お知らせ。そろそろこのブログも潮時か。

今までにも書いてきたように、コロナ以降、生活は激変した。一番の変化といえば、ホームレスになったことである。それまでは、やれデジタルノマドだとか、海外フリーランスだとか名乗ってきたけど、結局のところ「これってホームレスじゃん?」ということに気が付いた。

物理的な住む場所はあるが、心のよりどころという意味での自分のホームや定住地は存在しない。住所不定なので、日本社会で言えばネットカフェ難民などの部類に値するのだろう。常に数週間や数ヶ月おきに場所を移動しなければならないのである。かといって日本に定住する勇気もないため、必然的に次の定住先が見つかるまで、放浪し続けなければならないという謎の罰ゲームのさらされている。

ある意味で、これは人体実験なのかもしれない。デジタルやインターネットのおかげで人間は、定住せずとも生活ができるようになってしまった。そして飛行機やインフラの発達で移動距離は、劇的に伸び、そして移動時間は劇的に短縮することになった。長距離を移動し続けながら、生活すると人はどうなるのか。人類の新たな疑問である。

ホームレスになった上に、謎の罰ゲームにさらされているせいか、どうも思考回路も以前とはずいぶんと違うものになってしまった。結果、今までの生活であれば絶対選ばない選択をしていた。それが大学で学ぶということである。

しかも、座学の方ではなく、イスラーム美術の伝統技法を学ぶという、これまたマイナーな分野を選んでしまった。自分で選んでおきながら、これってどうなんだろう?という動揺はあった。なにせ、そこそこキャリアを積んだ人間が大学に戻る場合、多くはMBAをとるためである。MBAをとってさらにキャリアップして、給料を爆上げして・・・これまで積み上げたキャリアという資産をさらに、大きな資産にするためには、おそらくこうした手法が正解なのだろう。資本主義社会で生きていくためには、それが正解のように思えた。

一方で、それってありがちだよなあと思う自分もいた。8年近く働いて、自分にとって会社で働くことは向いていないとわかったし、自分がそれほどキャリアップに興味がなく、ほどほど働いてあとは自分の好きなことがしたい、と思うようになったためである。

むしろ、今のスキルや職業だけでは、何十年も生活はできないな、と思い始めた。会社勤めをしていれば、65ぐらいまでは働かせてもらえるかもしれないが、50も過ぎると相当できる人間でなければ、若い人や会社にとって疎ましい存在になるらしい。そんな人間になるのは耐えられない。

というわけで、第2の人生の柱になるものを作りたい・・・これは後付けになるのだが、美術という突飛な分野を選んだのは、そうした理由もあった。しかし、アートを学ぶことがすぐに第2の柱になるかどうかは分からない。

たらたら書いていたら、ほとんどお知らせが出てこないことに気づいてしまったので、ここで投入しよう。

お知らせ1: 新サイト「世界のモスク」を解説
中東で過ごすこと5年以上。気づけばモスクにハマっている自分がいた。モスクに関するすべてのことが知りたい。世界中のモスクを見てみたい。これまでに訪れたモスクや地域を紀行文風に記録したサイト。1週間に1回程度の更新を目指している。

お知らせ2:新ブログ「イスラーム美術ワンダー」開設
アート経験ゼロの社会人が、イスラーム美術を学ぶ過程を記録したもの。目標は、モスク装飾を己の手で作るためである。このブログでやるとテーマがカオスになるため、別ブログを作成。と言っても、それほど更新頻度は高くなく、1ヶ月に1回程度を目指したい。

コロナ以降めっきりアクセス数が減って、このブログへのモチベもだだ下がりとなってしまった。その上で、新たに2つのサイトを立ち上げるなんて、狂気じみている。それに2つとも、分野がマイナーすぎてほとんど読む人はいないだろう。いや、けれども、その方が気楽でいいのだ。本当は多くの人に知ってもらいたいけど、このブログを通じて多くの人の目にさらされるデメリットも知った。

それに、上記2つのサイトは、読まれることよりも、自分の備忘録として残しているものになる。なので、それほど読みやすくはしていないし、専門用語もたまに出てくる。

中東探検隊ブログを5年近くやってきたけども、その結果、中東以外のもっと広い地域が見たくなってしまった。新しいサイトを作ったのはそんな背景もある。と言うわけで、引き続きよろしくお願いします。