今では日本発の本も出ているが、内向型をフューチャーした本と言えば、今まで英語の翻訳書が主流だった。
内向型の有名人を探しても、海外の記事を翻訳したものが多く、アイン・シュタイン、ビル・ゲイツ、エマ・ワトソンなどと紹介されている。
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日本人としては、どうも共感を抱きにくいメンツである。
エマ・ワトソンが同じ内向型と言われても、ハリポタで活躍したワトソンは、どう見ても、異世界の人間だからである。
このように、英語を翻訳したものは、どこか日本の内向型にはしっくりこないところがあった。
けれども、中村あやえもん氏の「内向型の生き方戦略―「社会から出て、境地を開拓する」という生き方提案」は、日本の内向型に特化して書かれている。
つまりは、日本の内向型にしっくりくる本なのである。
本著では、外向型と内向型をこんな風に分けている。
外向型とは?
刺激にニブい
→知らない人と話したり、仲間と出かけたり、パーティー、野球やサッカーなどのスポーツなど刺激が強いアクティビティを好む。これらは、内向型にとっては、刺激が強すぎる。一方で、本を読んだり、一人でいるのは、刺激が少ないため、外向型には退屈なもの。
社会維持型
→社会を維持することを優先。社会で生きるのに必要な協調性やルールを大事にする。スポーツ観戦で盛り上がるなど、社会と一体感を感じるイベントなどを好む。
内向型とは?
刺激に敏感
→本を読んだり、絵を描いたり、ちょっとしたことで十分に満足する。人付き合いは、刺激が強いので、避ける傾向にある。
境地開拓型
→独自の価値観を持ち、集団や社会を離れ、新たな境地を開拓する。単独もしくは少数で生きるための能力を備えている。
あやえもんの本を読んでいると、コナンばりに内向型人間の謎が解けていくのである。
今まで何気なくやっていたことでも、実は内向型の性質と関係がある、ということがこの本を読むとよく分かる。
- なぜ人が多い場所へ行くと疲れるのか
- なぜ家で一人でいても平気なのか
- なぜ電話が苦手なのか
- なぜ結婚や会社の昇進に興味がないのか
- なぜ年齢の割には落ち着いているといわれるのか
- なぜ意味ない会話なんかしたくないと思うのか
自分のことぐらい知ってるわい、と思い込んでいたが、そうではなかったらしい。内向型について、自分は何も知らなかったのだ。
内向型は、こういうもんと客観的に説明されると、なんだか気分がラクになる。そして、「ああ、このままでいいんだ」とも思える。
なにせ、社会では外向型の声が大きい。ついつい、こんな内向型人間でいいのだろうか、と弱気になることがある。親だって、学校だって、内向型については教えてくれない。
けれども、内向型を知り、己を知ることは、自分の生き方をポジティブにとらえるためには、欠かせないことだと思う。
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