日本のパスポートゆえに行けない国がある!?最強パスポートを捨てる時

巷では、世界最強と騒がれている日本のパスポート。

もはや無敵になった時のマリオのごとく、どこの国でも突破できそうである。しかし、最強パスポートにも弱点はあるものだ。

それを実感した出来事がある。

日本人旅行者NG?の国

あらかじめ言っておくと、これは数年前に起きた出来事で、一個人の体験と解釈である。状況が変わっている可能性もある。

数年前のこと。イギリスの旅行会社を通じて、アフガニスタンの観光ビザを申請しようとした時のことだ。

アフガニスタンの情勢は安定していない。

しかし、アフガニスタンの中でも、外国人が旅行できる場所も少なからずあるのだ。

先の会社を含め、アフガニスタンへのツアーを毎年組んでいるところがある。名所をめぐる観光パッケージもあれば、アフガニスタンでスキーをしちゃえ☆などという、真面目なスポーツイベントも開催している。

もちろん彼らもリスクについては承知なので、現地の治安状況に詳しいガイドをやとったり、安全の確保に最善をつとめている。

ツアー参加者は、旅行代金のみならずそうした安全へのお金も含めて、かなりの額を負担することになる。

このアフガニスタンツアーに参加しようと、いろいろと準備を進めてきた。しかし、ビザ申請の時点で問題が発生。

すべて必要な書類をそろえて、ドバイにあるアフガニスタン大使館へ向かったのだが、こう言われた。

「日本の外務省からの推薦書がないと、ビザ出せませんねえ」

ひえっ!?

というか外務省からの推薦って何さ?というかどうやって外務省にコンタクトとるのさ?

自費出版で出した本に対して、日本の首相に本の帯に推薦文書いてください、というぐらいハードル設定である。

大使館を通じて、外務省にコンタクト取れたところで、お堅い役人が「どうぞどうぞ、こいつを推薦します」などと言うわけがない。そうなれば、日本の世も末である。

日本ある在日アフガニスタン大使館にも連絡したところ、

「はあ?何言ってんですか」

といった逆ギレ口調で、追い返された。終始、その口調には、「ちょ〜迷惑なんすけど」みたいな、煩わしさがこもっていた。

もちろん、ビザの推薦書については、明確は回答はなかった。

なぜその国に興味がある人間を、邪険にあつかうのか。

そうこうしているうちに、同じくアフガニスタンビザを申請していた、カナダ人やアメリカ人はさっそうとビザをゲットしていくのであった。

つまり、日本が推薦書というOKを出さない限り、観光ビザが下りないのである。推薦書がないかぎり、アフガニスタン側もビザを出しようがない。

しかも、その推薦書とやらをゲットするのは、伝説の山に隠された財宝を見つけるがごとく難しいのである。無理ゲーである。

ぐぬぬ・・・日本パスポートでなければ・・・

他の国のパスポートだったら取得できたのに、日本パスポートをもつ日本人であるがためにアフガニスタン旅行が叶わなかった恨みは今でも忘れていない。

詳しくはこちらの記事を参考に
日本政府が完全封鎖!?アフガニスタンの治安と観光ビザ情報

日本人旅行者は当ツアーをご利用いただけません

行けない国でもないが、えっ?というような話もある。それが北朝鮮への旅行を計画していた時だ。

アフガニスタンといい、北朝鮮といい、もはや日本の迷惑、お荷物になる人間臭がハンパないが、これはあくまで数年前のことである。今の私は、ずいぶんと更生している。

さらにいえば、多くの人は言ったこともない地域に対して、よく調べもせず、行きもせず、危険だと決めつける傾向がある。これは、日本人に限ったことではない。

広島は、原爆の影響で、まだ焼け野原地帯だと思い込んでいる外国人も実際にいるのだ。ほらを吹いているのではない。「広島はビルもあるし、近代的な街だよ」というと、「そおなの!?」と本気で驚く人に、時々出会う。

北朝鮮旅行で有名な、「Koryo Tours」という旅行会社がある。怖いもの知らずな旅行者たち御用達の会社である。この会社を通じて、とある北朝鮮ツアーに参加しようとした時のことだ。

ツアーを予約しようとしたところ、衝撃の事実が発覚する。

「あのー、お客さん。どこの国の人?日本人?だったら、申し訳ないんだけど、うちのこのツアーは、日本人の方は参加できんのよ」

差別か!?

と憤慨しそうになったが、理由は別にあった。

どうやら特定のツアーに関しては、北朝鮮のポリシーにより、日本人の場合、日本の旅行会社を通じて予約しないといけないとかいう協定になっているらしい。

そこまで、北朝鮮への思いは熱くなかったので、そうそうにあきらめた。

日本人がビザが必要な国

ちなみに日本パスポートでビザが必要(e-VISAやアライバルビザをのぞく)な国は以下である。前述した、アフガニスタンや北朝鮮も入っている。

アジア

アフガニスタン、ブータン、北朝鮮、トルクメニスタン
アフリカ

アルジェリア、アンゴラ、ベニン、ブルンジ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、コートジボワール、エリトリア、赤道ギニア、ザンビア、ガーナ、リベリア、リビア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、スーダン、南スーダン

 

オセアニア

ナウル

 

カリブ海

キューバ

 

中東

イラク、シリア、イエメン

アフリカが圧倒的に多いことがわかる。もしかして、アフリカって日本嫌いなの?とすら、うたぐってしまうほど、怒涛の数である。

いや、むしろこれだけしかないことに感謝すべきだろうか。

最強パスポートは、大半の国へは行ける。しかし、時には他の国民は行けるのに、日本人の渡航が限定されるという国もあるのだ。おまえが行きたい国の嗜好がおかしいだけだろ、といわれればそうかもしれない。

最強ではあるが、無敵ではないのが日本パスポートである。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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