ドバイにはびこるエミレーツCA女子の脅威

普段平凡に生きているリーマンでも時には、ドバイの脅威にさらされることがある。それはドバイの50度近くになる暑さでもなく、電車で香るインド人の殺傷能力の高いフレーバーでもなく、キラキラエミレーツCA女子。

暑さやインド人は人間としての生存権をおびやかす脅威であるが、エミレーツ女子というのは女としての種の生存をおびやかす脅威なのだ。

ある日のこと。ドバイの日本人飲み会を仕切る幹事長より貸切パーティーなるものへのお誘いが舞い込んできた。さすがに幹事長だけあってネットワークは広く、お誘いを受けた翌日にはFacebookにグループが作られていた。

現代の日本人であればLINEグループの方が一般的だろうが、ドバイではWhatsappの方が主流であり、幹事長の世代的にも後発組のLINEよりもFacebookの方がどんぴしゃなのである。

それはともかくパーティーに呼ばれているグループのメンバーのプロフィールを見てみると、いるわいるわ。ほぼ8割以上がエミレーツ女子なのだ。その瞬間、恐怖におののいた。幹事長の「日本女子グループ」リストに組み込まれてしまうことがこれほど酷なことだったとは。

ドバイに400人以上いるといわれている日本人エミレーツCA。中には男性もいるが、女性の方が大半だろう。考えてみてほしい。日本にいれば、多種多様な女子がおり、エミレーツCAのようなキラキラ女子と遭遇することはほとんどないだろう。だからこそ女子力が低い野暮なリーマンでも「まあ世の中にはそんなキラキラ女子がいるのね」といって、平和に暮らしていけるのである。

しかしドバイで「日本人女子」リストに組み込まれてしまった瞬間、リストの8割はキラキラエミレーツCAで、あなたは少数派のその他になるのである。そしてキラキラCAの女子力の高さをまざまざと見せつけられるのである。

エミレーツ航空よりSNS大使に任命された某エミレーツ女子の暮らしぶりから、そのキラキラ光線具合をご紹介しよう。

お笑い番組でやっているような「女芸人VS女子アナ」ごとく、「リーマン女子VSエミレーツCA」といったような地獄絵図のようなリアル番組が普通の飲み会の構図として繰り広げられるのである。お笑い番組としてみれば笑えるが、自分がいざ女芸人の立場として登場すると、とんだピエロである。笑う観客がいればまだ救いがあるが、己を笑うのはただ己一人である。

エミレーツ女子は、「私達はしょせん、接客業ですから」といって同性に対してモテを謙遜し、「姉さんのようなキャリアウーマンにはかないまへんわ」といった接客王のクイーンの威厳を見せつけることを忘れない配慮をする。

しかし彼女らは、自分たちが発するキラキラ感により、平凡なリーマンの生活を脅かしていることに気づいてすらいない。

一方で男から見ればこれほどウハウハなことはないだろう。考えてみい。男だらけのむさい飲み会に電話一本でキラキラエミレーツCAがきてくれることを考えれば、男のテンションは上がりまくるはずだろう。これを現代の舞妓と呼ばずしてなんという。

かくして、種の生存という意味で考えれば野暮な女子にとってエミレーツ女子というのは脅威である。同じドバイにいても、労働キャンプや東南アジアの労働者を主戦場とするリマーンに対し、エミレーツ女子のインスタは綺麗な格好で着飾り、ホテルやキラキラ仲間との投稿にあふれている。あな恐ろしや。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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