最近、異性から好意を持たれることが多くなった。日本人女性にありがちな、海外ではモテるというやつじゃないの?と思われるかもしれないが、そうでもないのだ。
それもすべては、イスラム教に改宗したからなのだ。
あえて声を大にして宣言しているわけではないが、話の流れでついポロリと出てしまう。しかし、イスラーム教になったから、モテるという話なんて聞いたことないぞ。
これは一体どういうわけか。
街中のイスラームご意見番である、知人男性に尋ねてみた。彼は生まれながらにイスラム教徒である。
「俺らの間ではな、生まれながらにムスリムである女性よりも、改宗したムスリムの女性の方が良い女性だという考えがあるんだ。だから男は、そうした女性を選びたがる」
「改宗した人は、自分の意思でイスラーム教徒になるだろ。だから、より敬虔で、イスラームに対しても高い意識がある。そこが評価されるんだろうな」
要約すれば、改宗したムスリム女性は、意識高い系だということである。
確かに、女性に限らず改宗者というのは、生まれつきムスリムの人よりもイスラームに対して知識武装をした人が多いと指摘する研究者もいる。そりゃあ、わざわざイスラーム教に改宗するのだから、基礎知識ぐらいは詰め込んでいるだろう。
思い返してみれば、アプローチをかけてくる男性というのは、決まって「おまえは、いいムスリムだ」という根拠を持ち出してくる。もちろん全員がそうではない。「そりゃあ、おまえ人間です、という当たり前の宣言をしているだけだろ」と、軽く流す人も大勢いる。
こちらとしては、人様に言えないようなしょうもない成り行きで、イスラーム教徒になったので、「敬虔だ」とか「良いムスリム」だと言われると、むずがゆく感じてしまう。
本当は敬虔でもそれほど純粋でもないので、「アンタが思っているほど、こちとら純情でもないのよ」、と心の中では申し訳なく思う。
しかし、この状況は女子にとっては嬉しい状況ではないか。女性に限らず、多くの人は「内面」で異性に選ばれたいと思っている。
その意味では、顔面ではなく「内面」で選ばれていることになる。だが、どうもしっくりこない。内面で選ばれているとはいえ、彼らが見ているのは敬虔なる女性改宗者の虚像なのではないか、と思ってしまうからだ。
マンガでゆるく読めるイスラーム
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