ドリアンの独特の匂いについては、知っている人も多いだろう。その独特の匂いゆえに、マレーシアでは、迷惑な持ち込み物に指定されており、電車などの公共の場所への持ち込みが制限されている。
どれだけその匂いは強烈なのか。
ドリアン好きの知人が、機内にドリアンを持ち込んだことがある。あまりにも強烈な匂いなので、機内では異臭騒ぎに発展したという。お騒がせドリアン事件である。
そんなドリアンであったが、世の中にはさらに上をいくものがいる。それがネジレフサマメである。
この豆との出会いは、ジャカルタでのグルメツアーの時であった。ガイドに
「これは、stink beans(臭い豆)と呼ばれるんだけど、食べてみない?」
と言われたのが、悪夢の始まりだった。
見た目は、巨大なソラマメ。害はなさそうである。臭い豆などと呼ばれて、かわいそうに・・・と豆に同情したことを今では後悔している。
店先に吊るされているネジレフサマメ。見た目は巨大なソラマメ
焼いたもの(左)と生の状態の豆(右)
臭い豆って言っても、豆だしなー・・・
あ?
口に入れた途端、強烈な吐き気を催す。人前であるにもかかわらず、臭い豆は私の口からリバースされてしまった。
臭いなんてもんじゃない。
これは兵器だ。
豆を口からすでにリリースしたというのに、水を飲んでもその臭いは、じっと口内にとどまり続けている。最悪である。
この豆は、マレーシアやタイにもあり、炒めて食べるのが一般的だという。しかし、素材の味を知るなら、生で食べてみるべし、という謎の精神に則り、生で食べた結果がこれである。
口の中がとにかく臭い。あのリステリンですら、拭いきれない異臭だろう。ちなみに匂いは、数時間ほど消えることはなかった。
あのドリアンの匂いが可愛く思えるほど、強烈なナジレフサマメ。食すときは、絶対に生で食べることは避けるべし。
ネジレフサマメを食べて、思い出したのがイギリスで絶滅に瀕しているウナギゼリー寄せである。あの時は、なんとかリバースを堪えたものの、口に入れた瞬間の衝撃は忘れられない。