お抱え運転手を雇う

専属運転手なんていうと、どこぞの金持ちの話かと思うだろう。しかし、メガトン都市カラチにおいては、かなり一般的な選択だったりする。

東京よりも人口が多い都市カラチだが、公共の交通機関がほとんどない。考えてみてほしい。関東圏にもしも電車がなかったら・・・毎日、バスやタクシーなどをつかまえて、通勤しなければならないのである。

カラチにやってきた当初、ぶつかったのがこの問題だった。

どうやって学校に行けばいいんだ・・・?

一応市民の乗り物はある。バス、リキシャ(3輪自動車)、バイクである。パキスタンでは、ギャルメイクのように派手に盛られたバスが行き来しているが、ルートや行き先は、外国人からすればまったくもって不明である。リキシャやバイクは、価格交渉なるものが毎回発生するし、通学の乗り物としては、不便である。

ウーバーやカリームという文明の利器も実は使える。しかし、毎回注文するのも、大変である。一応、ウーバーという名を語っているが、運転手が毎回行き先どこ?とチャットで聞いてきたり(運転手には行き先がわからない仕様になっている。また行き先を聞くのも実はウーバーのルールに反している)、距離が遠いと拒絶されたりと、なかなか運転手が捕まらないことがあるからだ。というわけで、文明の利器を使うのにも、かなり骨が折れる。

そうだ!運転手を雇おう!

しかし、運転手を雇うにもそうした会社やサービスが日本のようにあるわけではない。パキスタンではグーグルに直行するよりも、まずは身近な人々に聞くというのが、解決への道のりだということを学んだ。

というわけで、クラスメイトに聞いてみたところ、「母の知り合いに、良い運転手がいるよお〜」ということで、紹介してもらった。そんなに頻繁に出かけるわけではないので、学校と家の往復送迎を依頼。価格は、ウーバーとほぼ変わらない。

毎朝、決まった時間に車が迎えにやってきて、学校へ行ける!

同じ車、同じ人、同じ道、同じ時間。

見知らぬ土地での平穏を得るには、このルーティーンなるものが重要なのである。

ネットやスマホの充電を気にせずとも、ちゃんと家に帰れる!

運転手がなかなか来ないストレスから解放される!

運転手ガチャをしなくて済む!

日本では当たり前のよっちゃんである通学ルーティーンを得た時の嬉しさといったら・・・

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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