イスラム教の国で出会い系アプリをやってみた

異性と出会いたいという気持ちはZEROだが、パキスタンでティンダーをやったらどうなるんだろう。

単なる好奇心でティンダーをはじめてみた。

インストールできない

まずは普通にインストール。

しかし、失敗。

婚前前の男女交際など、ハレンチ。社会の風紀を乱す有害物認定されている出会い系アプリは、当然BANの対象。ということで、そもそもティンダーのインストールすらできないのであった。

しかし、こんなことは想定内である。

ちゃっちゃとVPNをオンにし、再びインストール。

ひと手間かけてインストール完了。

こういうと、イスラーム圏は出会い系市場が乏しいと思われるかもしれない。しかし、イスラーム圏ならではのアプリも存在する。

それが「第2夫人ドットコム」。

第2夫人になりたい女性、2人以上の妻をゲットしたい男性。一夫多妻制を支持するムスリムのためのアプリである。

イスラーム圏以外であれば、愛人、不倫認定される。しかし、イスラーム法に則れば、男性は妻を最大4人めとることができるのである。

とはいえ、今から1,000年前以上前に制定された法律なうえ、戦争未亡人が多かった時代に制定されたものなので、当然現代の風潮とはそぐわない。よって、すべてのイスラーム圏が、この法律を採用しているわけではない。

日本からすればイロモノに見えるが、アフリカ、中東、南アジアを見ると、意外と一夫多妻制がOKな国も多い。実践するかは別として、法律的に認められている国は50以上もある。

“普通”や”当たり前”というのは、自分が置かれた環境に左右されるのであって、それが必ずしも世界のフツーとは限らないのだ。

マッチするのは・・・

マッチングアプリで煙たがられるのが、よくわからない写真をアイコンにしているケースである。ハナからやる気がないのか、単なる恥ずかしがり屋なのかはわからない。

こうした謎のアイコンは、どこの国でも見かける。風景や動物ならまだしも、ウルドゥー語のポエム、車、モナリザの絵画、物乞いに食べ物を配る少女など、独特なものも並ぶ。

というわけで、ノールックで適当に右にスワイプして見ると、車やポエム、猫などもはや人ではないものとマッチしていた。

男性諸君の特徴としては、やたらと毛量が多い男性が多く、やはり立派なヒゲ、「俺、いけてるやろ」という自信満々なポーズをしている。女性は、やたらと髪が長く、セクシーさを売りにしている写真が多い。他の国と比べても、出会い系アプリをやっている人々にこれといった特徴はない。

イスラム教の国であっても、出会いを積極的に求める女性は、イスラムっぽさはゼロである。その姿は、他の国であればごくありふれたものだが、パキスタンのような保守的なイスラームの国だと、「あいつはビッチや!」などと思われてしまうものである。

女がいない

一般的にマッチングアプリの男女比率は、7:3ぐらいだと言われている。しかし、パキスタンに関しては、9:1ぐらいの割合なんじゃないかと思うぐらい、圧倒的に女性が少ない。

保守的なイスラムの国で、女性が出会い系アプリをやるのは、相当な勇気が必要だろう。身バレした時の社会的制裁を考えると、かなりリスクが高い。

というわけで、ノールックでひたすらスワイプすると1日で100マッチ近くに達した。マッチするとメッセージが届くのだが、「お前、本当にカラチにいるの?」と聞いてくるものもいた。

そりゃそうだ。

外国人がほとんどいないパキスタンで、まさか外国人がティンダーをやっているとは思わないだろう。ティンダーに現れた謎の外国人。もしかしたら、彼らにとっては幻に見えるのかもしれない。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

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