ドバイの砂漠ツアーよりも安い!ドバイから行ける穴場な砂漠スポット

ドバイ観光といえば砂漠ツアーは必須である。砂漠に行けて、ラクダ乗り体験、アラブダンスショー、アラブ料理ビュッフェなど砂漠体験が満載なツアーは、確かに人気がある。

しかし、私からするといかにも観光客向けであり、あれこれ観光客を喜ばせるためのアトラクションが満載のため、ちょっと白々しい。

ここでは、もっと砂漠を自然な形で堪能できる穴場スポットをご紹介したい。

人類の歴史を変えた?知られざる歴史が満載な場所

ドバイから車で1時間半ほど走った場所に、ムレイハと呼ばれる場所がある。ムレイハはシャルジャ首長国と呼ばれる、ドバイの隣にある首長国だ。

ムレイハは、砂漠というよりも考古学的な意味合いで、注目を集める場所である。

私がこの地を知ったのは、ウンム・アル・クワイン首長国を訪れた時のこと。

何もない町に隠された知られざる歴史秘話。ウンム・アル・クワイン首長国

この地では、古代オリエント時代に存在したという「Ed-dur」と呼ばれる町の遺跡が発見された。そんな「Ed-dur」と交易していたのではないか、とされるのがこのムレイハである。

ムレイハには考古学センターがあり、古くは新石器時代からイスラームがサウジアラビアのメッカで誕生する7世紀までの、各時代の出土品が展示されている。すべてこの地域で発掘されたものである。


ムレイハ考古学センター

センターには、かつてアフリカ大陸の一部であったアラビア半島が分離し、アフリカ大陸から人類がアラビア半島に渡る様子を描いたビデオが紹介されている。

おお、世界史にも書かれてない知られざる歴史、と感心したのも束の間。これは結構重大なことだったりもする。

従来は、人類の祖先がアフリカ大陸を北上し、イスラエルやシリアを経てアラビア半島などの別の地域へ移住したと考えられていた。

しかし最近になってサウジアラビアを調査していた考古学チームが、ホモサピエンスのものとみられる足跡化石を発見したことにより、人類の祖先はアフリカからアラビア半島を渡り、インドやオーストラリアへ進出したのではないか、という見方がされるようになったのだ。

地球の歴史を感じる砂漠

砂漠がおざなりになったので、砂漠に戻ろう。こうした知られざる歴史を知るのも楽しいが、センターでは、様々な砂漠アクティビティが用意されている。

私が参加したのは、もっともベーシックな「ムレイハ・ランドスケープ」と呼ばれるツアー。小1時間ほどで、価格は1人あたり165ディラハム。手軽に砂漠をたのしみたい人向けだ。

その他にも専門のガイドが案内してくれる考古学ツアーや、砂漠で星を眺めるツアーや、砂漠を自転車で駆け回るサイクリングツアー、トレッキング、ケイビングといった各種アクティビティもある。

ムレイハで見る砂漠は格別だ。ムレイハの砂漠でしか出会えない光景があるからだ。通常の砂漠はもちろんのこと・・・

ムレイハといえば、この砂漠にそびえ立つ岩山の連なり。これらは、かつてこの地が海であったことも示している。ドバイの砂漠ツアーではこのような岩山を見ることができない。


岩山に走る横線が、海の水位であったことを示す


砂漠に突き出た巨大な岩山


砂漠の山を登る。はるか下に乗ってきた車が見える。


UAEの国の木「ガフ」(左)と化石の岩。かつてこの地域一帯が海の中にあったことを示す。岩山に水をかけると、貝殻などが浮き出てくるのだ。


「ラクダの岩」。ラクダの形をしているというが、少々無理がある。

普通の砂漠ツアーであれば、他にもわさわさ観光客がいるのだが、このツアーは完全プライベート。広大な砂漠の景色をほぼ独り占めできるのだ。

ラクダ乗り体験はないが、その辺をのそのそ歩いているラクダに出会うことはできる。観光用にデコレーションされていないところが、ほっとする。


己からわざわざ近づいてきた、人間に興味津々のラクダ。まだ若そうだ。


ラクダベビー


ムレイハの近くには地元住民のための小さなコミュニティがある。これらはすべてシャルジャ首長国が地元住民のため無償で提供したものだ。つまりは無料の家である。

ドバイの砂漠ツアーよりも、ローカル感があって私はこの場所が好きである。しかし、ようやく観光業に力を入れ始めたシャルジャ首長国管轄ということで、ほとんど知られていない。

もしこの地がドバイ首長国にあれば、すでに観光開発されて大量の観光客が押し寄せているだろう。

ここに来ると、「ああ、本当に砂漠にいるんだな」ということを思う。

ムレイハへの行き方

自家用車がなければ、センターで事前に送迎を依頼するべし。対応もこの辺には珍しく、ちゃんとしている。ドバイからであれば片道220ディラハム。ドバイからタクシーでもいけるが、運ちゃんがこんなとこまで行くの?と動揺するため、思慮深い人は遠慮しておいたほうが良いだろう。

ツアーの申し込みは、公式サイトから。

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