イスラームの国、ドバイにおける性風俗サービス

もちろん表立って歌舞伎町のような歓楽街は存在するわけでもない。この国のメインストリーム風俗といえば、日本で言うデリヘル、もしくは売春がメインである。

政府としてはもちろんこうした売春を禁じているわけだが、それでもこれだけ目に見える形で出ているということは、政府が黙認しながらも横行しているということだ。

ドバイ各所に点在する隠れた売春バー&クラブ

エロは強しなのか、それとも外国人誘致のために甘めに見ているのだろうか。金で結ばれる出会いは街を歩けばそこかしこに転がっている。

売春目的の女たちは、競合ひしめく黙認されたバーに出没することもあれば、その気がない一般人が飲む普通のホテルにひっそりと現れることもある。大概は、そうした女たちが拠点にするデイラやバー・ドバイといった空港近くに集まっている。

売春婦が集まるクラブは特に圧巻だ。かつてドバイ空港近くのクラブに行ったのだが、まるでオランダの売春宿を歩いているかのように、きれいにめかしこんだ化粧のあつい女たちがずらりと並んでいる。

日本であれば、入り口でお気に入りの子を写真で見定めてから入るが、ここは初めから本物が商品のごとく並んでいる。ハズレがない。確実だ。

アジア系の顔立ちから、アフリカ系、ロシア系と様々な顔が並ぶ。

その生身の女たちが並ぶ中をぐるりと周り鑑賞するのは非常に勇気がいる。買ってくれる男を手持ち無沙汰に待つ女たちの中に、冷やかしの客。冷やかしのはずが、こちらが冷やかされている気持ちになる。

そしてビジネス街に駐車している車の窓には、デリヘルや性的サービスを行うマッサージ屋のビラがびっしりと挟まれている。もはや迷惑なビラ行為を通り越えて、エロティックテロだ。

ビラに映し出されたセクシーなおなごを見ながら、本当はこんなムチムチのナイスバディ美人なんか出てくるもんか、と思ってもなんだかその気になってしまう。

日本のドバイ専用のエスコートサービスが存在するようで、実際に7つ星ホテル「バージュ・アル・アラブ」にて私は目撃したことがある。詳しくは「7つ星ホテル、バージュ・アル・アラブで朝食を」を参照。ドバイだったらゴージャスな女がいた方が金を持て余す男子としては楽しいかもしれない。

ヒールで背伸びする女子

けれどもなんとなく悲しくなるときもある。いかにもデリヘル嬢です、みたいな女子を見たときだ。もちろん各国のデリヘル嬢がいるのがドバイだが、それでも東南アジア圏の女子が多いように思う。

ホテルに滞在していた時、出勤のためエレベーターに乗り込むと途中で、いかにもなデリヘル嬢が乗り込んできた。夜通しのコースだったのだろうか。夜通しの出勤お疲れ様、といいたくなる私の目を横に、彼女はその小さな身長に似合わないブカブカの高いヒールをはいて、髪をまくしあげて鏡で身だしなみをチェックしていた。

デリヘルの特徴である。背丈に合わないぶかぶかの安いエナメルヒールとネオンの町が似合う派手な服。

そんな女たちとわれわれはどこか似ている。方法は違えど、生活のためにドバイへやってきて生きるために働いている。どこか親近感を感じる一方で、愛おしい。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

管理人をフォローする
内向型のつぶやき
シェアする
進め!中東探検隊