アラビア語&コーランの勉強を開始【イスラム教徒はつらいよ】

アラビア語学習を前向きになったのには、別のワケがあった。周りの援助である。

ムスリムのパイセンというのは、圧力をかけることもあるが、非常に協力的なのである。何が何でも私を良いムスリムに仕立てるぞ!という謎の意気込みすら見え隠れする。

特にモスクで出会ったサウジの母(詳細は喜べ!おまえに友達が出来たぞ、と紹介されたのは・・・を参照)は、「これでちゃんと勉強しなさいね」となんとアラビア語&コーラン勉強セットを授与してくれたのである。しかもタダである。


アラビア語&コーラン勉強セット


バックになっているので持ち運びも楽チン

見たところかなり高価そうなので、「お金出します!」というと、「いいのよ。それよりあなたが必要なくなったら別の人にあげてね」とサウジの母は優しく答えた。

私だけのプレゼント?と心をときめかせたのも束の間、サウジの母はこの勉強セットを他の新人ムスリムにも配っていた。

しかし、このアラビア語勉強セット。なかなか革命的である。魔法のペンでコーランをなぞると、該当部分をアラビア語で発音してくれるではないか。この魔法のペンさえあれば、いちいちCDをかける必要もない。


読みたいところをペンでなぞるだけ!


スピードや音量も自由に調整可能

さらには英語、フランス語、ウルドゥ語の翻訳音声もついている。

勉強グッズをあげただけでは、こいつ勉強しないだろう、と思われたのか「次回までには、ここまでやってくるのよ」と勝手にシラバスを組み始めたサウジの母。

授業は礼拝時間の前後で、モスクで行なわれることになった。

場所代もタダで、コーヒー代も払う必要がない。モスクというのは、礼拝以外でも使える便利な場所である。

いつもの穏やかな性格に反して、サウジの母の授業はスパルタであった。

「違う!ここの発音はこう!私の舌の動きをちゃんと見て!」

ひい。すみません!と言いつつ、こうしたスパルタ授業のおかげで、アラビア語特有の発音を少しずつ身につけることができた、と思いたい。

また、その辺にいたムスリム女子を捕まえて、「この子にアラビア語を教えてやってくれる?」と口説き始める。自分が担当できない時は、彼女に教えてもらえ、という。気がづけば「じゃあ土曜と月曜の19時から」と勝手にレッスンが入ることになってしまった。もちろん勝手に仕組まれた授業なので無料である。

ひえ!?

これはもうやるしかない。そんなわけで、サウジの母から授与された勉強道具と、勝手に仕組まれた個別指導授業によりアラビア語を勉強することになった。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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