日本の歯科治療は本当に優れてる?マレーシアの歯医者でホワイトニング

「歯の治療だけは日本で」。これは海外に生きる邦人たちの格言になっている。そう、出展元は明らかではないが、ドバイやマレーシアに限らず、周りの邦人達はまことしやかにささやく。だから、歯の治療は日本でしかできないのだ、と思っていた。

しかし普通に考えれば、歯の治療のためだけに日本に戻るのも面倒である。それに、日本は本当に歯科治療においてそれほど優れているのだろうか。

同様のシリーズはいくつかある。髪を切るなら、やっぱり日系美容室の方が安心、やっぱり日本のブランドの方がクオリティが高い。これは海外に暮らす邦人だけでなく、国内に住む日本人でも思うところだろう。

しかし、個人的には、そんなに”日本ブランド”に縛られなくてもいいんじゃないかと思う。日本ブランドに縛られることで、世界の本当の良いものを見つける機会が失われるんじゃないかと。

というわけで、徒歩0分という素晴らしい立地に、歯科クリニックができたので、行ってみることにした。歯科クリニックというていだが、私が住んでいるコンドミニアム内にあるので、内装の作りは私の家とクリソツである。まるで自分の家のような錯覚を覚えてしまう。

簡単な問診票を記入し、いざ診療室へ。どうしても自分の家とダブってしまうせいか、本当に歯医者なんだ〜と、本格的な機器に関心してしまう。ちなみに歯科助手は、制服を着ているわけでもなく、その辺の路上にいるギャルみたいな格好をしている。

「じゃ、簡単にチェックしていきますねー」

日本だと、歯のチェックの際に、Bの7がGみたいな、暗号が飛び交っているイメージなのだが、30秒ぐらいでささっとみて歯の健診は終了。虫歯はないとのことだが、大丈夫か・・・?

「この歯、日本で治療したでしょ。さすが綺麗にやってるねー」

モニターに映る私の歯の銀の詰め物を見て、ドクターが言った。アメーバみたく私の歯にへばりついている詰め物が美しい・・・?

そんなこと、日本にいたら思いも馳せなかった。ともあれ、やはり日本の治療技術はそこそこ高いのだということが、これでほぼ立証されてしまった。

今回来たのは、前歯にある黒ずみが気になっているので、ホワイトニングとともにそれを削除することが目的である。それを伝えると、ドクターはこれはこうで、みたいなメニューと料金説明をする。事前に料金とメニューを確認し、こちらからゴーサインを出す。なんだか美容クリニックみたいだ。

思えば、日本の歯医者でメニューや料金の確認など事前にしたことがない。患者は医者の言われるがままの治療を受け、言われるがままの料金を受付でそのまま出す。

国民保険に入っていれば、3割負担という安心の盾があるし、何より料金を聞いてはならぬ空気が漂っている。ちなみに私は、日本に帰国した際には、すべて自費治療で賄っているのだが、その際にも事前に金額を伝えられたことはない。

こうして、歯のクリーニング、ポリッシング、ホワイトニングの3メニューで、料金は400リンギット(約13,000円)。新規開店オープンということで、プロモ料金になっているとのこと。歯医者でも、プロモーションとかあるのか・・・

ホワイトニングは初めてだったのだが、何やらハンニバルみたいなくつわを口の中に突っ込まれ、室内栽培の野菜に当てられる青いLEDライトをひたすら照らされるというものだった。ハンニバル姿で、LEDライトを照らされるというなんとも言えない珍景。

かかった時間は1時間半。日本と比べると、かなり長く感じられる。日本では予約をとるのにも一苦労で、当日も30分ぐらいで終了するように設定されている。次から次へと患者がやってくるので、5分遅れても、嫌な目で見られるのである。

しかし、ここではじっくりと説明してくれるし、急かされて施術されている感がまったくない。その結果が、1時間半なのである。歯医者としての効率はどうなのか気になるところだが、患者としては嬉しい限りである。

ステインが原因とされた前歯の黒ずみも取れ、歯も良い感じに白くなっている。施術には満足である。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

管理人をフォローする
マレーシア
シェアする
進め!中東探検隊