【完全版】ザンジバルを120%楽しみ尽くすための観光ガイド&おすすめスポット16選

世界遺産となった歴史的名所あふれるストーンタウンから、美しいビーチまで観光客を惹きつけてやまないのが、ザンジバルである。

そんなザンジバル旅行へ行く前に知っておきたい情報やおすすめスポットを一挙ご紹介。

ザンジバル基本情報

場所

ザンジバルは、東アフリカのタンザニアにある。
ザンジバル場所

行き方
日本から行く場合は、エチオピアやドーハを経由して行くフライトがある。タンザニアのダルエスサラームとザンジバルを結ぶフェリーも出ている。

ビザ

日本パスポートを所有している場合、タンザニアのアライバル観光ビザが空港でアライバルビザが取得可能。ビザ代は50ドルで、3ヶ月間有効。

治安

ヨーロッパからの観光客も多いリゾート地ということもあってか、治安は本土よりもいい。島特有のゆったりとした雰囲気が流れている。

ただし、気を抜きすぎてはいけない。

従来は安全というイメージが強かったが、日本人バックパッカーが強盗被害にあったケースも報告されている。

言語

タンザニアの公用語はスワヒリ語。ホテルやガイドには英語は通じるが、路上で英語はあまり通じない。「ジャンボ」や「マンボ」のように、スワヒリ語は日本語にも似ている単語があるので、簡単な挨拶などを覚えておくと便利。

スワヒリ語ってどんな言語?知っていると旅で役立つフレーズ集

ベストシーズン

ザンジバルへ行くなら乾季である12月から2月、6月~8月がおすすめ。3月から5月は雨季なので、観光客は少なめ。雨季といっても、一時的にざあっと降るタイプのものだ。

観光客が少ない時期には、レストランやショップも閉まる場合が多い。スパイス農園にいっても、時期外れで見れないスパイスもかなりある。フルでザンジバルを楽しむなら、乾季を狙うべし。

観光に何日必要?

観光アクティビティも充実しているので、数週間滞在しても楽しめるのがザンジバルの良さでもある。最短でストーンタウンや主要ビーチを回るなら、2泊3日。じっくりと観光するなら、1週間程度は欲しいところだ。私は2週間ほどストーンタウンに滞在していたが、正直いってそれでも物足りないぐらいだった。

通貨

通貨はタンザニアシリングだが、ドルも使える。1,000シリング=46円。現地通貨で一番大きい額は10,000シリング(460円程度)。また、タンザニアのATMは引き出し手数料が400~700円ほど毎回かかる上に、引き出し上限額も2万円程度である。

島内ツアーだと30~60ドルすることもあるので、現金のドルを多めに持っておくと便利。

物価

ザンジバルはアフリカの島といえども、立ち位置としては欧米人に人気のセイシェルのようなリゾート地である。観光はしやすいが、それでも観光客向けのホテルやレストランは通常のアフリカ価格よりもずいぶん高くなっている。

ホテルは1泊1,000円以下のバックパッカー向けホステルから、1泊5万円の高級ホテルまである。5,000円も払えば、星のついたホテルには泊まれる。

観光客向けレストランであれば、1食あたり15,000~30,000シリング。ジモティーが食べるようなレストランや屋台だと、4,000シリングもあればお腹いっぱいになる。

観光客に人気のスパイスツアーは、1グループあたり40~50ドル。ストーンタウンから、パジェやヌングイといった遠方へ行くツアーは大体50~60ドルが相場。

服装

ヨーロッパからのリゾート客が多いザンジバル。観光客はリゾートスタイルの出で立ちが目立つ。一方でザンジバルの島民の95%以上がイスラーム教徒。明らかな肌の露出は避けた方が良いだろう。髪の毛をスカーフなどで隠す必要はない。

ヘソ出しルックだからと言って、ジモティーに絡まれるというわけではないが、自由奔放な欧米スタイルに地元民からはクレームが発生しているのも事実だ。またザンジバルは湿度が高いので、速乾性がある涼しげな洋服を持ってくるのがベスト。

空港からストーンタウン市内への行き方

タクシーで行く場合は、片道10ドルほどが相場。ローカルバスであるダラダラに乗る場合は、空港から徒歩5分ほどの場所にあるバス停へ行く。空港では、「タクシー?」攻撃が炸裂するので、それをかわし空港職員と見えたる人に、場所を聞くと良い。

バス停にやってくるのは、路線が違うダラダラやミニバス。その辺にいるジモティーに、「ストーンタウン?」と片っ端から聞くまくれば良い。料金は2,000シリングで、降りるときに渡す。


ストーンタウンにあるバス乗り場。モスクのような形をしたピース・メモリアル博物館横にある。

おすすめ観光スポット

ザンジバルには様々な楽しみ方がある。海に囲まれているため、ダイビングやシュノーケリングといったマリンアクティビティが充実している。一方で、世界遺産の町ストーンタウンには、スワヒリの歴史や文化を伝える名所が多くある。

見どころたくさんなザンジバルの中でも、おすすめのアクティビティを紹介。

世界遺産の町ストーンタウンを歩く

ザンジバルの見どころといえば、世界遺産にもなっているストーンタウン。インドやアラブなどインド洋交易の歴史を残す建築物で知られる。複雑に入り組んでおり、ホテルやレストランやお土産ショップなどがひしめく。ザンジバル観光のメインとなる場所だ。

迷路のように入り組んだストーンタウン内

効率よく回るなら現地の町歩きツアーに参加するのもあり。

フレディ・マーキュリー博物館

ザンジバルのフレーディ・マーキュリー博物館

ザンジバルは、クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーが生まれた場所でもある。フレディが幼少期を過ごしたとされる場所近くには、こじんまりとしたフレディ・マーキュリー博物館がある。入場料は10ドル。

フレディは、ゾロアスター教を信仰するインド人両親の元に生まれた。当時、インドもザンジバルもイギリスの保護領にあった。そのよしみで、父親の仕事の都合でインドからザンジバルへ転勤。そこでフレディが生まれるのである。

ところが、1963年にザンジバル革命が起きる。イギリスの保護下にあったものの、17世紀以降もっぱら島を支配していたのはアラブ人だった。「ふざけんな!アラブ人!出て行け!」ということで、ザンジバルのアフリカ系住民が自治を獲得するために暴動を起こしたのが、先の革命である。

この革命により、フレディ一家はイギリスへ移住。そして誰もが知るあの伝説バンド「クイーン」が生まれるのである。

ジョーズコーナーでコーヒーをいただく

ストーンタウンにあるジモティーの憩い場。映画『ジョーズ』に出てくるサメが描かれた絵が目印。この辺ではいつも島民たちが、ボードゲームに興じたり、コーヒーをすすりながらまったりしている。

スパイスマーケットをめぐる

ザンジバルのメインマーケットであるダラジャニ・マーケット。日用品から野菜、ザンジバルならではのスパイスや海鮮類などが売られている。鮮魚市場では、競りを行なっている様子を見学することも可能。ストーンタウンの中でもローカル感が漂う場所。


果物売り場には、マンゴーやパイナップル、バナナ、魚市場ではサメやイカ、タコなどが売られていた。

奴隷交易の歴史を知る

ザンジバルは19世紀、東アフリカで最大の奴隷交易地だった。奴隷貿易の最盛期をむかえる19世紀には、毎年5万人の奴隷がアラビア半島やインド洋へと送り出された。旧奴隷市場の跡地には、アングリカン聖堂が建てられている。

興味深いのは、この聖堂にある木製の十字架だ。この十字架には、とあるアツい男の魂がこもっている。

それが、スコットランドの探検家、デイヴィッド・リヴィングストンである。ヨーロッパ人で初めて、当時「暗黒大陸」と呼ばれたアフリカ大陸横断に成功。宣教師でもあった彼は、奴隷制度の廃止にも尽力した。

ザンジバルのアングリカン聖堂
アングリカン聖堂

ザンジバルのアングリカン聖堂の十字架
魂の十字架

彼は相当なアフリカ好きだったようで、「死んでも自分のハートはアフリカと共に」という信念を掲げていた。そんなリヴィングストンは、探検中ザンビアで病死してしまう。彼の信念に基づいて、リヴィングストンの心臓だけは、ザンビアに埋められ、ハートを取り除かれた遺体は、スコットランドへと運ばれた。

先の十字架は、リヴィングストンの心臓が埋められた場所に生える木から作られたものなのである。

聖堂の横にある資料館では、奴隷交易の歴史や、競売にかけられる奴隷の待機所を模した部屋を見学することができる。じっくり見ると、数時間はかかる場所である。入場料は10,000シリング(5ドル)。

ストーンタウンには、奴隷商人として有名なティップ・ティプの家も残っている。

美しいザンジバルドアをめぐる

ストーンタウンの建物にはめ込まれた木彫りのドアの精巧さに、多くの外国人は目を惹かれる。木彫りのドアはザンジバルドアと呼ばれ、花飾りや動物、果物、アラビア語のカリグラフィーなどが彫られている。

これらは単なる飾りではなく、住人の職業や財産状況すら物語る。ドアにはインドもしくはアラブスタイルがあり、町巡りをしながら変わったドアを探していくのも面白い。

知られざる日本人の歴史を知る

ザンジバルからゆきさん

明治から第2時世界大戦あたりまで、ザンジバルでひっそりと暮らす日本人女性たちがいた。それが、「からゆきさん」と呼ばれる人々だ。当時貧しかった日本から、シンガポールやフィリピンなどへ出稼ぎに行く女性たちのことをそう呼んだ。

『ザンジバルの娘子軍』によると、ザンジバルには1894年から1926年まで、10人前後の日本人女性が住んでおり、彼女たちは「ジャパニーズ・バー」を営んでいたという。彼女たちが住んでいたという建物が、今でもストーンタウンに残っている。

彼女たちは、日本のどこの会社よりも先がけて、未知なるアフリカへと足を踏み入れた人々であった。


からゆきさんたちが住んでいた建物がある地区

ビーチでアクロバット鑑賞

毎日夕暮れ時になるとビーチに地元の若者が集まり、空中回転や側転などアクロバットな動きを披露する。ザンジバルのジャニーズである。場所はファロダーニガーデン横の名もなきビーチ。夕方になると暑さも和らぎ、多くのジモティーがビーチ沿いに集まり、夕焼けを見ながらまったりしている。

スパイス農園でスパイスの香りを楽しむ

ストーンタウンと並びザンジバル観光で外せないのが、スパイス農園の訪問。スパイス農園はザンジバル島内に何箇所かあり、ストーンタウンからは車で片道1時間半ほどかかる。多くの観光客は往復の送迎がついたツアーで訪れる。

ツアーでは、ガイドがスパイスを紹介するだけではない。ザンジバルのトロピカルフルーツの試食会、ライオンキングミュージカルさながらのパフォーマンスを披露するなど、観光客をもてなす計らいが盛りだくさん。

ザンジバルのスパイス農園
農園には黒ごしょう、クローブ、レモングラス、ターメリックなどあらゆる香辛料が育てられている。地元料理をいただいてスパイスツアーは終了。

ジョザニ森林保護区で固有種に出会う

ザンジバルで唯一の国立公園。ここを訪れる人々の目的が、ザンジバルにしか生息しない”ザンジバルレッドコロブス”というサルだ。日本の動物園にもいないので、まさにザンジバルでしか出会えない貴重なお猿さんである。

保護区内は、自由に歩き回ることはできず、必ずガイド同伴となる。ストーンタウンからの半日ツアーだと1グループ40~60ドルほどが相場。うち、8ドルは保護区の入場料。

海に浮かぶザ・ロック・レストラン

ユニークなコンセプトとロケーションで「何あのレストラン・・・?」と注目を集めるのが、岩の上にあるザ・ロック・レストラン。ザンジバルで採れた厳選された魚介類や肉、スパイスを使った料理が楽しめる。メインディッシュは1皿20ドル〜。

値段の割にお味はそれほどでも・・・ということなので、とにかく海上レストランで食べている!という雰囲気と景色を楽しむレストランである。パジェビーチからは車で10分、ストーンタウンからは車で約1時間のところにある。行く際には、公式サイトで予約をしておくのがおすすめ。

プリズン島で長寿カメに出会う

プリズン島は、かつてアラブ人が所有していた島で、黄熱病患者を隔離する場所として使われていた。

今ではすっかりさびれた島と化しているが、観光客のお目当ては、大量のアルダブラゾウガメ。観光客は、カメに餌をやることができる。カメはセイシェルから送られたもので、貴重なカメゆえに販売目的で大量に島から持ち出されて激減したという経緯がある。

成人したカメの平均体重は200キロあり、寿命が100年というのもザラ。あまりにも観光客が頻繁に質問するせいか、カメの甲羅にはカメの年齢がペンキで書かれていた。

島の入場料は10,000シリング(ツアー費に含まれていることが多い)。島での所要時間は1時間もあれば十分。ストーンタウンからプリズン島へはボートで片道30分ほど。

ストーンタウンのビーチにいるボートのおっちゃんと交渉して、島に連れて行ってもらうことも可能。その場合、往復で30ドルぐらいが相場らしいが、私は運よく別のグループに乗っかり、15ドルほどで行けた。

ビーチでリゾート気分を満喫

ストーンタウン以外にザンジバルといえば、美しいビーチも人気。島内には、ビーチスポットがいくつかある。海沿いにはリゾート風ヴィラやリゾートホテルが並び、観光客はまったりとビーチで過ごす。

パジェは、ビーチが美しい上、カイトサーフィンができる場所としても知られる。バックパッカーにも優しいホステルが多い上、ナイトライフも充実。ただ、時期によってはビーチに大量の海藻が発生したり、風の強い日もある。

ケンダワは、フルムーンパーティーが月1で開かれることで有名。美しい夕日が楽しめる上、アクティビティも充実。パーティーはケンダワビーチホテルで開かれる。パーティーの詳細は公式サイトをチェック。

島の北部にあるヌングイは、ホテルやレストランは多くあり、海の水もきれい。一方で、ストーンタウンからかなり離れているので、移動手段を確保するのがちょっと大変。

ザンジバルでツアーを利用する場合

観光地として栄えるザンジバルには、実に多くのツアーが用意されている。基本的にザンジバルのツアーはグループ単位でお金がかかる。つまり、人数が多いほど割り勘できるのでお安くなるというシステム。

一方で、ひとり旅や観光客が少ないシーズンに行くと、結構なコストがかかる。その場合、時間に余裕があるのなら、現地でツアーを予約することをおすすめする。ストーンタウンにはツアー会社がひしめいているので、他の観光客グループがツアーをする日に入れてもらったりすることができる。

そうすれば、ひとり旅でもコストを抑えることが可能だ。ネットで事前予約できるツアーもあるが、飛び込みよりかは値段は高くなることが多い。また現地で予約するのであれば、複数のツアーを組み合わせて割引してもらったりするのもありだろう。

ザンジバルの気候は、年間を通じて30度前後で、湿度も高い。費用を抑えるなら、ダラダラといったローカルバスで移動するのもありだが、ツアーの車だと冷房がきいており移動としてはかなりラク。

おすすめホテル

観光地とあってホテルの数は多いザンジバル。ザンジバルを訪れるなら、やはりストーンタウンに1泊はしたいところ。

ストーンタウンはこじんまりとしており、30分程度で街中をまわれる。観光スポットやレストランも徒歩5~15分程度で行けるので、海を眺める絶景がいい!というこだわりがなければ、そこまでロケーションにこだわる必要はないだろう。ローシーズンは15%~30%ほど安い。

リゾート地とはいえ、ホテルは雰囲気はあるのだが、それほどインフラが整っているわけではない。そこそこお高めのホテルでも壁が薄かったりするので、値段に対してあまり高いサービスを期待しない方が良い。

普通のホテルでも、トイレとシャワーは共同というところもあり。その分値段は安くなっている。3月から5月にかけての雨季のシーズンは、湿気が高いので、部屋にエアコンがあると快適。

ザンジバル・コーヒー・ハウス

ストーンタウン内で泊まりたい憧れのホテル。名前の通り、ホテルの1階にはカフェが併設されており、美味しいコーヒーがいただける。”アラビカスイート”や”カプチーノスイート”と名付けられた部屋には、エキゾチックなザンジバルらしい調度品や家具がセンス良く置かれている。お値段はするが、それでもシーズン中はほぼ満室で予約が取りにくいぐらい人気のホテル。

ザンジバル・コーヒ・ーハウスの詳細をみる

ダウ・パレス・ホテル

コーヒーハウスに続いて、こちらも雰囲気抜群の4つ星ホテル。ロビーや中庭には、ザンジバルの歴史を思わせるインドやオマーンの調度品が並ぶ。雰囲気だけでザンジバルに酔えるホテル。

ダウ・パレス・ホテルの詳細をみる

アントニオ・ガーデン・クルーズ

ストーンタウンの中心部にあるが、ひとたびホテルに足を踏み入れるとリゾート空間のようなゆったりとした雰囲気が漂う。

近代的なシャワールームがあり、部屋も清潔感があって値段はお手頃。朝食バイキングが食べられる中庭には、プールやバーがありその雰囲気は観光客にも好評。

アントニオ・ガーデン・クルーズの詳細を見る

バルコニー・ハウス

とりあえずどんな人間でも、ここで写真を撮ればインスタ映え間違いなさそうな美しいバルコニーが評判のB&Bホテル。トイレとシャワーは共同で、1泊あたり22ドルとかなり安い。

バルコニーハウスの詳細をみる

お土産

正直ザンジバルのお土産にはそれほど期待していなかったのだが、さすがリゾート地ザンジバルと言えるぐらい、お土産がめちゃくちゃ充実している。

中でもケニヤッタ通りにあるメモリーズ・オブ・ザンジバル(Memoris of Zanzibar)は、いつも大勢の観光客でにぎわっている。

スパイスやカンガ、オーガニックスキンケア商品、Tシャツなどザンジバルらしいお土産が一通りそろっている。店内は広く値段も決まっているので、買い物をしやすい雰囲気。

ザンジバルお土産

ストーンタウンの中には、アフリカでよくありがちなアイテムを扱うお土産ショップから、表参道にありそうなハイセンスなファッション雑貨を扱うショップまでといろいろある。

リゾート地だけではないザンジバル

ザンジバルにいると、ついつい時が過ぎるのを忘れてしまう。私は3週間ぐらいいるつもりだったのだが、コロナのため急遽島をでなければならず、結局2週間ほどの滞在となってしまった。

ザンジバルに訪れる客層も違う。ハネムーンの旅行先としても人気な場所ゆえか、島に足を踏み入れたときは、場違いな場所に来てしまったと思った。キラキラしたリゾート客はみな小ぎれいな格好をしていた。一方の私といえば、キリマンジャロ登山帰りで、薄汚い格好である。現代の表参道に、ジャングルから帰還した日本兵が登場するようなもんである。

とはいえ、ザンジバルはそうしたリゾートや観光客向けアトラクションだけが、醍醐味ではない。この地には、タンザニア本土にはない、複雑な歴史がある。奴隷貿易もしかり、ポルトガルやアラブ、インドといったかつての海の覇者たちによる支配。そうしたミルフィーユのような重層的な歴史が、現代の食事からも垣間見える。

小さな島ではあるが、それ以上にこの島には、文化や歴史的な多様性が凝縮されているのだ。

おすすめ本

アフリカという物理的に遠い場所にあるせいかもしれないが、ザンジバルに関する本はあまり多くない。けれども、以下で紹介する本は、ザンジバルやタンザニアの文化や歴史を知るには非常に役立った。特に、かつてザンジバルに住んでいた日本人をフューチャーした『ザンジバルの娘子軍』は、是非とも島を訪れる前に一読しておきたい一冊だ。