電車で遭遇したヤバすぎるやつ&不可解な珍事件

またかよ・・・まだベルリンにやってきて1ヶ月だというのに、また奇人に遭遇してしまった。私が変人マグネットなのだろうか、と思いきや周りに聞いてみるとよくあることらしい。というわけでベルリンで遭遇した珍事件、やばいやつについて話してみたい。

駅が砂浜に

いつもの最寄り駅に着くと駅のプラットフォームには大量の砂がまかれていた。

海が近い駅であればまだ納得できるが、海に行くには少なくとも電車で4時間はかかる場所だ。いたずらにしても、これだけの砂をばら撒くには、金と手間がかかりすぎるぞ。誰が一体何の目的で・・・ただただ乗客は不可解な謎に包まれるだけであった。ちなみに、砂浜はすぐに撤去されるわけでもなく、1週間ほど放置され、自然風化していった。

異臭事件

混雑する時間帯に電車に乗った。人が少ない車両を見つけてラッキーと思いきや、入ってみるとアンラッキーであった。

くっさ・・・何これ・・・

とにかく車両内がイカ臭いのである。めまいがするぐらい強烈な臭気である。異臭源を探すにもそれらしきものはない。海外のスラムよりも1万倍くさいため、思わず手で鼻をカバーするほどである。

しかし、ここで逃げては恥だ。「あ、あの人臭さに負けたんだ!」と思われるのがオチである。よって踏ん張ってみることにしたが、やはりダメだ・・・一駅でギブアップし、隣の車両へ逃げ込む。

その後の停車駅でも、人が少ない車両でラッキー→臭すぎて前後の車両に避難する、という光景が繰り返された。キッズ集団、ダンキンドーナツを抱えた人、犬連れの人々、多くの人々が異臭の被害に巻き込まれていた。やはりあの臭いはドイツ人でもダメらしい。というかあの車両で平気で座っていられる人々は何なのだ?

いかにしてあのイカ臭さは発生したのか・・・日本語で「電車 イカ臭い」と探しても、性病のことしかヒットしない。というかあれは性病の臭いだったのか!?疑問と共に、だんだん怒りも湧いてきた。あれだけ殺傷能力の高い臭い車両を放置しておくなんて、電車の運営会社はどうかしてる。

このことを周りに話すと、おそらくホームレスが原因ではないかという。語学学校のクラスメイトは、ホームレスが駅構内で、洋服をきたまま用を足すのを目撃したという・・・な、なんと恐ろしい世界なのか。

左右に危険人物

学ばない私はまた罠にハマった。人が少ない!ラッキーと乗り込んでみると、そこは修羅場だった。左手には、ビール缶(しかもでかい)を持ったホームレス。右手にはヤク中もしくはアル中の男2人組が、「あー」だの「うー」だのゾンビの如くうめいている。

挟まれた・・・

両手に花は嬉しいが、両手に奇人ほど嫌なものはない。

しかし左手のホームレスに至っては大丈夫だろう・・・と思っていた私は甘かった。何と攻撃型のホームレスであった。何やらぶつぶつ言っては、電車を思い切り蹴り飛ばしているではないか。

ひえっ

いつ攻撃を仕掛けられるかわからん。

とりあえず早く目的地についてくれ・・・!ただそれだけを願うのみであった。と同時に私はまた怒りが湧いてきた。そう、ベルリンの公共交通機関には改札口がない。よって金を払わなくても電車に乗れてしまうのである。どう考えてもあのホームレスは金を払っていない(ビールを買う金はあるのに)。一方で、なぜ金を払っている我々が戦々恐々とせねばならないのか・・・

わめくアル中

そしてようやく私は学んだ。そう、世の中そんなに甘くはない。人が少ない車両はワナ!必ずそこには何かがあるということを理解した。しかし、そんな法則も通用しないことがある。

ある日電車に乗ると、横にはやべえ奴がいた。酒を飲みながら、時々かなりの大声でわめきちらしている。落ち着こう。これは社会勉強だ。その光景は、「見ろ!これがアル中の恐ろしさや」と言わんばかりである。アル中と私の距離は30センチほどしか離れていない。我々を隔てるアクリル板が命綱である。

まずは横目でターゲットを確認。ターゲットはアル中と見られる。ジャックと豆の木に出てくる巨人のようななりをしており、のろまそうである。ボディーブローを食らわせれば一発でやれる・・・動物的階級でこちらが上だと分かれば安心である。

わめいていた巨人が急に大人しくなったかと思えば、酒を飲んでお休みになられたようである。これでしばらくは安心・・・かと思いきや、巨人が潰したビール缶から残りのビールが大量に床に流れ込んでいるではないか。げげっ。ということで私の靴はビールの餌食になったのであった。

同刻。巨人と静かなる格闘を広げる私の周りには、静かな観衆たちがいた。ドイツ人といえども、日本人と同じくやべえ奴とは関わりたくない。人の心は同じである。ということで一定の距離を保ちながら、 その様子を見守る観衆の壁が左右に設立されていた。

しかしアル中にしろホームレスにしろ、最大の謎は彼らは一体どこへ行くのかということである。ただ温かみを求めて車内で過ごしていたのだろうか。その謎は彼らを追跡してみないとわからない。

ベルリンの電車はやばいことだけではない。むしろ良いこともある。それが電車で弾き語りをするミュージシャンたちだ。彼らはサッと電車に乗り込み1~2駅ほどの距離で演奏をし、小銭を稼いで去っていく。国際色にあふれるベルリンゆえか、音楽の種類も様々。南米の民族音楽や流行の曲など。どれも電車のBGMとしては最高である。

中でも、心動かされたのが、バイオリニストによる演奏。流れてきたのは、ヴィヴァルディの春。メロディーが流れた瞬間、陰鬱なベルリンの街に、色とりどりの花が咲き誇る幻が見えた。

これは一体・・・

音楽は人の心を動かすというが、幻すら見せるのか。ハンターハンターのセンリツやないか、などと感慨に耽っていたら、そのバイオリニストは電車から去っていった。

「ちょ、もうちょっとあなたの演奏聴きたいんですけど」

そんなことを言う暇すらもなく、街は再び陰鬱な景色に戻っていた。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

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ベルリン
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