中東で数少ない安全な国!?実際に行って感じたオマーン治安事情

日本からわざわざオマーンへ観光に行こうという人は少ないかもしれない。けれども、迫力ある自然を堪能しようと湾岸諸国やヨーロッパから多くの観光客がやってくるちょっと名の知れた中東のリゾート地。それがオマーンだ。

世界的に有名なDJアヴィーチーやローリング・ストーンズのドラム担当、チャーリー・ワッツなどもかつてはこの地を訪れたことがある。

急速な近代化を遂げ、中東のリゾート地へ

今のオマーンからは、想像し難いがこの国は1970年までは極端な鎖国政策をとっていたため、外部との接触がほとんどなかった。それまでは、乳児死亡率もこの地域では圧倒的に高く、営養失調で亡くなる人々が多くいたのだ。

しかし現在のカブース国王にかわってからは、近代化が急速にすすめられた。首都のマスカットや東部のサラーラには、5つ星リゾートホテルが立ち並ぶ。


首都マスカットの近郊にあるリッツ・カールトン・ホテル。高級リゾートホテルの一つ。

中東のリゾート地いえば、ドバイを思い浮かべる人もいるかもしれない。確かにドバイ高級リゾート地。ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)には砂漠はあるが、緑がないのだ。それはクウェートやサウジアラビアといった他の湾岸諸国にも共通する。

しかしオマーンには緑や山がある。これほどの強みはないだろう。それゆえに、 緑や自然に飢えた湾岸諸国からの観光客らが週末や観光シーズンにはオマーンを訪れる。

トルコやドバイと並ぶ治安の良さ!?

さて、オマーンの治安だが外務省のサイトで危険度を確認してみると、真っ白である。塗り忘れたのか?と思いきや、特に治安に問題なしということ。トルコやフランス、スペインも真っ白である。

中東というと、一概にあぶねえ!と思われるようだが、ここオマーンは違う。近隣のUAEやカタールも同様である。UAEと同じ治安の良さと言われても・・・という人は、ドバイに関する治安記事をご覧いただきたい。

関連記事:
【2018年版】ドバイの治安情報をドバイ在住者が徹底解説

女性は注意!イスラーム教ならではのルール

一方でイスラーム教が国教だということは覚えておきたい。女性の服装には結構厳しいのだ。オマーンの女性はたいてい「アバヤ」と呼ばれる黒のロングワンピを着て、髪をスカーフでおおっている。

そんな中で、暑いからといって髪や肌を丸出しにした女性が登場するとどうなるのか。人によっては売春婦とみなすこともあるし、からかいの対象ともなる。

ひどいケースの場合だと、社会の規律を乱したとして逮捕に至るケースもある。オマーンには、伝統や社会の規範を乱すような服装をした場合には3ヶ月以下の懲役もしくは、500リアル(約14万円)の罰金刑に処せられるという法令まである。

実際に2018年の4月には、不適切な格好をしているということで20人の外国人女性が逮捕された。女性の服装や性的マイノリティに関してはかなり保守的な地域なのだ。

現地の人と同じようにアバヤを着て、髪を隠す必要はないが、過度な肌の露出は抑えた方がよいだろう。

日本やヨーロッパからすれば当たり前のことであっても、オマーンの人から見たらそれがどう映るか。ここは想像力を使う必要があるだろう。

オマーン旅行前に読んでおきたい本

旅行先としてはまだマイナーなのか、オマーンだけを特集した旅行本はない。唯一あるとすれば、「地球の歩き方 ドバイとアラビア半島の国々」。細々と紹介されているわりには、各地の情報がきちんと網羅されているので、役に立った。

E01 地球の歩き方 ドバイとアラビア半島の国々 2018~2019
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さらに歴史や文化などマニアックな情報を入手したい人はこちら。オマーンの意外な歴史を知ると、オマーン観光がいっそう面白くなる。

オマーンを知るための55章 (エリア・スタディーズ163)
松尾 昌樹
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20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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