平日もOK!東京ジャーミイの見学に行ってみた!美しきモスクの見どころと行き方を解説

日本人にはあまり馴染みがないイスラム教。日本にいるイスラム教徒の人口は約20万人で、そのうちの半分は東南アジアなどからやってきたイスラム教徒だという。

東京ジャーミイは、東京の代々木上原にあるトルコ系のモスクだ。モスクというのは、イスラム教徒にとっての礼拝場で、日本でいえば、寺院や神社のような場所にあたる。


中でも東京ジャーミイは、日本全国で81箇所あるモスクの中でも最大級。テレビ番組などで取り上げられるようになり、異国を感じられるスポットとして、注目を集めつつあるらしい。

東京ジャーミイでは、見学ツアーが毎週土日に開かれており、予約不要で誰でも気軽に参加できる。平日でももちろん随時見学OKだ。


「東京ジャーミイ」と書かれたモスクの入り口


トルコ式の応接間。トルコのチャイとなつめやし(デーツ)が無料でいただける。ツアー前にほっと一息

美しきイスラームを堪能せよ

ツアーのガイドをしてくれたのは、下山茂さんという日本人ムスリムだ。大学生の頃、アフリカのスーダンを1年かけて旅行。旅で出会ったムスリムの人々に惹かれ、改宗したのだという。物腰柔らかそうなおじさんで、ジブリ映画に出てきそうな人である。

ツアーは、モスクの成り立ちに始まり、日本とトルコの関係、イスラーム教の考え方などについてわかりやすく説明してくれる。

東京ジャーミイ
オスマン・トルコ様式を取り入れたモスクの室内

東京ジャーミイ2モスクで礼拝する人々。礼拝中は一列に並んで行う

モスクというのは、イスラム教徒にとっては神聖な場所であるから、異教徒が入ることは通常は許されない。海外では観光客用に解放しているモスクなどもあるが、全体の数から見ればごくわずかだ。

そんなわけで異教徒にも開かれている場所、東京ジャーミイというのは非常に稀有な場所だといえよう。

東京ジャーミイ3
最大で2千人を収容できるという礼拝堂

モスクは通常、女性と男性で礼拝場所が分かれている。1階建てのモスクであれば、単に仕切りを立てて、男女別のセクションを作ったり、2階建てモスクであれば1階は男性、2階は女性といった風に分かれている。

東京ジャーミイの場合は、2階が男性用、3階が女性用の礼拝堂となっている。3階の女性用の礼拝堂は、女性のみしか入れないので要注意。


女性セクション。ここは女性のみが立ち入りできる。


3階の礼拝堂から見たドーム

モスクに必ずあるのが、「ミフラーブ」というアーチ型のくぼみである。イスラム教徒は、聖地であるサウジアラビアのメッカに向かってお祈りをする。ミフラーブは、メッカの方向を示すため、モスクには欠かせないのだ。

ミフラーブの横にあるのは、「ミンバル」と呼ばれる説教壇だ。イスラム教のお偉いさんが、「いいか、イスラム教徒ってのはなあ、こうあるべきなんだぞ」と言ったことを語る壇である。


中央のくぼみがミフラーブ、右側にあるのがミンバル

イスラム教徒の結婚式に遭遇

ツアーが開かれた日は、偶然にもタンザニア人カップルの結婚式が開かれていた。親族者にまじり、ツアー見学者たちも結婚式も様子を見守る。


一体誰と誰が結婚するのかよくわからない


謎がようやく解明・・・

スカーフは持参する必要なし。見学ツアーの服装は?

ツアー時間中には、実際にどのようにイスラム教徒の人々がお祈りをするのか、といったことまで見学できる。先ほども述べたが、観光客向けに解放しているモスクでも、礼拝を見学することは非常に稀なので、東京ジャーミイはかなりオープンな場所だと言えよう。

異教徒にオープンな場所とはいえ、最低限の見学マナーは守らないといけない。特に気をつけたいのが、服装である。男性、女性ともに肌が露出する半袖や短パンは避けるべき。また女性に関しては、スカーフで髪の毛を覆わなければならない。


スカーフや肌を覆い隠すロングワンピース(アバヤ)は貸し出されているので、持参しなくてもOK

女性は必ず髪を隠さなければいけないが、スカーフはモスクで借りれるので持参する必要はない。ただし、スカーフといっても上記のようなガーゼのような布なので、モスク内でセルフィーを撮りたい人なんかは持参した方がよいかもしれない。

モスク内撮影の注意点

イスラーム教徒にとっては神聖な場所なので、ちょっと気が引けるかもしれないが、モスク内は基本は撮影自由。

ただし、気をつけたいのはモスク内にいるムスリムの女性や礼拝中の女性。基本的に女性の美しさは自分の夫や家族、兄弟だけに見せるものという考えがイスラームにはある。だから、公共の場では髪をスカーフで覆ったり、肌を隠しているわけだ。

そうした理由により写真に撮られるのを避ける人もいる。しかし、中には全然OK!という女性もいるので、イスラームの教えに配慮しつつ、断りをいれてから撮影するのがマナー。

東京ジャーミイに限らずだが、私の経験からして基本的に礼拝中の人を撮影して怒られたことはない。しかし、敬虔なイスラーム教徒だと写真にとられることを嫌う人もいる。

イスラームでは偶像崇拝が禁止されているので、写真に撮られることで自分がそうした対象になるのではないか、と考える人もいるらしい。

日本人からすれば、なんとおおげさなと思うかもしれないが、彼らはいたって真剣なのである。

美しいカリグラフィにも注目

模様と見間違うほど美しく書かれた、カリグラフィにも注目されたい。一見すると、模様の一種なのかしら?と思うが、これらはすべてアラビア語で書かれたものだ。イスラム教の聖典(コーラン)の一説やイスラム教徒が行うべき義務などが書かれている。


2階の礼拝堂に書かれたカリグラフィ

これらをひとつずつ見ていくと、イスラームの基本要素が詰まっているのが分かる。カリグラフィは単なるアートではなく、あくまでもモスクをよりイスラーム的な場所足らしめる要素の一部なのだ。

1階の多目的ホールにもアラビア語のカリグラフィが随所に書かれている。


“今日を昨日と同じように過ごす進歩のない人は、損をしている”と書かれたカリグラフィ

以下は、イスラム教徒の聖典、「コーラン」である。コーランは神聖なものなので、きれいそうなカーペットの上であっても、直置きしてはならない。それゆえに、こうした書見台の上で開いて読む習慣になっている。


モスクで自由に閲覧ができるコーラン

ちなみに生理中の女性は穢れているとみなされるので、生理中は礼拝をしてはならないし、コーランに触れることも許されないのだ。

平日の見学は?

東京ジャーミイは、平日であっても随時見学OK。ただし、礼拝時間になると1階の入り口から入れないので、階段を登って2階の礼拝堂へ。


見学はご自由に、とかなりオープン


平日であっても、東京ジャーミイの案内人、下村さん(右)がモスクについて丁寧に案内してくれる

お土産コーナーやイベントも充実

東京ジャーミイは、礼拝所だけでなくイベントを開催するための多目的ホールや図書館なども併設している。イスラームに関する本が日本語、英語で閲覧可能。ざっと見た限り、なかなか普通の本屋では巡り会えないようなマイナーな本も多くあった。

個人的に気に入っている、小室直樹氏の「イスラーム原論」もあったので、なかなか良書が揃った本棚と言えよう。イスラム教や宗教について知りたい人は、この本は必読である。

お土産コーナーも充実している。トルコのスカーフやアクセサリー、絵皿、絵葉書などが販売されている。どれも異国情緒漂うもので、手に取ってみたくなるようなものばかりだ。


お土産屋で手に入るトルコ絵皿

そのほかにも東京ジャーミイでは、トルコ料理教室やイスラーム講座などを定期的に開催している。イベントの詳細は公式サイトで確認。

イランやイスラエルといった海外でも多くの美しいモスクを見てきたが、そんな中でも東京ジャーミイの美しさはまったくひけをとらない。いや、むしろ東京ジャーミイでしか見ることのできない独特の美しさがある。

それに誰もが気軽に立ち寄れる、フレンドリーな場所であるという点も特筆すべきだろう。イスラーム教の国でないからこそ、もっと多くの人々に知ってもらいたい。そんな歩み寄りが垣間見えた東京のモスク訪問であった。

東京ジャーミイ見学ツアー概要&アクセス

【見学ツアー日程】

毎週土日の14時半から。予約は不要。ツアー時間は1時間弱。基本はどこでも撮影OK。ただし許可なく礼拝中の人を撮影するのはNG。

【開館時間】

年中無休。8時から18時まで。平日もOK。

【公式サイト】

http://tokyocamii.org/
トルコ料理教室や文化交流イベントも随時開かれているので、ぜひチェックしたい。

【アクセス】

小田急線もしくは千代田線の代々木上原駅から徒歩5分。

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アブダビのグランドモスクが表紙。言語や芸術など様々な方面からアラブ世界を美しいビジュアルと共に紹介。