正直、ダルエスサラームに行く前にはビビっていた。ネットで調べると、「凶悪都市」だとか「タクシー強盗率100%」などといった枕詞が添えられている。
できればそんな場所は通らないのが一番だが、ザンジバル島へのフェリーが出ていたり、タンザニアの玄関口である国際空港がある。そんなわけで、旅人にとっては、止むを得ず通らなければならない場所である。
本当にダルエスサラームは危険なのか。タクシー強盗率は100%なのか。現地で感じた実際のところをお伝えする。
ダルエスサラームは本当に危険?
現地の人に聞いても、ジモティーにとってもダルエスサラームは安全な場所ではないという。だからと言って、一概に危険な場所とも言えない。
つまりは、しかるべき心構えでのぞめば、フツーに出歩ける町ということだ。
ダルエスサラームの街並み。近代的な高層ビルもある
ホテルを出て即刻ひったくりされたり、強盗されたりするというわけではない。この点において、外国人が外を歩くだけですぐに拉致をされるソマリアよりかは、随分マシといえよう。
ダルエスサラーム町歩きの注意点
では、しかるべき心構えとは何か。ダルエスサラームの町を歩くには、いくつかのポイントがある。
・外出時はクレジットカード、大量の現金を持ち歩かないこと
・スマホを外でいじらない
・一眼レフなどのカメラや大きなカバンは持って歩かない
・知らない人に声をかけられても反応しない
・夜には出歩かない
・移動はなるべくタクシー(ウーバーを使う)
これさえ守れば、犯罪に合う確率はぐっと減る。犯罪が起こるときには、必ず理由がある。
ダルエスサラームで被害にあったという日本人のケースを見ていると、だいたい声を掛けられた見知らぬドライバーについていき、タクシーに乗ってしまったという流れである。
タクシーに乗っていたら、知らない人が乗り込んできて、人気がない場所まで連れていかれる。ATMで現金を最大限まで絞り出されるもしくは、フルボッコ。これが、タクシー強盗の手口である。
タクシー強盗だけでなく、スリやひったくりもよくある犯罪なので、注意すべし。
ちなみに私が使ったのは乞食作戦である。みすぼらしい格好で、町をずんずん歩く作戦である。警戒してますよ〜という結界を1メートル内に張ったり、ヤバそうな人間である雰囲気を醸し出すことで、周りが声をかけづらい環境を作るのもポイントである。
特に効果があったのは、ソマリアマラソンでもらった記念Tシャツである。Tシャツにはシンプルに英語でモガディシュと書いてある。モガディシュはソマリアの首都である。
これを着て歩くと、あれだけチャイナコールをしていたタンザニア人も「モガディシュ・・・?」とどよめく。タンザニア人をビビらせるには、効果大である。まあ、これとタクシー強盗はそんなに関係ないか。
外出時には、スマホや必要最低限の現金だけを小さなポーチを身につけていた。元々はランニング用に買ったのだが、これが意外にもタンザニアでは役に立った。
タクシーの見分け方&オススメの移動方法
ダルエスサラームのタクシーに乗る=強盗にあう、というわけではない。声をかけてくるドライバーでも、正規の運転手でまともな運ちゃんもいる。
基本的には、知らない奴が声をかけてきて、ナンバープレートが黄色だったら乗ってはいけない。
正規のタクシーは、白い車体に緑や青のストライプが入っている。ウーバーの車は普通の乗用車だが、正規タクシーと同様にナンバープレートが白い。白いナンバープレートは、政府の許可をもらい、お客を乗せていい車という証なのである。
ダル・エス・サラームの正規タクシー
安全レベルで言えば、ウーバーを使うのが、手軽でもっとも安全といえよう。
普通に考えても、タクシー強盗率100%というのは大げさだ。何回かタクシーに乗った後だと、なおさらである。
日本や他の安全な国のような感覚で、ダルエスサラームを歩けば確かに凶悪都市になりかねないかもしれない。ダルエスサラームが牙を剥くかどうかは、やはり自分次第なのだろうと思う。
ダルエスサラーム観光で役立ったモノ
カメラや財布などの貴重品などを持って歩くな!とジモティーに言われたので、外出するときは最低限の現金とスマホだけを持ち歩いだ。
そんな時にちょうど役立ったのが、ランニング用に買っておいたこちらのウエストポーチ。まさか、こんな時に役立つとは思っていなかったが・・・キリマンジャロ登山の時にもスマホを入れておくのに役立った。