ハーバード卒のモデル社長。ハイスペすぎるイケメンに学んだこと

美女メーンやイケメーン(剣道のメーン!風に発音するのがポイント)とは、縁がないしけた生活を送っている。しかし、ひょんなことから、イケメーンが私の行動圏内に出現してしまった。

舞台はウズベキスタン。単にウズベキスタンを旅行するのではなく、ウズベキスタンの美しい幾何学模様を勉強をしながら旅行しませう、という特異な目的を持ったグループ旅行に参加した時のことだった。参加メンバーの大半は陽気なトルコ人と欧米の人少々であった。

問題のハイスペすぎるイケメーン

その陽気なトルコ人軍団に紛れていたのが、今回のテーマであるハイスペすぎるイケメーンなのである。どこからどう見ても、異様な空気を放っている。どう考えても幾何学を学びそうな学徒ではない。

その怪しげな匂いにつられて、話を聞いてみると、まあ面白い。AI占いアプリ会社を経営しているというから、へえと思ってそのアプリをダウンロード。アプリを開くと、アラジンみたいなイケメーンがこっちを向いている。

「あ、それ俺なんだ。モデルもやってるんだよー。この服も自分でプロデュースして、自分でモデルをやってるんだ」

ひえっ

しかも、全然いやらしく聞こえない。爽やかだ・・・

これがハイスペイケメーンの風か。しかし、そのファッションは、よく言えばヨギーたちが好みそうな天然コットンの快適ファッション☆だが、悪く言えばオウム真理教の信者を彷彿とさせるものだった。

モデルなのだから、もっとカッコイイファッションをすればいいのに・・・

凡人には分からない世界があるのだろう。

高身長で整った顔。どおりでモブとは全く異質の空気を醸し出しているわけである。後から別のトルコ人に裏どりをすると、そのアプリはトルコではかなり人気のアプリで、世界中でも配信されているそうな。しかもトルコのメディアでも大々的に取り上げられていた。ちなみにAI占いなのに、ものすごく当たるので、いまだに私は使っている。

そう。まさに絵に描いたような成功者なのである。

さらに、ハーバード大でMBAを取得していることが判明。もはやトルコのスーパー出来杉くんである。いや、これは出来杉を超えてるレベルだぞ。

己のイケてる度をチェック

そんなハイスペイケメーンと行動を共にし、学んだことがある。ハイスペイケメーンをチラリと見やると、鏡で己の姿をチェックしているではないか。

私はこの時、ひどくショックを受けた。そして学んだのである。

イケメーンや美女メーンというのは、360度どこから見ても完璧な形をしているわけだから、いちいち己の容姿などチェックする必要などないだろう、と思っていた。しかし、イケメーンですら、チェックを欠かさず、身だしなみを整えているではないか。

では凡人は・・・?

そう、イケメーンでさえ、せっせと身だしなみを整えているのだから、私のような凡人は言わんやである。私は人前で鏡を見ることが苦手な人間である。しかし、イケメーンですらこのような小さな努力をしているわけだから、モブの私はそれ以上に、身だしなみチェックを行い、努力せねばならない、と気づいたのである。

結婚相手の選び方

何を思ったかパートナーってどういう風に見つけたらいいんでしょうねえ?と何気なく聞いてみた。他の参加者たちと占いアプリできゃっきゃやっているうちに、なぜかそういう話になったのだった。

「ライフスタイルが合う人が良いと思う。俺は、朝早く起きてジムに行って、早く寝るから、夜型の人とは一緒に暮らせないしな」

何気にこの言葉は、今でも印象に残っている。日本では、趣味や性格で相手を選ぼうという手法が一般的なのに対し、ライフスタイルとは。意外と的を得ている。確かにライフスタイルが異なれば、生活において、小さなストレスが溜まっていく。言い得て妙である。

相手に合わせて話し方を変える

ハイスペイケメーンは、ものすごく分かりやすい英語を話す。アナウンサーのように、ハキハキとして聞き取りやすい上に、トルコ人特有のアクセントもない。人を動かす経営者であるから、伝え方も重要なのだろう。

そう思って聞いてみると、返ってきたのは意外な答えだった。

「あー。そこは意識してるかも。国が違う人と話す時は、なるべくニュートラルな英語を話すようにしてる。でもイギリスアクセントとかアメリカアクセントとかもできるんだぜ」

サードインパクト襲来。

人によってアクセントを変える・・・?

そんなことができるのか・・・

そう。ネイティブの英語と言っても、オーストラリア、アメリカ、イギリスといった国だけでなく、地域によってもアクセントが異なる。同じイギリス人なのに、こっちの人は分かるけど、あっちの人は何言っているのか分からん、と言ったことが結構ある(私の英語力の問題もあるが)。

そうか。学ぶべきは、ネイティブの発音ではなく、誰にでも分かりやすいニュートラルな発音だったのか!

目から鱗であった。

うう。ハイスペイケメーンは尊い。短期間だというのに、これほど大きな学びを与えてくれたのだから。しかも、本人から発する言葉に全くおごりはなく、誰とでも分け隔てなく接している。どこの馬とも分からぬような私にでさえも、ちゃんと話してくれる。人格者すぎる・・・というか、イケメーンかどうかなどもはや関係ない。こやつは、人並み以上に努力し、魅力のある人間だからこそ、他人にも大きな影響を与えるのだろう。