思わず写真を撮りたくなる!アゼルバイジャンの5つ星空港がスゴイ

空港という場所は、単なる移動の通過点であって、とりたてて話題にすることもない。単なる発着点。それ以上でも以下でもない。それが多くの人が空港に対して抱くイメージだろう。

しかし、中央アジアのアゼルバイジャンに位置するヘイダル・アリエフ空港は、違う。

「単なる通過点」という地位から完全に脱却しているのだ。観光スポットと同じくして、「見ごたえがある空港」。それがヘイダル・アリエフ空港なのである。

空港前で記念撮影。そのワケは?

空港から一歩でると、奇妙な光景が飛び込んでくる。それが、空港前で写真をとる団体観光客の姿だ。これまでにいくつもの空港に通過しているが、空港の玄関口前で記念写真を撮る人の姿は見たことがない。

通常であれば、
1. 空港から出て早く市内に行きたい
2. 利用客が行き来するので、溜まると邪魔になる
3. そもそも写真に撮るほどの記念スポットじゃない

という上記の理由により、人々は空港前で写真を撮ることはない。

しかし、ヘイダル空港には人々が思わず記念写真を撮りたくなる仕掛けがあったのだ。それがこちら。

お分りいただけるだろうか。

よくわからないという人のためにもう一度。空港建物のガラスにご注目。

平面の床が立体に見えるトリックアートが出現しているのだ。

なんだこの仕掛けは。

普通に空港から出たら気付かないが、市内への移動を焦らずに、振り返った人間だけに与えられるちょっとした嬉しい発見。

「建物を振り返ってみてください。トリックアートがありますよ」なんてわざわざ言わないところが、センスがよい。大してすごくないものでも、「すごいだろ」とドヤ顏で自慢してくるドバイとは大違いである。

ちなみに空港内にも同じ仕掛けが。


目をこらすと床が立体に見える

美術館さながらのアート・オブジェ

ヘイダル空港でとりわけ目を引くのが、出発ロビーに鎮座する不思議なオブジェたち。空港、いや日常生活ですらお目にかからないその規模と不思議な形は、通りすがりの利用客を圧倒させる。

桃太郎の巨大な桃?

なぜその形なのか。答えを与えてくれるものはいない。利用者はただただ、目の前の奇妙な物体と対峙するだけである。

この手のオブジェは、実用性が伴わなければ単なる美術作品となるが、こちらのオブジェはきちんと実用性を伴っていた。中をのぞき込むと、カフェやらバーになっているのだ。


桃の中身は2階建てのおしゃれカフェ

居心地がいい5つ星空港

ヘイダル空港は、奇想天外な造形物で楽しませてくれるだけでなく、利便性も充実している。空港から市内への移動方法も整備されているし、空港から市内へは車で30分程度。

カフェが集まる待合スポットには、人工木に囲まれたゆったりとしたソファがある。


トランジットで長時間過ごす旅行者のために、仮眠スペースも設けられている

ソファでまったりとしていると、何やら鳥の声が聞こえる。「ほう、鳥の声まで演出で流して、自然感を出しているなあ」と思いながら、上を見やると本物の鳥がピチピチとさえずっていた。

空港に鳥・・・?

空港の居心地が良すぎて鳥が自ら入り込んだのか、「自然と調和した空港」の演出の一環なのか。真意はわからない。

こうした利便性が評価され、ヘイダル空港はイギリスのリサーチ会社「スカイトラックス」からは5つ星認定をされている。中部国際空港や香港国際空港など世界でも一握りの空港だけが5つ星認定を受けている。

ヘイダル空港は、それほど巨大でもなく、免税店も充実しているわけではない。けれども、どこか使い勝手が良くて、わくわくしてしまう空港なのだ。

アゼルバイジャンについてもっと知るなら

アゼルバイジャンだけを取り上げた旅行本はまだない。そんな中、アゼルバイジャンを知るのに役立つのがこの一冊。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

管理人をフォローする
アゼルバイジャン
シェアする
進め!中東探検隊