブをつけることにした。

化粧は女性を美しく見せるものなので、「化粧なんかしない方がいい」と言い出す人もいる。女性が美しいと男たちがその魅力にやられ社会が混乱するからである。女性は公共の場ではブサイクであれ、という考えである。

笑うかもしれないが、女性の魅力は社会の規律を乱す説を真面目に主張する人も中にはいるのだ。

さらに、肌が隠れていても、着ている服が、カラフルだったらおしゃれで美しいだろ!と思った人は、真っ黒なマントをかぶせ、女性を単なる黒いの塊に仕上げることにした。

ブルカ、ニカブどう違う?イスラム教徒の女性の服装を徹底解剖!

ここまでくると、我々がイメージする黒い服を来たイスラーム教徒の女性のイメージにたどりつく。しかし、イスラーム教徒だからといって、必ずしも黒いアバヤやスカーフをつける必要はない。国やその人の信仰度合いによって、服装は様々なのである。

食事のルール

イスラーム教には食事規定がある。イスラーム教徒が口にしてよいものは、「ハラール」、口にしてはいけないものを「ハラーム」と呼んでいる。

イスラム教徒の食事を徹底解説。ハラールフード&禁止された食品一覧

有名どころでいえば、豚や酒を口にしないといったところだろう。けれども、お肉に関してはイスラーム流のルールにのっとって屠られたものしか食べることができない。

だから、イスラームのルールで屠られていない牛肉や鶏肉を口にすることは許されない。

ちなみに口にしなくとも、お酒がある場所に行ったりするのも、やってはいけないことだと考える人もいる。

【知られざる事実】なぜイスラーム教で豚肉禁止?豚肉を食べたら?

礼拝のルール

イスラーム教徒が礼拝を始める前に、体を清める。ウドゥー(清浄)と呼ばれるものだ。日本でも神社に参る時、水で手を清めるのと同じである。清潔であることは、信仰の半分と考える人もいる。

洗う場所や洗う順番も決まっている。一連の流れはこんな感じ。

1. 両手を3回洗う
2. 口と鼻を3回ずつすすぐ
3. 顔を3回洗う
4. 右手と左手を3回ずつ洗う
5. 頭を水でなでる
6. 両耳をこする
7. 右足、左足をそれぞれ洗う

礼拝は1日5回。太陽の位置によって礼拝の時間が決まるため、毎日の礼拝時間は、少しずつ異なる。礼拝のやり方やルールについてはこちらの記事を参照。

イスラム教の礼拝に関する疑問を解決!礼拝時間&方法を徹底解説

断食のルール

1年に1ヶ月ほど、イスラーム教徒は断食をする。ラマダン月である。単に飲み食いしないのが断食のルールだと思われているが、それ以外にもある。

基本ルールは、「太陽が出ている日中に、何かを口を経て体内に入れない」ことである。

何かには、飲み物や食べ物だけではなくて、匂いといった気体も含まれる。たとえば、香水やお香の煙といったものである。

断食のルールは厳しそうだが、高齢者やこども、妊娠中や生理中の女性は免除される。免除された日数は、ラマダンの後埋め合わせをすることになる。その埋め合わせができない人は、貧しい人への施しをするのがルールとなっている。

【徹底解説】ラマダンの疑問を解決!2019年はいつ?断食月は太る?

イスラーム教の国を旅行する時に知っておきたいこと

イスラーム教のルール以外にも、イスラム教徒と付き合う上で知っておいた方がよいこともある。イスラーム圏で旅したり、生活する上で知っておきたい点をいくつかご紹介。

写真撮影はOK?

イスラーム教では、偶像崇拝が禁じられている。偶像は、ダビデ像や奈良の大仏といった彫刻だけではない。漫画や写真、絵画なども含まれている。なぜ偶像が禁止されているかというと、偶像があるとイスラーム教の神以外を祀る可能性があるからである。

アイドルを神だといったり、道端の石ころを崇めたり、金正恩を崇高したりすることは、イスラーム教ではもっての他なのだ。

その他にも、女性はただでさえ公共の場に自分の美しい部分をさらさぬよう、スカーフをかぶったり、肌を出さないでいる。それだのに、写真にとられて見も知らぬ人々に自分の姿を晒されることは耐えられない。そんなわけで、ムスリムの女性は、写真を避ける傾向があると言われている。

ただ、これは人や場所にもよる。都市では、女性でもセルフィーをバシャバシャとって、写真をとられることに抵抗がない人もいる。写真を撮りたい場合は、日本と同じく「撮影してもよいか」と聞いて、撮影するのが礼儀である。

左手に気をつけろ!

イスラーム教徒では、左手は不浄とされている。トイレをする時に左手を使うからだ。彼らは紙ではなく、水と手を使って洗い流す習慣がある。

こちらの左手が不浄でなくとも、トイレ以外で左手を使うと嫌な目で見られることがある。握手をする時は、必ず右手を使わなければならないし、食事の時も右手を使わなければいけない。

私は左手なので、ついつい左手を使ってしまうのだが、ムスリムに嫌な顔をされて終わるだけである。

異教徒だけどモスクに入ってもいいの?

通常のモスクは、異教徒が入ってはいけない。モスクは神聖な場所であり、神聖なイスラーム教徒しか入れないようになっている。

とはいえ、見た目でイスラーム教徒とはわからないし、心の問題なので、異教徒が入ったところでとがめられることはない。


イスラーム教徒の礼拝所、モスク

中には、異教徒も入れるモスクがある。ただ、その場合には、ルールがある。男女ともに、短いズボンなど露出した格好は避けることと、女性であれば、髪の毛をスカーフで覆わなければならない。

イスラーム諸国を旅する時の女性の服装は?

イランやサウジアラビアを除けば、異教徒だからといってむやみにスカーフやアバヤを着る必要はない。が、せめて肌の露出を押さえておいたほうがよい。彼らに対する配慮にもなるし、痴漢防止にもなる。

日本と同じ感覚で、スカートや肩が出るタンクトップなど着ようものなら、よくて男性からの視線を無駄に浴びる、悪くて痴漢か娼婦に見られるからである。

信じている宗教は?と聞かれた時の答え方

できれば、宗教の話は避けたほうが無難である。仮に、イスラーム教徒から「信仰している宗教は?」と聞かれた場合、間違っても「無宗教です!」と宣言してはいけない。

無難に、仏教徒だとか神道だと答えておいたほうが、身のためである。なぜなら、彼らの世界では、神がいないことなどありえない。よって、神がいないと思っている=正気の沙汰ではない、などと思う人のいるので、注意されたし。

イスラーム教はルールだらけ?

日本人からすると、イスラーム教はルールだらけに見える。そして、ルールだらけの中での生活は窮屈だと。

けれども、あくまでそれは日本人から見た視点である。彼らにとっては、ごく普通の習慣になっている。

イスラーム圏に住んでいるムスリムからすれば、どの食べ物もハラールであることが前提なので、さして苦労することはない。酒がないことも当たり前なので、酒がない事実に苦しむこともない。

それは日本も同じで、我々が気づかないところで、日本特有のルールというのは多く存在する。電車の乗り方、名刺の渡し方や、お酒の注ぎ方、座る位置、橋のもち方、食べ方など。

日本人からすれば、習慣になっているので、ルールが多いなどとは思わないが、ルールを共有していない外国人からすれば、ルールだらけである。しかも、それは明文化されていないものも多くあるので、人々は探り探りに考えたり、思い込みすぎたりして、疲れるものもある。

イスラーム教はルールだらけで、息苦しい、とは一概には言えないのである。

マンガでゆるく読むイスラーム

普通の日本人がムスリム女性と暮らしてみたらどうなる?「次にくるマンガ大賞」や「このマンガがすごい!」などでも取り上げられた話題のフィクション漫画「サトコとナダ」。

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