サウジアラビアの名物料理「カプサ」を食べてみた

サウジアラビア。その国の正体はいまだ謎に満ちたままである。

なにせ独身女性はお断りな国なので、行きたくてもいまだ行けないでいる。いや、正確にいえば団体ツアーだと決まった場所には行けるのだが、ツアーも高くつく。個人旅行で独身女が入国するのは相当ハードルが高い国なのだ。

イスラム教のメッカを抱える国

さらにツアーであってもメッカやマディナといったイスラム教のメッカには、行けない。異教徒禁制ということもあるが、当人がイスラム教徒であっても、独身女性が行くには兄弟か父親の帯同が必要なのである。

つまりは独身女性に閉ざされた国なのである。

なのでサウジといえば、実際にサウジに住んでいる人やドバイに遊びに来るサウジ人との会話でしか見聞きしたことがない世界である。

行きたくても行けない国。サウジ。そんなサウジに少しでも触れようということでやってきたのが、サウジアラビアレストランである。UAEには数店舗しかなく、珍しい存在である。

未知なる国の味を求めて

やってきたのは、UAE人が多く住むジュメイラ地区にある「サウディ・キッチン」というレストラン。レストラン内にはちらほらUAE人たちの姿があった。

メニューはシンプルで、メインコースにはイエメン料理の「マンディ」をはじめとして、ご飯ものが並ぶ。そのほかにもエビやハムールのグリルといった海鮮系もある。ハムールというのは、クエ科の魚でこのあたりではよく取れる魚。

今回の目当てはサウジ料理なのでサウジアラビアの名物料理「カブサ(Kabsa)」を注文。たまに「カプサ」と表記してあるのを見かけるが、アラビア語にはPの発音はないので、カブサと表記しておきたい。


王様の食卓に出てきそうな出で立ちに期待が高まる

注文後、お手洗いに立って戻ってくるとすでに料理が運ばれてきていた。その間、たったの2分弱。

マックよりも早えよ。

出てきたカブサは、なにやら王宮料理的な雰囲気を醸し出している。最速ででてきたり、王宮的な雰囲気を出したりと、やはり未知の国。あなどれない。

日本のアレに似ている・・・!?

蓋をあけると、なにやら優しい香りが漂う。

トマトピューレを使って色付けされたインディカ米に、しんなりと炒めた玉ねぎ、レーズン、メインの羊肉。ご飯とそれらを絡めて食べると、いろいろな味が楽しめる。

湾岸諸国のご飯ものといえば、だいたい米と肉(もしくは魚)オンリー。なので、味は最初から最後まで同じ。しかし、カブサにいたっては複数の味が楽しめるのが特徴なよう。

マンディやこの地域によくあるご飯ものと同じような味かと思いきや、懐かしい味がする。どっかで食べたことがある。これは・・・

オムライスのご飯だ。

オムライスと違うのは、スパイス。カブサにはナツメグやクローブ、コリアンダーなどが使われていること。

野生感がある味かと思いきや、オムライスを彷彿させる優しい味のごはん。未知の国の料理を味わうはずが、まさか母国の食べ慣れた味を思い出してしまうとは。やはり侮れない、未知の国サウジ。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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