ドバイ博物館。ドバイの歴史を知るなら必訪!見どころと行き方

ドバイにおける博物館、というものを私はいまいち信用していない。

伝統文化を紹介するイベントの展示物、その他の博物館などにも訪れてきたが、一様にクオリティが低いのだ。

博物館といっても、単に不気味な人形を置いて、当時の生活やマーケットの様子を紹介する手法が主流だったからである。説明もほとんどなく、ただ放置された不気味な人形と対峙して我々は一体何を学べというのだろうか。

だから、もうドバイで博物館に行かない。そう決めていた。

外見のショボさに騙されてはいけない

しかし、たまたま知人をドバイ案内している最中に、ドバイ博物館前を通りがかったので、何気なしに聞いてみた。

「あれ、ドバイ博物館だけど興味ある?」

当然、Noという答えを予期していたのだが、意外にも興味津々である。そんなわけで、我々一行は、ドバイ博物館に行くことになったのだ。


サンゴや泥など地元の素材で作られた砦をそのまま博物館に

そこに待っていたのは、異空間だった。

外見を見る限りでは、大した展示物が期待できそうにない。博物館ぽっさもない。

実際に中へ入ると、かつての伝統的な家だというヤシの木で作られた粗末で小さな家に、観光客の群衆が押し寄せているところだった。サザエさんのエンディングで、影の人間たちが小さな小屋に押しかける。

そんなリアリティのない光景が繰り広げられていた。

ドバイ博物館

一見すると変哲のない場所だが、この博物館には地下へ続く秘密通路があったのだ。ひたすら建物が高いということがトレンドのドバイにおいて、地下を活用するという発想はまずない。だからは私は驚いた。

そこに広がっていたのは地底都市ならぬ地底博物館だった。不気味な人形が置かれた展示もやはりあったが、それ以上になんだこの情報量の多さは?

1930年代から80年代まで、当時の写真とともに紹介。その次に現れるのは、やはり不気味な人形たち演じる当時のスークや学校の様子。かなりリアリティを追求している。

そのほかにも、UAEに生息する動植物や、石油が発見されるまでUAEの主要産業であった真珠業や漁業の様子についても、詳しい解説ともに紹介されている。

今のドバイからは想像しがたい光景ばかりで、たった1世紀のうちに起こった発展とは思えないほどである。通常ならば、そうした急速な発展は不可能だっただろう。しかし、それを可能にしたのが、石油と先見の目をもったUAE初代国王ザイードだったのだ。

ドバイの中でも一番まとまりがあって、ためになる博物館。これは、マストで行くべき場所である。

普段はでしゃばりのドバイだが、なぜこんな良質な場所をもっとプロモーションしないのか。謎である。

博物館を回るのに必要な時間は?

30分~1時間ほどを見ておけばよいだろう。週末(金、土)の昼過ぎになると混むので、朝早めに行くとよい。

ドバイ博物館への行き方

メトロの最寄り駅は、アル・ファヒディ駅。駅からは徒歩15分ほど。博物館前にバス停はない。テキスタイルスークのすぐ近くにあるので、みつけやすい。

入場料

博物館で購入可能。料金はAED3(約90円)。6歳以下の子どもは、AED1(約30円)。ドバイにしては破格。

営業時間

日曜〜土曜(金曜を除く):8時半〜20時半
金曜:14時半〜20時半

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20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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