【決定版】火の国アゼルバイジャンのおすすめ観光スポット&基本情報

あまり観光地としては有名ではないアゼルバイジャン。しかし、年々観光客の数は伸びており注目を集めつつある国だ。

かつては世界の原油生産量の半分を誇り、現在では第2のドバイともいわれている。そんなアゼルバイジャン旅行前に知っておきたい観光情報をご紹介。

アゼルバイジャン観光基本情報

日本からのアクセス

日本からの直行便は出ていないので、乗り継ぎが基本。イスタンブールを経由するトルコ航空やドーハを経由するカタール航空がある。フライト時間は片道おおよそ15~19時間程度。

個人的には、フライト時間も短く、サービスの質も高いカタール航空の方がおすすめだ。

ビザ

30日間有効の観光ビザが空港で取得可能。ビザ料金は無料。

アゼルバイジャン空港でのアライバルビザ取得&市内移動方法

治安は大丈夫?

毎年F1が開催されたり、万博の候補地になるなど国際イベントを催していることもあり、治安は非常に良い。詳しくは別記事を参考に。

アゼルバイジャン女一人旅。現地で感じたリアルな治安

言語

公用語はアゼルバイジャン語。街中ではロシア語や英語が併用して使われている。公共の交通機関や道端の標識は英語の案内もある。

元ソ連圏だったということもあってか、ロシアからの観光客がダントツで多い。観光地であっても、英語が話せる人は少ないが、親切な人が多いのでなんとかなる。

コンセント

アゼルバイジャンのコンセントはCタイプ。SONICERの変換プラグであれば、アゼルバイジャンでも使えるし、日本でもスマホとKindleといったように複数のデバイスを同時に充電できるので便利。

通貨と物価

アゼルバイジャンの通貨はマナト。1マナト=約65円。総じて日本よりも安め。とくにお酒が安い。ビール1杯あたり150円ほど。バクー観光だけであれば、ほとんどお金はかからない。1日3,000円あれば十分。

服装

アゼルバイジャン人口の96%はイスラーム教徒だが、戒律はゆるい。世俗国家を名乗っているため、街中ではお酒も飲めるし、女性の服装も自由。町中の女性たちは、思った以上にこじゃれているので、みすぼらしい恰好で歩くのがはばかられる。

旅行に必要な日数は?

多くの旅行客が訪れるのは首都バクーだろう。バクーの街自体は小さいので2日あれば大体見て回れる。バクー郊外にもいくつか観光スポットがあるので、そちらに足をのばせば3~4日は必要。

アゼルバイジャン、2つの世界遺産

城壁都市バクー

現在の旧市街にあたる場所が、世界遺産として登録されている。旧市街には、シルヴァン・シャー宮殿や乙女の塔といったランドマークもあり、これらも世界遺産として登録されている。街全体が世界遺産の街といっても過言ではないだろう。

ゴブスタンの岩絵

現在のアゼルバイジャンには有史以前から人が住んでいたといわれている。それを示す60万点以上の岩絵を見ることができるのが、バクー郊外にあるゴブスタン国立保護区。岩絵が描かれた年代は、5,000年から2万年ほど前ともいわれており、人類史に思いを馳せることができる場所だ。

アゼルバイジャンの首都バクーのおすすめ観光スポット

世界一巨大な湖、カスピ海

バクー旧市街から20分もあるけば、広大な海岸沿いにつく。目の前に広がるのは、カスピ海。「海」とついているが、実はカスピ海は湖。しかも、世界一巨大なのだ。

ちなみに日本最大の琵琶湖は、カスピ海の560分の1の大きさ。ちなみにカスピ海には多くのチョウザメが生息しており、アゼルバイジャンはキャビアでも有名。

町散策が楽しい旧市街

まるで中世の世界に入り込んだような独特の雰囲気を醸し出す場所。世界遺産スポットとして有名な乙女の塔やシルヴァン・シャー宮殿がある他に、古いモスクやギネス記録にもなった世界最小の本があるミニチュア・ブックス博物館などがある。

ミステリアスにあふれた乙女の塔

世界遺産の1つだが、忠告しておきたい。ただ外観を眺めるだけでよろしい。一応中に入ることもできるが、それは罠である。

1,000円近い入場料を払って入ってその正体を確かめようとしたのだが、まさかの「なんの目的でつかわれていたのかは、はっきりわかりまへん!」というオチであった。

塔の最上階からの見渡すバクー市内の光景が、唯一の救いである。

旧市街一番人気のスポット、シルヴァン・シャー宮殿

16世紀までこの地を支配したシルヴァン・シャー朝の王宮。バクー随一の観光スポットになっている。

宮殿部分は現在博物館になっており、お土産ショップやバクー旧市街の昔の写真を展示した展示室などがある。ちなみにこちらも入場料は15マナトで約1,000円。

アゼルバイジャンのアイコン、フレーム・タワーズ

オイルマネーで成長したアゼルバイジャンを体現したかのような、高層ビルトリオ。総工費は約350億円。「火の国」という意味のアゼルバイジャンにちなんで、炎の形をしているのが特徴。夜のライトアップが美しい。

世界無形文化遺産にも。絨毯博物館

定番土産にもなるほどアゼルバイジャンの絨毯は有名で、無形文化遺産にも登録されている。そんな絨毯コレクションをはじめ、アゼルバイジャンのアート作品など約1万点を展示。オーストリア人建築家による作品。建物自体が絨毯という奇抜さを見せている。

三大珍味のキャビアを試食!?グリーン・マーケット

観光スポットというよりも、地元の人が利用する市場。野菜や果物、ドライフルーツ、地元のスイーツなどが売られている。ハチミツ、紅茶などお土産になりそうなものも売っている。キャビアの試食も可能。

ちなみに、ここのマーケットはとにかくディスプレイ力が高い。身近な野菜や果物がこれでもか!ときれいに並べられており、まるでどの店も千疋屋のような面構えをしているのに驚かされる。

建築の常識を破る、ヘイダル・アリエフ・センター

東京オリンピック、新国立競技場のデザインでも話題になったイラク出身の世界的建築家ザハ・ハディド氏が設計。「ヘイダル・エリエフ」はアゼルバイジャンの前大統領で、建物を上空からみると彼のサインの形になっている。

写真で見るだけで十分じゃね?と思っていたが、本物はやはり違う。一体どういう思考回路でこんな作品が作れるのか。凡人の理解を突き抜けた建築物に圧倒されること間違いない。

ワインにキャビア!アゼルバイジャングルメを堪能

アゼルバイジャンの食べ物は、イランやロシア、アラブ料理を寄せ集めたような国際色豊かなものが多い。1991年まではソ連だったことや、地理的にもイランとロシアとは隣接しているので、影響を受けているのだろう。

代表的な伝統料理には、米やひき肉をブドウの葉にくるんで料理した「ドルマ」や羊肉とひよこ豆を使った「ピティ」と呼ばれるスープや「クタブ」と呼ばれる薄いクレープ生地に香草やひき肉を入れてやいたものがある。


アゼルバイジャンの食べ物

また、アゼルバイジャンはワイン発祥の地の1つともいわれ、町中ではリーズナブルにワインが楽しめる。さらに三大珍味のキャビアでも有名。町中のマーケットにある鮮魚コーナーにいくと大体キャビアが置いてあるので、試食しない手はない。

アゼルバイジャンのお土産

あまりぱっとしたものを期待していなかったのだが、アゼルバイジャンには手の込んだお土産品が結構ある。


バクー旧市街の民芸品をお土産やさん。品によってクオリティのレベルが、かなりのばらつきがある。

代表的なものでいうと、アゼルバイジャンワイン。ワインの発祥地の1つでもあるアゼルバイジャン。1985年にゴルバチョフが反アルコールキャンペーンをを行うまでは、旧ソ連時代の一大ワイン生産国でもあった。旧市街のお店には、ワイン屋さんがいくつかありお土産用に購入することができる。

そのほかに街中でよく見かけるのが手作り絨毯。アゼルバイジャンの絨毯は無形文化遺産にも登録されている。ペルシャ絨毯の繊細な作りに比べると、耐久性の高さを感じるしっかりとした手触り。


アゼルバイジャンのポップな絨毯


あまりにも絨毯をアピールしたいがためか、駅の建物も絨毯風に。一反もめんにもみえなくない。

また、柄にしても難解なペルシャ絨毯に比べ、ポップなものが多い。全くもって絨毯を使う必要性に日常でかられたことはないが、ついつい買いそうになってしまった。小さいお土産用絨毯の価格は15~30マナト。

オイルマネーで潤うアゼルバイジャンらしいお土産が、原油で書かれた絵。これが本物の油絵である。原油を土産にするという奇抜な発想に驚かされる。

ちなみに空港にも小さな民芸品はあるが、品数は少ないのでお土産をゲットするなら街中で買うべし。


アゼルバイジャンのランマークを織り込んだミニ絨毯

そのほかにも、旧ソ連圏であったことからロシア帽やマトリョーシカ、さらにはペルシャ風のお皿など。アラブやペルシャ、ロシアなど文化が交錯するお土産の面々がそろっている。

第2のドバイというから、観光地としてあまり期待していなかったのだが、大きく裏切られた。誰だ、第2のドバイなんかいうやつは。アゼルバイジャンに失礼だろ、といいたい。

ドバイに比べると宗教色も薄く、街中では定価で安く美味しいお酒が飲める。ビールが1杯1,500円というドバイに比べると、欧米の旅行者にとっては旅行しやすいだろう。歴史的な建物も多く存在する首都のバクー。観光スポットとしては、ドバイ以上のポテンシャルを誇るような気がする。

アゼルバイジャンについてもっと知るなら

アゼルバイジャンだけを取り上げた旅行本はまだない。そんな中、アゼルバイジャンを知るのに役立つのがこの一冊。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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