ドバイから帰国するにあたって、荷造りをしていたわけだが、悩みのタネであったのが、大量の本である。
業者のように日本からせこせこ持ってきた結果、軽く100冊以上は超えていた。普通に船便で送ろうかと思ったが、郵便局まで大量の本を持っていくのも大変だし、金も時間もかかる。
そこで考えたのが、ドバイで自炊である。
自炊とは、本を裁断機で分解し、それをスキャナーにかけて、電子書籍化することである。自炊は個人で楽しむ場合のみ限られており、行為自体はグレーな部分がある。
本を自炊するメリット
結果として、この方法でスーツケース1個分を占めていた、本たちは全て電子化され、いつでもどこでも本が読める状態になったのである。
船便で送ろうと思ったが、あまりの多さに断念
電子化された書籍一覧
スキャンして取り込んだ本もこのように読める
はじめは、本をぶった切るなんてもったいない・・・と思っていたが、電子書籍化することで、本の命は半永久になるのである。
実際の本であれば、こうした引越しや移動などで捨てられていく運命である。
自炊は容易ではないが、やはりモノを減らすことができるのと、いつでもどこでも自分の仮想ライブラリーにアクセスできるのは大きい。
はじめは抵抗があったものの、いったんやってしまえば、かなり病みつきになるほどの便利さである。
自炊の方法とかかる料金
巷に自炊のやり方はあふれているので、ここでは簡単にどんなことをやるのかだけ紹介。
思うに、日本は自炊大国である。キレイに電子書籍化できる自炊グッズにあふれているからである。
一方で、ドバイで自炊グッズを探すのは、一苦労であった。日本のように性能のいいスキャナーがあるわけでもなく、裁断機もショボい。ドバイのアマゾンで手に入るわけもなく、事務用品店を探し出し、注文しなければならなかった。
この他に、電子書籍化した本を読むためのiPadやFireタブレットなどがあると、なおよし。
自炊にはスキャナーの購入が必要なので、それなりにお金がかかる。日本でやっても5~8万円ぐらいはかかるだろう。
一方で、日本にある自炊代行業者に頼めば、1冊あたり80~250円程度で済む。大量にやる場合は、業者に依頼した方がコストは安いし、仕上がりもきれい。
自炊グッズを購入したらば、裁断機を使って本をバラバラにし、スキャナーでそれを取り込んでいく。本のページ数などにもよるが、1冊あたり10~20分ぐらいかかる。
裁断して、スキャナーでパソコンへ取り込む。本を100冊ぐらいバラバラにしていると殺人鬼になったような気分になる。
これが、思ったよりもしんどい作業だった。スキャナーのクオリティがポンコツなので、しょっちゅう止まるし、うまく取り込めなかったりと、とにかくトラブルばかりである。
100冊以上の本だと、業者でも1ヶ月以上かかる。それを寝る暇も惜しんで2週間ほどでやったので、手が痛いわ、頭が痛いわと大変であった。
そんなわけで、大量の本をやるなら、自炊はやっぱり業者に依頼した方が良い。
海外在住者や旅行者にも朗報!?
ちなみに自炊代行業者に依頼すると、アマゾンで購入した本をそのまま電子書籍にしてもらい、PDFファイルで納品してもらう、ということができるのだ。
特に電子書籍化していない本に関しては、かなり使える。今まで、そういう本は日本の自宅に送りつけ、日本帰国時に持って帰るという原始的なやり方をしていたので、もっと早く知っておけばよかったなあ、と思う。
ちなみに私が利用したのは、スキャンピーという代行業者。150冊以上すでに自炊してもらっており、自分で自炊した時の苦労を考えると、業者様様である。
これは別に広告でも何でもないので、ご安心を。本を大量に抱えている人には、本当にオススメ。
同じ場所にいると、ついついモノをため込んでしまいがちだ。今回の引越しで、それを痛感した。そんなにモノをため込んでない方だと思っていたのだが、チリも積もれば山となる、である。
リスのごとくため込んできた自分の持ち物を前にすると、どうも手放せなくなる。
けれども、それをエイヤっと断捨離することで、どこへでも気軽に移動できる!という奇妙な自信が生まれたのである。
そして、泣く泣く捨てなければならないモノを見ながら、無駄なモノはもう絶対に買わん!と決意するのであった。