モロッコ人の上司に、突如こう投げかけられた。
「今年ははじめてのラマダンだろ。コーヒーは飲むのか?そうか。じゃあ大変だろうけど頑張って」
なぜ普段コーヒーを飲んでたら、ラマダンが辛いのか?
「コーヒーとラマダン」という謎をかけられたまま、モロッコ人の上司は部屋を後にした。
しばしコーヒーとラマダンの関係に考えを巡らせたが、どうも分からない。朝のコーヒーが飲めなくて辛いということなのか。でも夜明け前にコーヒーを飲めば問題ないじゃん?と。
これをボーン・ムスリム(骨ムスリムではなく、生まれながらにしてムスリムの人々。)たちに訊ねると理由がわかった。
「コーヒーってのは、喉が渇き易くなるんだよ。だから断食中は向いていない。それに早起きもするわけだから、コーヒーなしじゃあ眠くて仕事にならないんだわ」
さすが、経験者は語る、である。断食をしたことがない人間にとっては、コーヒーを飲んでも、後から水を飲める。だから、コーヒーが喉が乾くものだということに気がつきにくいのだ。
断食の先輩からいただいたアドバイスとしては、
1. コーヒーを飲むのはラマダン前から控えた方がよい。急にコーヒー断ちするときつい
2. けれども「断食」の練習はしなくてOK。本番一発勝負でがんばれ
ということだった。
朝のコーヒーもおあずけかあ・・・まさかこういうアドバイスをいただくとは思っていなかったので、逆に「本番」への緊張が高まる。
マンガでゆるく読めるイスラーム
普通の日本人がムスリム女性と暮らしてみたらどうなる?「次にくるマンガ大賞」や「このマンガがすごい!」などでも取り上げられた話題のフィクション漫画「サトコとナダ」。