すげえ!外国人がビビった日本人の意外なスキル

職場で働いていると、時々カルチャーギャップに遭遇する。

日本人には当たり前のことであっても、日本文化を知らない人々にとっては、言及に価するらしい。

折り紙鶴にリクエスト殺到

日本人にとって、折り紙で鶴を作ることは、平凡なことである。

子どもが作れば、お世辞で「あらま、よくできたわねえ」と言うかもしれないが、大人がやったとろこで、「へえ、だから?」というレベルだろう。

思えば我々日本人というのは、小さい頃から折り紙の特殊訓練を受けている、といっても過言ではない。なにかにつけて、折り紙で鶴を作る機会があったように思う。

日本のお土産ということで、折り鶴を職場の人にあげたことがある。

日本の文化を伝えようという立派な理由ではなく、原価10円で喜んでくれれば、御の字じゃ!ということで、鶴を献上したのである。

これが意外にもウケたのである。

受け取った当のイギリス人は、何やら高い壺をみるような目で折り鶴を眺めている。ひどく感嘆しているようだった。しかし、目の前にあるのは、原価10円の平凡な折り鶴である。

これを機に、「私にも作ってくれい」というリクエストがなぜか殺到した。

中には「娘にあげたいから欲しい」というアラブ人もいた。

しまいには、つがいであげた鶴の1匹が、あげた本人のデスクを飛び立ち、いつの間にか知らない人のデスクにいるという光景も見られた。

原価10円で、人に喜んでもらえる折り鶴。すごいじゃないか。

日本人にとっては非凡なスキルだが、外国人にとっては「こんなのが作れるなんてすごい!」という感動レベルものらしい。

KAIZEN (改善)

「次に向けて改善していきましょう」。

日本の会社ではよく耳にするフレーズだと思う。何かうまく行かなかった時、失敗した時。なにが悪かったのかを振り返り、同じ失敗を繰り返さないよう、改善する。

日本人にとっては、ごく身近な考えであり、日常的な習慣として染みついている。

しかし、それが日本人以外にとっては当たり前でない、ということに気づいたのが、数年前のことだ。

会社のディレクターがプレゼンをしていた時のこと。そのプレゼン画面に映ったのが、「KAIZEN (改善)」だったのである。

ディレクターは真顔で、KAIZENとはいかなるものか、について淡々と語っている。

ひえっ?

英語にも”improvement”という似たようなコンセプトがある。しかし、ここで語られているのは、あくまでKAIZEN。過労死や寿司のように、日本語がそのまま英語でも使われているケースだ。

ここでいうKAIZENとは、製造現場などにおいて、トップダウンではなく現場で問題点を発見し、継続的に機能を改善していく、というトヨタ流のKAIZENを意味している。

ちなみにサウジアラビアの日本文化を紹介する番組「ハワーテル」では、サブタイトルに「改善」という日本語が使われている。日本のすぐれた点を紹介するすることで、自分たちの生活や考えを改善するきっかけになれば、というコンセプトらしい。

お絵かきレベルで才能あり

私が働く職場では、同僚の誕生日を真面目に祝うという習慣が根付いている。

誕生日には、各人からケーキ料を徴収した上で、ホールケーキを準備。手作り誕生日カードに各々メッセージを書き込み、それを本人に渡すのである。

月に1回ぐらいの頻度で、この儀式が訪れる。

しかし、毎回同じようなメッセージを書くのにもあきたので、最近はイラストでごまかすという技を覚えた。

というか、未だに英語で書く誕生日メッセージに、不安がよぎるからである。ちなみに他人が書いたものをそのままコピペすることは不可である。

外国人の文字は、古代文字みたく解読不能だからである。

イラストは、万人が知ってそうなピカチュウか、たまに気分がよければカービイ(星にのっているピンクの物体)を描く。

スルー上等で、何気なく描き込んだつもりだったが、同僚たちはざわついた。

「すげえ、何これめっちゃうまいじゃん?」
「才能あるよ~。アーティストやん」

ベタ褒めするのである。こちらからすれば、漫画大国において、この程度のレベルは落書きなのである。そして非凡なスキルである。

しかし、漫画を知らない人々にとっては、とりあえず絵をかければ、すごいというレベルになるらしい。いわんや、ここは都会でもなんでもない中東の街である。

それならば、漫画家の卵や漫画家をめざす人々は、もうめちゃくちゃ才能アリということになるだろう。しかし、漫画大国においては、その素晴らしき才能も埋もれてしまうのである。

所変われば、才能なしも才能アリになる。

どうやら日本には、才能がありすぎる人が大勢いるようだ。けれども、才能ある人間が多すぎるせいで、その才能を自覚できない。

時々、高みを目指しすぎて、絶望する人もいる。

同じ才能でも発揮する場所を変えれば、人はもっと輝けるらしい。

天才になれなかったすべての人へ

が、キャッチーコピーの「左ききのエレン」。読む人を選ぶ絵柄とストーリーだが、左利きであり、元広告代理店で働いていたというよしみで、読み始めた。才能の話をしていたら、この漫画を思い出した。

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