ドイツ冬の洗礼。出費がかさむ、体の異変。寒すぎていいことは何もない

大してドイツのことを知りもせずにやってきてバチが当たったらしい。地図でよく見ると、ドイツはめちゃくちゃ緯度が高いのである。あれ、これはもしや北海道並みでは・・・?

ここ最近、まず起きてやることと言えば気温チェックである。なぜなら気温によって、この日の運命が決まるからである。5度以上あればラッキー、零下であれば残念無念である。しかし気温に惑わされてはいけない。体感温度をチェックするのがポイントである。気温に惑わされ薄着したことで、何度後悔したことか・・・

冬はとにかく金がかかる

ここ10年ほど南国もしくは極端に暑い砂漠地帯で暮らしていた。暑さはとりあえず薄着で、クーラーをつければすべて解決するが、冬はそれなりの防御アイテムが必要である。冬服は登山着しか持っていないので、日常的に着れる洋服をそろえる。

が!

それでも足りない。やれ冬用の極暖スリッパ、スパッツ、レッグウォーマー、マフラー、靴下、毛布、湯たんぽなど冬に特化したあらゆるアイテムを追加しないと、この寒さはしのげないのである。

寒さをしのぐためにどんだけアイテムがいるんだよ・・・

というわけで、毎日外に出ては、防寒アイテムをゲットしていくのであった。さらに乾燥しまくるので、ボディローション、ヘアオイル、加湿器、うんぬんかんぬん。とにかくアイテムに課金しまくっている。

アイテムだけでなく、日照不足により体にも変調をきたすので、メンテナンス料として、ビタミンDの購入費やサウナなど、とにかく寒さを凌ぐための定期課金が発生することも付け加えておく。

摂取カロリーが増える

ドイツに来てから、やたらお腹が減るようになった。このことを周りに話すと、「寒いからエネルギーをよく消費するんだ」とか、「ベルリンではよく歩くから」ということだった。

確かにベルリンに来てから1日1万歩を歩く日は珍しくはない。よって効率的なエネルギー補給のために、チョコやクッキーなども食べるようになった。登山の行動食と同じ発想である。いや、寒いドイツ生活は、いかに効率よく寒さを防ぎ、生き延びるかという点では、冬山登山と同じなのだ。

そして酒もまた楽しみのために飲むというよりかは、体を温めるという目的で飲むようになった。そう、飲食は、私の中では楽しんで味わうというよりも、体を温める、カロリーを摂取するというサバイバル的な目的になりつつある。

というわけで、防寒アイテムですでに消費しまくっているというのに、腹が減るせいで食費も増えることになった。

トイレが近くなる

冬の定番現象といえば、トイレが近くなる、である。ドイツに住んでからやたらとトイレに行く頻度が増えた。しかし困ったのは、ドイツには駅にトイレがないし、そもそも公共のトイレが少ない。

カフェやレストランで食事をすれば、無料でトイレにありつけるが、そうでない場合は有料になるところもある。そう、トイレの需要に対して、トイレが少ないのである。ホームレスが駅構内でトイレをする理由もこの状況では、わからなくもない。

ヒートテックでも不十分?

ヒートテックさえあれば冬など怖くない、多くの人がそう信仰してしまうほどヒートテック神(しん)は偉大である。しかし、私の中ではその信仰が揺らぎつつある。あれ、ヒートテック着てるのにまだ寒い・・・そう。ドイツの寒さはヒートテックを持ってしても完全に制することはできないのだ。

などと思っていたが、やはりユニクロは凄かった。どうやら私が来ていたのは、通常のヒートテックで、マイナス20度までに対応した極暖ヒートテックを着れば、しのげるのである。というわけで、ユニクロの恩恵に預かろうという人々で、ベルリンのユニクロは連日激混みである。ユニクロってすごい・・・!

体の調子が悪くなる

基本的に健康体な人間だが、寒さに弱いせいか、今までに経験したことのないような現象に襲われるようになった。熱もないのに体に痛みを感じたり、友人と同じものを食べても私だけ食あたりするなど、パキスタン生活を彷彿させるぐらいに、体調の悪化が見られている。

嘘だろ、先進国のドイツだぜ・・・

寒いっていうことはこんだけ体にダメージを与えるのか・・・

寒すぎるのと暑すぎるのどっちがいい?という謎の質問があるが、断然暑い方がいいに決まっている。暑すぎるのは、暑さでめまいがするだとか、汗をかくぐらいしかデメリットがないが、寒すぎるのはデメリットだらけである。

唯一の希望は、ドイツに長く住めばこの寒さに慣れるだろう、ということであった。しかし、在住歴が長いクラスメイトやローカルのドイツ人たちは、その希望をことごとく打ちのめすのであった。皆、「寒い、寒い」といって厚着している。その姿は、長く住んでも寒いものは寒い、という悲報であった。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

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