中央アジアに位置するアゼルバイジャン。物価が比較的高いアラビア半島の国々をめぐり続けているためか、アラビア半島と比べればどこも物価は安いっしょ、などと見ていた。
しかし、甘かった。アゼルバイジャンとて、石油の恩恵を受けて第2のドバイなどと呼ばれているのだ。
果たして、その物価はいかほどであろう。
無料の観光ビザというトラップに気をつけろ
アゼルバイジャンの観光ビザは無料。ビザ代が2万円近くもするサウジアラビアや、保険代も請求されビザ代が1万円近くになるイランに比べれば、ずいぶんと良心的である。
しかし、観光ビザ代が無料だからといってアゼルバイジャンに行こっ♪などと気軽に思ってはいけない。世の中、ただより安いものはない。この教訓はアゼルバイジャンにも通じる。
これは罠なのだ。
観光ビザを無料としておきながら、驚いたのは観光施設の入場料。
世界遺産に認定された「乙女の塔」の入場料は、なんと980円。ユニクロでまともな服が1枚買える値段ではないか。その値段を聞いて、思わず「はっ?」と奇声を発してしまった。
しかも、現地の人はたったの130円という。差別も大概にしろと言いたい。
しかし、もはやバクーとはこれっきりであろうから、我々のような外国人観光客はついつい払ってしまう。
けれども、内容としては130円なので、世界遺産でぼったくられる、という稀有な体験をしてしまうのである。
ホテルの相場は?
ホテルは松竹梅と各々の財布事情にあったホテルが選択可能。3つ星ホテルであれば、3,000円から6,000円程度が相場。
私がとまったのは、旧市街のど真ん中に位置する3つ星ホテル。窓もないホテルだったが、ロケーションは抜群。朝食付きで部屋もこじんまりしており、まあ悪くない。1泊あたり5,000円ほどであった。
ヒルトンやシェラトン、フォーシーズンズといった外資系の5つ星ホテルもちらほらある。ただ、嗜好をこらした、このホテルに泊まりたい!と思わせるような高級ホテルの選択肢は少ない。
食事はリーズナブル。とにかくお酒が安い
一方で食事。日本よりもやや安めといったところだろうか。バクーの中心地にある観光客向けレストランで食事をすると、1食あたり1000円から2,000円ほど。もちろんお酒込みの値段。
その他、もろもろの値段はこんな感じ。
ペットボトル(500ml):65円
フードコートの食事:600円〜
ビールグラス1杯:160円~
ワイングラス1杯:200円〜
ビッグマック:258円〜
アゼルバイジャンがすごいのは、とにかく酒が安いという点である。カクヤスもびっくりの価格設定。アゼルバイジャンはワインの産地だということもあり、良質なワインが楽しめる。
ビール1杯が1,500円という狂った価格設定の国で暮らしているせいか、余計に安く感じる。酒ではなく、ちょっと高い外国の水を買うようなレベルである。
観光にお金をかけずとも楽しめる
総じてアゼルバイジャンでは、そこまで観光にお金を使うこともない。世界遺産トラップにはまらなければ、の話であるが。交通費もバスや地下鉄が充実していて安く済む。
実際に一人旅で、かかった費用はこちら
1泊2日の旅費
ホテル宿泊費(1泊):5,000円
食費(2食):4,000円
交通費(空港市内間をバス):170円
交通費(市内を地下鉄移動):60円
観光施設の入場料:2,000円
こうしてみると、観光施設の入場料が意外と高くついているが、それを差し引けば観光にお金はほとんどかかっていない。市街地へのツアーも1日あたり3,000~6,000円という良心的な値段。
リーズナブルに旅ができることに加え、現地のアゼルバイジャン人たちもホスピタリティにあふれている。イランを思わせる国であった。
アゼルバイジャンについてもっと知るなら
アゼルバイジャンだけを取り上げた旅行本はまだない。そんな中、アゼルバイジャンを知るのに役立つのがこの一冊。