季節がない国にやってきて体に生じたおかしな現象

ドバイは1年中暑い国だと思っていたが、実はそうでもないらしい。「寒い」時期があるということに最近気づき始めた。寒いといっても、ちょっと肌寒いというレベル。しかし、公式には四季がある国ではないので、この「寒い」をどう位置付けたらわからない。
思えば日本はありがたいことに、テレビを見ていると毎日気温ごとに「カーディガン一枚はおるぐらいがよいでしょう」「厚めの上着一枚をもっていくとよいでしょう」などと着るものについてのアドバイスがもらえる。そして四季があるので、秋はこういう服装、夏はこういう服装と季節に応じて何を切るべきなのかがはっきりしている。

しかし四季がなく、気温が激しく変わるドバイにおいては何を切るべきなのかがわからない。一方で、資本主義がうずまくモールなんかにいくと、まだ30度ぐらいでクソ暑いというのに秋・冬の毛皮付きのコートを売っていたり。こんなに暑いのに一体だれが買うんだとつっこみたくなるぐらい、店で販売しているものと現地のニーズがマッチしていない。

結局夏なのか秋なのかわからない状態なので、ずっと夏服で過ごしていると風邪をひいてしまった。しかもかなり長引くやつ。咳が2週間以上も続きなかなかなおらない。現地で長く生活している人にいうと、だれもが1度はかかる砂風邪だと言われた。細かい砂の粒子が気管に入ることによって引き起こされるものだと、解説してくれた。砂風邪なのかどうなのかはともかく、気温調整が非常に難しい。ドバイはアホなのかだれもが寒いと思うような季節でも、建物の中は平気でクーラーをつけている。「バカか!」と心の中で悪態をつきながら、毎日寒い寒いという日々である。

寒いからといって厚めのパーカーを着ると今度は暑い。日中は半袖でもOKだが、夜になるとブーツ履いてもいいじゃないかというぐらい寒くなるので本当に困ったもんだ。四季がない国にやってくると、一体何がなんだかよくわからなくなる。健康体が取り柄だった自分でさえも体調が悪くなるぐらいなのだ。着るものは本当におしゃれだけじゃなくて、体を守るものなんだ!と改めて衣類の基本的な機能に気づくのだった。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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