圧巻の青のドーム、マレーシアのブルーモスク。行き方や営業時間を紹介

マレーシアにあるブルーモスクへの行き方や見どころなどをご紹介。

ブルーモスクの正式名称

正式名称は、スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズモスク。モスクがあるセランゴール州の8代目スルタン(王)の名前に由来している。

ちなみに、ブルーモスクができる前には、セランゴール州で最大のモスクが、スルタン・スレイマン・ロイヤル・モスクであった。こちらはバクテーの発祥の地と言われるクランという町にある。シャーアラムからは車で20分ほどの場所にある。ロイヤルモスクは、土地の歴史や地元文化と融合した装飾が垣間見れるユニークなモスクとなっている。

マレーシア最大のモスク

ブルーモスクは、マレーシア最大のモスクであり、東南アジアではジャカルタのイスティクラル・モスクについて2番目に大きいモスクである。何より、その巨大さを物語るのがモスクの上に鎮座する青いドームである。

そして、ドームの周りには世界最大級の高さを誇る白いミナレットが、すらりとそびえたっている。

通常であればこうした国内最大級のモスクというのは、首都にあるのが相場である。行政機能の中心地であったり、歴史的に繁栄した場所であったり、人口が多いためなど、最大級のモスクを作るという大義名分がある。一方で、シャーアラムは人口20万人ほどしかいない都市。モスクには、その人口の10分の1を収容できてしまう計算だ。

そのせいか、モスクの内外は週末だというのに、心地よい静けさに包まれている。

モスクでの服装

マレーシアは年中暑いため、短パンや半袖を着ている人が多い。そのため、モスクではモスクのテーマ色に合わせた青のローブを貸し出している。よって、服装に関しては何か持参する必要はなし。

ただ、長袖、長ズボンを着てスカーフを持参すれば、ローブを借りずにそのままモスクへ入ることができる。

日本人しかいないモスク!?

国内最大のモスクだというのに、ピンクモスクに比べ圧倒的に観光客の数は少ない。しかも、その少ない観光客はほとんどが日本人である。日本人しか来ないモスクと言っても過言ではないだろう。

私が行ったときも、前後に日本の団体観光客が訪れていた。ツアーで一緒になったのも日本人であった。どうやら日本のガイドブックでは大々的にフューチャーされていることが原因の模様。

見学にガイドは必須

なぜかブルーモスクは、必ずガイド付きでしか入れないシステムになっている。これまでいろんなモスクを訪れたが、ガイドとしか入れないモスクは初めてだ。

見学前に、国や名前を登録してから(なぜかマレーシアの観光客向けモスクでは通過儀礼となっている)、ガイドを待ってようやく中に入れる。ガイドの内容は、モスクの成り立ちにも触れながら、イスラーム教徒がどのようにモスクを使うのか、ということを丁寧に説明してくれる。

ガイドの時間は40分ほど。自分のペースで自由に写真を撮りたい人や、すでにどこかでイスラーム教やモスクについて聞いたことがある人にとっては、やや退屈に感じてしまうかもしれない。

周辺の観光スポット

せっかく足を伸ばしてきたのだから、ついでにどこか寄りたいと思うのが、人の心というものである。しかし、残念ながらブルーモスク周辺の観光スポットはそれほど多くない。唯一、良さげな観光スポットでもあるスルタン・アラム・シャー博物館は、改修のため閉鎖中(オープン時期は2024年以降)。

スルタン・アラム・シャー博物館。現在改修のため閉鎖中


モスク前にあるインフォメーションセンター。親切なボランティアのおばさんが、あれこれ説明してくれる。イスラーム教についての展示もある。ローカルの人と話すのには良い機会だろう。

シャーアラム博物館の横にある日本庭園。日本庭園らしさはほとんどないが、市民の憩いの場になっている

意外とがっかり観光スポット!?

ブルーモスクに関しては、観光スポットとしてどうよ?という声も少なからずある。これだけ紹介していていうのもなんだが、正直なところ私もそう思った。

確かに写真映えするスポットはいくつかあったが、そうしたスポットは限定的。モスク全体を見れば、非常にシンプルな作りで、内装に至ってはそれほどブルー感があるわけではない。同じような規模感で言えば、むしろKLにある国立モスクの方が見応えはある。

また周辺で楽しめるスポットも少なく、ブルーモスクだけを見るためにKLからわざわざ行くのは少々もったいないように感じた。日程が限られている観光であれば、プトラジャヤのピンクモスクやモロッカンパビリオンの方が、アクセスも良い上、楽しめると思う。

土日は休み?見学時間は?

ネックにになるのが見学時間。ガイドブックやGoogleマップ情報によって、営業時間が微妙に異なる。よって、以下はあくまで目安として欲しい。Googleマップで見ると、土日は休みになっているが、両日とも見学できる。

営業時間
月〜木、土日:10時~13時、14時〜16時
金曜:10時〜12時、15時〜16:00時

基本的に、礼拝時間前後は見学ができない。礼拝時間は、日によって少しずれるので、こちらで確認。訪れるのにおすすめの時間帯は、午前中。

モスクへの行き方

KLからだと、半日もあればモスクを見て回ることができる。片道1時間ほどとみておくと良いだろう。

お金に余裕があり、とにかく効率的に行きたいという人には、Grabタクシーがおすすめ。KL中心部からは40分ほどで、MYR20~40(約600~1,200円)ぐらい。数人で行くのであればこちらが良いだろう。

時間に余裕があり費用を抑えたい人は、バスもしくは電車がおすすめ。
バスの場合は、LRTのバンサー(Bangsar)駅のバス停から750番のバスで、最寄りの駅Hentian Pusat Bander Shah Alamへ。バス停から、モスクまでは徒歩10分ほど。モスクの前で停まらないので要注意。

750番のバスは、20~30分おきにやってくる(マレーシアのバスは時刻表通りには走っていない)。バンサーのバス停では、方向に注意。コンビニやレストランがあるバス停とは逆の方向になる。シャーアラム方面のバスは、高架下にある。

バスに乗る場合は、Moovitというアプリがおすすめ。降りる駅のタイミングや目的地までをリアルタイムで案内してくれる優れもの。

電車の場合は、KLセントラル駅のKTMコミューターでSha Alam駅へ。時間は約1時間ほど。Sha Alam駅から、タクシーもしくはGrabでモスクへ向かう。歩きで行くのは、賢明ではない。

Sha Alam駅からモスクまでは車で10分ほど。駅前は、さびれておりほぼ何もない。そのためか、Grabタクシーをつかまえるのにやや時間がかかる。タクシーは常駐しているのですぐつかまる。Grabでも通常のタクシーでも、値段はRM11(約350円)それほど変わらない。

KTMの難点は、本数が少なく40分に1本なので、帰りの時間が読めない場合は、バスもしくはGrabの利用をおすすめする。事前にKTMの公式サイトで時刻を確認しておくか、先のMoovitで調べておくと良い。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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