イスラム教の聖水、「ザムザムの水」を手に入れたものの・・・

あいつ、オムラに行ってきたな。

会社のアラブ人同僚(以下Aとする)が、休暇から帰ってきたパキスタン人同僚(以下Pとする)を見てそう呟いた。

オムラというのは、「小巡礼」のことである。イスラム教徒がその聖地、メッカへ巡礼する「ハッジ」はそこそこ知られているかもしれない。「ハッジ」はイスラム教の義務のうちの一つであもる。

メッカへの巡礼は、「大巡礼」と「小巡礼」とに分かれていて、特定の日に巡礼する「大巡礼(ハッジ)」に対し、それ以外の日にメッカへ巡礼することを「小巡礼(オムラ)」という。

しかし、なぜ「オムラ」にいったとわかるのだろう?エスパーか?と思いきや、「髪を剃ってるからだ」という。巡礼の最後には、髪を切る必要があるとのこと。

AがPにしきりに、「ザムザムの水は持って帰ったか?」と聞く。ザムザムの水とは、聖地メッカにあるザムザムの泉から湧き出ている水だ。メッカ巡礼の定番の土産になっているのだとか。

そんなことで、わたしもおこぼれをあずかり、イスラム教徒の聖水、ザムザムの水をもらったのである。ちなみにPはなんとスーツケース1個分すべてにこのザムザムの水をつめて帰ってきたのだという。
ザムザムの水
手のひらにおさまるサイズのプラスチックボトルに入っている、ザムザムの水


サウジ土産のお菓子。クオリティの高さにビビる・・・

しかし、ドラクエでもなしこんなリアル「聖水」をもらったのは初めてのことである。「聖水」の取り扱い方がわからない・・・飾っておくべきなのか?

なんてTwitterでつぶやくと、親切にもカタールに住む日本人ムスリムの人が丁寧に答えを教えてくれた。

このTAKE Cさん、カタール在住歴18年でなんと政府系の仕事をしているという。日々の日常生活や視点を綴ったnoteやブログ記事が非常に興味深い。

答えがわかったところで、とりあえず普通に飲んでみた。味はいたって普通で、ボルヴィックとそんなに変わらない。まあ、ただご利益があるようにと願うばかりである。

ちなみに埼玉県の西川口には、「ザムザムの泉」というハラール料理を提供する店がある。結構人気店のようなので、日本に帰ったらぜひとも訪れたい場所である。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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