3年も住んでいるのに現地人の友人ゼロ!?現地人と会うことが難しいドバイの実態

由々しき事態である。ドバイに住んで4年目になろうとしているのに、UAE人の知人がゼロなのだ。

あまりの衝撃の事実に、ワナワナと震えてしまうほどである。

いや、それはお前の人脈と社交性のなさによるものなのでは?と思われるかもしれない。

正解である。

しかし、そうしたハンデを背負ったとしても、この事態はあまりにもひどい。

人口の10%。出会うこと自体が希少な人々

もはや己の人脈のなさを露呈してしまったところで、何を言ってもいいわけにしか聞こえないかもしれない。ずいぶんと不利な始め方をしてしまったものである。

しかし、考えてみて欲しい。ドバイにおいて人口の1割しか現地人(UAE人)はいないという事実を。さらにUAE人たちのほとんどは、公務員なので、民間企業で働くリーマンには一切関わりがないのである。

現地人とまったく関わらないドバイの暮らし

具体的にドバイでの暮らしを1コマをあげてみよう。

メトロで会社に通勤:メトロ=庶民の乗り物というイメージが定着しているためか、UAE人がメトロに乗るということはほぼありえない。乗っていたとしたら、安倍首相が普通に東京メトロで霞ヶ関に出勤するレベルである。

会社で働く:40カ国以上の同僚が働いているが、UAE人はゼロ。ただUAE生まれ、UAE育ちの人はいる。しかし、UAE国籍のハードルは高く、みな親の出身国のパスポートを所持している。

タクシーに乗って飲み会へ:タクシーの運ちゃんは大体、インド人かパキスタン人。

モールやスーパーで買い物:店員は大体フィリピン人かインド人。フィリピン人は、「ハ〜イ、マダ〜ム」と馴れ馴れしく話しかけてくる。たまに中国人が出現。

ビーチで過ごす休日:パリピがかったヨーロッパ人かロシア人で埋め尽くされるビーチ。

この時点で、UAE人の出現率はゼロである。本当にドバイに住んでいるのか?とすら自問したくなる。

UAE人と関わる場面といえば、空港の入国審査ぐらいだったが、今ではeゲートが導入されたため、それ以降UAE人との接触が断たれてしまった。実際に話す機会はないものの、UAE人を目視で確認することは頻繁にある。しかし、それだけでは不十分なのだ。

現地人と会うなら能動的に動く必要がある

UAE人が気軽には会えないレアキャラと化したとはいえ、出会う方法は実はある。

例えばUAE人がたむろっているカフェや祭りに行ったり、UAE人ガイドが案内する観光ツアーに参加したりである。

しかし、考えてみてほしい。なぜその国いながら、その国の人と会うためにわざわざ出没スポットに出かけたり、金を払ってツアーに参加せにゃいけんのだ。

こちとら、単に交流がしたいだけだというのに。

他の国であれば、その辺にごろごろいる普遍的な現地人との交流が、ここドバイだとそれなりの金と労力が必要なのである。

きれいなお姉ちゃんと交流したい。そんなモチベーションで、金を払ってキャバクラにくシステムと同じじゃないか・・・

数年住んでもまったく愛着がわかない国

そんなわけで、ドバイいやUAEという国に住んでいながら、その国の人がどのようなことを考え、生活しているかがまったく実感としてわかないというのが現状だ。

その国に住んでその国の人々について語ろうとしても、どこか実態を伴っていない虚しさがつねにつきまとう。

たった1年しか住んでいなかったイスラエルでさえ、イスラエル人というのはこんな感じで・・・といった実感を持てた。

だからうらやましい。

ドイツに住んで、ドイツ人とはね・・・と語ったり、タイに住んで、タイ人のこんなとこが嫌になっちゃうよね・・・とか。

他の国では当たり前にできることが、このUAE生活には欠如している。

我々が普段見せられるUAE人像というのは、観光客向けなどにつくられたていのいいものである。我々が本当にみたいのは、作り上げられたUAE人像ではなく、飾らない普通の人々の姿なのだ。

その国に数年も住めば、少なからず現地の文化や人々に愛着を持つのが人間だろう。しかし、私はいまだそうした愛着をこの国に持てずにいる。まるで、自分がお腹を痛めて産んだ子どもなのに、愛着が持てません・・・と悲しげにいう母親のような心持ちである。

国に愛着を持ちたいという反動の結果・・・

あまりにもUAEへの愛着のなさゆえか、気づけば別の国に並々ならぬ愛着を持つという事態に進展していた。それが、第2の実家と呼んでいるバーレーンである。

バーレーンが好きだなんていう日本人は、ほぼ皆無だろう。異端児扱いされても、私はバーレーンを推したい。3年間のUAE生活で話したUAE人よりも短期滞在したバーレーンで話したバーレーン人の方が圧倒的に多いからである。

そう、バーレーンにはドバイにはない現地の人々との交流がその辺にごろごろ転がっている。何より計らずして他人の家に不法侵入した時の、バーレーン人家主の対応が忘れられない。

バーレーン愛を語り始めると、止まらないのでこの辺にしておく。いや、いくら私がバーレーンのことを語ったところで、ふんふんと受け止めてくれる人はいないだろう。まさに宇宙にメッセージを送るがごとしである。

ドバイを離れる時。

きっとこう思うだろう。この場所はいったい何だったのだろうと。そこには懐かしきUAE人との思い出はない。UAE人とは結局何だったのか・・・という疑問だけが残るような気がしてならない。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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