ベルリン移住が決まったのが、1ヶ月半前。まだ時間あるし、余裕でいけるっしょ、と思っていたら、終盤になって大忙しである。最後の方は、寝不足になり、もう何が何だか覚えていない。記憶も絶え絶えである。
迫り来る内見者
マレーシアでは引越しが決まると、家がオープンハウス状態になる。日本だと、引越し後に内見にやってくるが、マレーシアでは引越し宣言をした翌日から、内見者がやってくるというシステムになっている。
よって、内見者がやってくる度に、引越し準備で散らかっている家をそれなりに綺麗にしなければならない、という作業が発生する。授業参観日のように、「いつもの様子を見てもらいましょう☆」というポリシーをとることもできるが、汚部屋に住んでいる人間に思われたくない、というプライドゆえに、せっせと掃除に励んでしまうのだ。
重量制限
スーツケースで引越しをするので、ボクサーの試合同様に、重量調整に神経を尖らせてしまう。荷物をせっせと入れ込んでは、重量オーバー、荷物減らす、といった行為をひたすら繰り返す。
ギリギリまで使いたいものもあるので、通常の生活をしながら、荷造りをしていくのも大変である。冷蔵庫の食品や食器、日用品など残りの日数をカウントしながら、いかに最後まで使い切るか、という戦いも発生する。とはいえ、やはり綺麗に使い切るのは難しく、ゴミが大量に出てしまう。よって、毎日、3袋以上のゴミを持って、ゴミ捨て場と家を往復するのであった。
ベストな終わり方などない
マレーシア生活ともお別れとなると、最後にあれをしよう、ここに行こう、などと次から次へと湧き上がってくる。しかし、そのほとんどは、結局忙しすぎて叶わなかったものばかり。
そう。数ヶ月前に行ったきりで最後・・・そんなことばかりである。人生や人との出会いもそんなものかもしれない。いつが最後になるか分からない。だからこそ、その時その時でエンジョイすることの方が重要なのだ。
移住が憂うつ
当初は観光気分でウキウキしていたが、引越しの日が近づくにつれ、ベルリン行きが憂うつになってきた。
新しい国で社会のルールを覚えたり、一から友達を作ったり、お気に入りの店や通い慣れた場所を探して行かなきゃいけないのか・・・だとか、寒くて暗いんだろうな、マレーシア人みたいに常時ニコニコしてない人が多いんだろうな、差別されるんだろうな、などなど。ネガティブなことばかり考えてしまう。
終いには、ベルリンに行くのをやめたいなあと思う日もチラホラ。スピード婚ならぬスピード移住で、ベルリンに行くことを決めてしまった。しかし、決めた以上まず行ってみないとわからない。偉大なるアントニオ猪木だってそう言っているじゃないか。
というわけで、目まぐるしい日々が過ぎて、気づけば引越し当日。連日の寝不足と疲労を抱えたまま、ベルリンに行くことになった。