目の前に世界的な有名アイドルが現るっ!まさかのK-POPスターに遭遇

朝いつものように目覚める。何も予定はない。いつものように凡庸な1日を送るはずだった。

しかし、その数時間後、世界的に有名なK-POPアイドルに出会うことになる。

そんな予期もしない出来事に遭遇するのがマレーシアである。

しがない生活を送っている筆者なので、マレーシアの週末にやることといえば、亡霊のごとく涼しいショッピングモールを徘徊するぐらいである。

しかし突然、異常な光景を目にする。

な、ななんだ・・・この人の量は・・・


一体、どんな宗教よ?

旧正月を圧倒的に上回る群衆が目の前に現れた。どうやら群衆が集まっているのは、スキンケアブランドのSK2のお店である。ついこの間までは、シャネルが2店舗分を貸し切っていたのだが、その1店舗をシャネルからもぎ取り、SK2の店がオープンしたばかりなのであった。

あまりの群衆ぶりに、シャネルもその時間帯は店をクローズする有様であった。シャネルをぶちのめすほどの衝撃とは何なのか・・・

その正体を見ようにも、人が多すぎてその求心力の正体がわからない。群衆が高く掲げるスマホやiPadの画面から、なんとなく見れるほどである。しびれを切らし、その辺にいたSK2のイベントスタッフに誰がいるのかを聞く。

「TWICEのミナだよ〜」

マジか!

と驚いてみたものの、正直K-POPは詳しくない筆者である。しかし、いとこがTWICEのファンで、韓国に住んでいた頃、TWICEグッズをしこたま韓国から日本に転送したことは覚えていた。私が知っているぐらいだから、世界的にも有名なのだろう→わあ、すごい、といった具合である。

イベント終了後に、ミナが通るであろう通路には、両脇にファンが並び道を作っていた。

興奮しながら、いとこにその様子を報告し、「ミナが目の前を通るから、なんか言いたいことある?」と伝言を承った。後から考えれば、リアルタイム通話をすればいいじゃないかと思ったのだが、その日に限ってスマホのWi-Fiが繋がらなかったのだ。

ドキドキしながら、花道に並ぶ。しかし、いつまで経ってもミナは現れない。それに目の前には、ロープも衝立何もない。ファンが剥き出しの状態なのである。

本当にこんなところを通るのかな・・・と思い、近くにいたセキュリティのおっちゃんに聞くと、

「ミナが通るのはここじゃなくて、あっちの通路」

なんと親切なセキュリティなのか。しかし、情報をそんな形で垂れ流していいのか・・・

正しい通路に並び直した際にも、別のセキュリティマンが

「あと5分でミナが来るよ」

などと、親切に教えてくれるのである。

やっぱりゆるいぞ・・・マレーシア!

そして大きな歓声をまとい、ミナがこちらへやってくる。伝言を承った私は考えた。何せ見たこともない相手、しかも超有名アイドルに声をかけるのだ。

その辺にいたファンから、ミナは日本人であるという情報をゲットしたので、日本語での声かけでOK。

しかし、タメ口で行くべきか、敬語で行くべきか。タメ口の方が、ポップだろうし、でもよく知らない人にタメ口は失礼かな・・・など云々かんぬん。

アイドルの声がけに、タメ口か敬語かで迷うクソ真面目人間など、この世で私だけかもしれない。

などと考えていたら、ミナが目の前にやってきた。セキュリティに囲まれているものの、筆者との距離は50センチ。手を伸ばせば、届く距離。

アイドルを見る前は、どんなに綺麗なのだろう・・・と思っていた。

しかし、実際にミナを目の前にして思ったのは、

なんという偶像(アイドル)

である。そう、綺麗とかいう世界線ではなかったのだ。それは、まるでこの世のものではない、人々に崇められる対象としての偶像。目の前の人物はそれを体現していた。

「いつも応援してます!(私じゃなくていとこが)」

マレーシアという異国の地だからか、日本語での呼びかけに、ミナは一瞬反応したようにも思えた。まあ、多分思い込みなんだろうけど。

車に乗り込む前に、ミナは群衆を振り返り、ゆっくり微笑んだ。そして、光のように儚く、どこか脆さを感じさせるアイドルは、黒いワゴン車に吸い込まれていったのである。

住宅地でヤギの解体をしたかと思いきや、K-POPアイドルに遭遇してしまうなど、マレーシアの磁場はどうかしているに違いない。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

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