人生において全く役立たないものを衝動買い

自分の家がない上に、大体スーツケース1個の荷物で暮らしているので、あまりモノを買わないようにしている。というか、重量制限があるためやたらとモノが買えない。

モノを買うときの基準は、生活において役立つか否かだ。そしてかさばらないこと。

しかし、しばしばこのモットーに反して、どう考えてもいらないだろ、というモノを買ってしまうことがある。トルコでは、トルコ絨毯の呪いにかかり、全く買う気もない絨毯を買うハメになった。

詳細はこちら:トルコ絨毯の呪い。日本人が知らないトルコ絨毯の世界

絨毯は確かに生活を彩るが、移動生活を続ける人間にとっては、かさばるお荷物でしかない。

そして、ここパキスタンでもやってしまった。

それがこちらである。

ぬいぐるみのように見えるが、奴はぬいぐるみではない。胴体には木屑が入っているようで、めちゃくちゃかたい。例のごとく、デコ好きなパキスタン人によって、派手にデコられている。

この生命体は何なのだ?と店主に聞くと、ヤギをオマージュにした生物だという。

でかい図体は、どう見てもかさばる。そんなもん買ってどうするんだよ。と理性は止めに入るが、どうしても手が伸びてしまう。それにパキスタンでは、いいなと思ったものはその場で買わないと、後では手に入らない。

数ヶ月前に買いたいなと思った本を改めて買おうと思ったら、「もう在庫切れだよ」と言われたことがある。こんな本だれも買わないだろう、と思っていたのに。人口が日本の2倍だから、売れるスピードも2倍なのだろうか。

観光地の土産屋なんかだと、判を押したようにどの店も同じような商品を売っている。しかし、ここパキスタンでは同じ観光地の土産屋でも、かなり品ぞろえが異なるのである。在庫管理や仕入れといったものがシステム化していない国では、モノとの出会いはまさしく一期一会なのである。

かさばる上に、まったく生活において必要がないものである。けれども、見ているとほっこりする。というわけで、パキスタンの地名からとった「チョリスタン」という名前をつけた。


チョリスタン

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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