ゴージャスすぎ!UAE大統領官邸カスルアルワタンへの行き方と見どころ

ついに、アブダビが最終兵器を繰り出してきた。

それがUAE大統領官邸、「カスル・アル・ワタン」。

各国からの首脳との会談や、UAE内閣の会議が開かれてきた場所である。もちろん日本の安倍首相も訪れたことがある。

アブダビへの観光客は年々増加しているものの、やはりドバイに比べると劣るところがある。そんなドバイに対抗してなのだろう。

「新しい観光スポットをこれから作るのもアレやしな。でも観光客をすぐに増やしたいねん。そや、大統領官邸。これを一般公開したらええんちゃう?」

というような経緯で、即興観光スポットとして登場したのが、「カスル・アル・ワタン」だと個人的には見ている。

カスル・アル・ワタンの見どころや、行く前に知っておきたい情報をご紹介。

豪華すぎて何も言えねえ

すでにアブダビには、豪華絢爛グランド・モスクエミレーツ・パレスといった観光スポットがある。

よって、それほど期待していなかったのだが・・・


パレス感満載な婦人たち

実際にいってみると、グランド・モスクやエミレーツ・パレスのすごさがかすみそうになる。もはや、行くのはカスル・アル・ワタンだけでいいんじゃね?

写真で見るよりも迫力がある。


100メートル四方の大ホール。がんばればサッカーできそうな広さ

イスラーム建築やアラビア半島の伝統的な美術をふんだんに用いたカスル・アル・ワタン。建物内には5,000以上の幾何学模様のパターンが存在する。

イスラーム教では、偶像崇拝が禁じられているため、動物や人物が描かれているケースはほとんどない。

イスラーム教においては、神のアッラーは絶大的なものである。人間は、単なる神の創造物にしかすぎない、という設定である。

ゆえに、人間が動物や人物を描いたり、彫像を作ることは、人間が魂を吹き込んで、生物を”創造”している行為とみなされる。

また、神ではなく銅像や人物画を崇拝の対象にしてしまう可能性をはらんでいる。

つまり、アッラーという絶対的な神を差し置いて、他のものを崇拝するとは何事ぞ、という状態である。だから、偶像崇拝が禁止されているのだ。

よって、イスラーム美術では、差し障りのない植物や文字を使う模様が発達した。これらの模様は、「アラビア風」という意味を込めて、ヨーロッパでは「アラベスク」なんて言ったりする。


無限に続く幾何学模様で装飾され、ステンドグラスが埋め込まれた建物のドーム部分

イスラーム美術ではよく見られる幾何学模様。一見、雑多なように見えて、すべて数学的な計算のもと描かれている。

イスラーム_植物文様
幾何学模様の他にイスラーム美術の特徴とも言えるのが、植物文様


イスラーム建築でよく見る「ムカルナス」と呼ばれる装飾。洞窟の鐘乳石に似ているので、鍾乳飾りとも言われる。

パレスのテーマカラーは、白、黄色、青。白は平和と共存の象徴、黄色は砂漠。青は空と、いったこの国の自然を色で再現している。


アラビア語のカリグラフィーをモチーフにしたオブジェの中で記念撮影


最大で300人を収容できる宴会場。食器類はこの官邸のために特注でつくられたもの

豪華なだけじゃない。歴史や文化の展示も充実

カスル・アル・ワタンは、単に「すご〜い、きれ〜い」で終わる場所ではない。

イスラームの文字の歴史や、天文学や化学といった分野でイスラームの人々が、世に広めた発明品などを展示するコーナーもある。

我々がヨーロッパ発祥だと思っているものも、実はイスラーム圏が発祥のものが結構あるのだ。

ただ、イスラーム圏やアラブの歴史を語っておきながら最後に、「時代をリードするのは、アブダビだぜえ。アブダビの帝王すごいだろ〜?」という展示の流れは、やや閉口してしまう。

ドバイもそうだが、やたらと統治者をゴリ押ししてくるケースが最近目立つ。あからさまにやれば、北朝鮮の金正恩になるが、さりげなくやるので、なかなか気付かれにくいのである。

各国からUAE大統領あてに送られたギフトが展示されているコーナーも。公式の贈呈品を選ぶ際には、文化、宗教、個人の嗜好の3つが重視されるという。

日本からは、鎧。自国の伝統品から、鷹の目隠し帽(UAEには鷹狩りが伝統としてある)といった相手国の文化に、あわせた贈呈品を送る国までと様々だ。

5万冊以上の蔵書を誇る図書館

UAEは、日本に比べると本屋や図書館が圧倒的に少ない。あったとしても、コレクションが偏っていたり、少なかったりする。

しかし、ここの書庫にはなんと5万冊以上もの本がおさめられている。


図書館にシャンデリアいるかね

UAEでは発禁になっている本や、イギリス統治時代の書簡をまとめた資料ものある。写真集やビジネス本、小説などジャンルは多岐にわたる。

私がいった時は、お土産ショップからいったん外に出て、遠回りして入らなければならなかった。

お土産も充実。ルーヴル・アブダビと同じく、ハイエンドなオリジナル商品を展開している。

営業時間とチケット料金

毎日営業しており、営業時間は午前10時から午後8時まで(入場は午後7時まで)。チケット料金は、大人が60ディラハム(約1,800円)、17歳以下のこどもは30ディラハム(約900円)。

チケットは公式サイトでも購入可能。

ガイドツアーは30分おきに行われ、ツアーは30ディラハムで別途料金。日本語ツアーはないが、英語、中国語、ロシア語がある。

アブダビ最古の石造りの建物であり現在は、博物館となっている「カスル・・アル・ホスン」への無料シャトルバスがでている。

ドレスコード

カスル・アル・ワタンに限らないが、男女ともにタンクトップや短いズボンなど、極端に肌が露出する服装は避けるべし。

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行き方と滞在時間

タクシーか車で行くのがおすすめ。エミレーツ・パレスの横に隣接している。

ドバイからであれば、バスでアブダビへ行き、アブダビのセントラル・バス・ステーションからタクシーに乗って、15分ほどの場所にある。

ドバイからアブダビへのおすすめの移動方法

「Qasr Al Watan(カスル・アル・ワタン)」もしくは「UAE presidential palace」と伝えればOK。タクシー料金は片道おおよそ30ディラハム(約900円)。

滞在時間は、2時間ほどあれば十分。

アブダビ旅行おすすめ本

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