パキスタンの車窓から。毎日見てても飽きない日常風景

パキスタンの車窓は見てて飽きないものがある。他の国であれば、車での移動中にはスマホをやったり、寝たりすることができるが、カラチでは安全のためそうもいかない。

車に乗ると、「必ずドアの鍵を閉めろ!」だとか「外に財布やお金を見せるな!」などと言われる。乗っているこっちもヒヤヒヤもんである。

同じ道を毎日行き来すれば、同じような景色で退屈するだろう。しかし、カラチでは毎日同じ道を通っても、毎日違う光景に遭遇する。いっときとして同じ景色はないのだ。数ヶ月経っても、「何アレ!?」といった衝撃映像に出くわすこともある。

というわけで、カラチの車窓から見た光景を色々と紹介。

家畜各種

パキスタンでは馬やロバなどが、移動手段として現役で活躍している。その他にも、路上でモコモコの子羊が売られていたり、ラクダがのそのそ歩いていたり、インドに近いラホールでは牛なんかもいる。豚をのぞけばあらゆる家畜を網羅している。

白い馬車

リムジンから家畜までいる、なんでもありなカラチの道路だが、これを見た時にはさすがにビビった。白い馬車が真面目に道路を走っているのだ。TDLならまだわかるが、ここはカラチやぞ。

大気汚染、土埃、渋滞、喧騒。そんなカラチの道路を、おとぎばなしから出てきたような白い馬車がかけていく。カラチに統一した世界観はない。

リアル白い馬車

とにかくバイクが多い

バイクはせいぜい1人か2人しか乗れないと思っていたが、本気を出せば4人まではいけるらしい・・・ということをカラチで学んだ。乗車人数からすればもはやコンパクトカー以上である。

カラチはバイクも多く、「え!?そんな乗り方あるの?」といった大喜利のごとくユニークな乗り方をしたジモティーを見かける。

カラチの街中を走るバイク
カラチ市民によって乗り物としてのポテンシャルを最大限に引き出されたバイク

カラチのバイク
信号待ちの最前列はバイクでひしめいている

ワンコ

パキスタンには犬もわんさかいる。その顔つきは、アラビア半島などに生息するサルーキーによく似ており、毛並みも整っているので可愛らしい。

パキスタンの犬

ホームレス

カラチの町にはいたるところにホームレスの人々が寝ている。日本のホームレスといえば、ビニールハウスなど一応拠点を持っている人も多いが、ここのホームレスは文字通り拠点がなく、道端で寝ている。とりわけカラチで有名なシャー・アブダッラー・ガジ廟の周りには、何十人ものホームレスが集団で寝ている。

金魚売り

よもやまさかパキスタンで金魚売りを見かけるとは。一体誰が買うのかは不明だが、夕暮れになると金魚売りが道を歩いている。金魚鉢に入った金魚も販売されている。

パキスタンのバスは100人乗っても大丈夫?

ほぼ無法地帯の道路に加え、人口の多さもあってか、バスのポテンシャルを最大限に活用した光景が見られる。町中を走るバスのほとんどが、バスの上に登れるタイプのもので、しばしばバスの屋根に乗っている人を見かける。

パキスタンのバス

物乞い

信号待ちをしていると、どこからともなく物乞いが現れる。老若男女とその顔ぶれはさまざまである。腕や足を切り落とした身体障害者、首に頭1つ分の腫瘍を抱えた初老、赤子を抱えた母親、、元気ピンピンで窓をどんんどん叩いてくる物乞いキッズ。

自分から物乞いできる人はまだマシで、まともに働いていても物乞いより稼ぎが少なく、食えない人もいる。道路上では時々ヤクブーツで、恍惚状態に入っている人もいる。底なしの貧困が車窓には広がっている。慣れないと、こうした映像を見るだけで、体力が減っていく。

オネエ

物乞いの中には、オネエもいる。トランスジェンダーである彼ら/彼女らは、第3の性を持つヒジュラと呼ばれている。パキスタンだけでなく、インドにも存在する。オネエの物乞いは独特で「レ〜ディ〜★」や「ハ〜ロ〜★」などと、陽気に声をかけてくる。

パキスタンのオネエ
休憩中に携帯をチェックするキャンギャル系のオネエ

パキスタンのオネエ
マダム系オネエ

完成形はどうであれ、化粧をバッチリしているオネエの美意識の高さに圧倒される。よく見たら野郎感が強い人もいるが、中には、めちゃくちゃ美人もいる。偏見だが、パキスタン人が厚めの化粧をすると、男も女も行き着く先が同じような気がしてしまう。

あふれんばかりの日本車

カラチだけでなくパキスタン国内は、どこを見ても日本車であふれている(その理由はJICAの記事に詳しい)。スズキ「アルト」がパキスタンでバカ売れの理由という記事もあるように、パキスタンでひときわ輝いてるのがスズキである。

確かにタクシーや友人の車に乗っても、日本のカーナビがついている。どれも日本の中古車らしく、日本語のままのカーナビになっている。しかし、パキスタン人にとっては車さえ動けば良いので、そんなことはどうでもよいらしい。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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