ベルリン移住初日

ついにやってきたベルリン。マレーシアから飛行機で約14時間。クアラルンプールの空港で、イスラエル留学時代のルームメイトと15年ぶりにビデオ通話でだべっていたら、マレーシアを惜しむ時間がほとんどなくなってしまった。

不動産会社との約束があるので、飛行機が遅れないよう祈っていたが、乗り継ぎのイスタンブールまでは1時間遅れたものの、ベルリンには予定通り到着。2ヶ月前に初めてベルリンにやってきたが、まさかこんなに早く戻ってくるとは・・・

SIMカード取得でつまづく

2ヶ月前にベルリンにやってきた時、空港イミグレでは「どこに泊まるのか?」、「現金はいくら持っているのか」など、色々と聞かれた。というわけで、今回も心づもりをしていたら、まさかのノークエスチョン。

ひえっ

何も質問してくれないのも逆に悲しい。というわけで、そそくさと荷物を受け取り、到着ゲートを出たわけだが、どの国でも空港に着いたら一番にやるのは、SIMカード。Wi-Fiをゲットしなければ、話は始まらない。大抵の国にはSIMカードが買える通信会社のブースが並んでいるのだが、ベルリン国際空港にはそれがない。

おやおや

ということで、聞き込みを開始。観光案内ブースで聞いてみるも、「両替カウンターで売ってる」、両替カウンターに行ったら「もう売ってない」など、たらい回し状態である。到着ゲートの下の階で数人に聞き込みをしてようやく、SIMカードを売っている土産物屋を発見。なんとか買えたものの、複雑なSIMカードでAPNの設定やら、Wi-Fiが使えるのは、15分後だとのたまう。(実際には、自分で設定し直して、使えるようになったのは40分後のことである)。

詐欺ではなく一安心

空港から直接、入居予定の家へ向かった。通りに面するアパートのインターホンには、住民の名前が並んでおり、私の名前もあるではないか!待ち合わせの10分前につき、不動産会社の管理人と合流することができた。

「詐欺ではナカッタ、ヨカタ・・・」

一通り家の説明を受けたものの、「汚れとかは全部写真にとっておいたから☆あとで、送るから承認をしてね」という。

家具のちょっとした汚れでも、罰金の対象となり、退去時にデポジットから差し引かれるらしい。まったく老朽化や損傷を気にしないマレーシアとは大違いである。気を引き締めてかからねば・・・

ちなみにドイツでは、鍵を無くしたり、家に損傷を与えると莫大な金額を請求されるため、多くの国民が個人賠償責任保険という保険に入っているらしい。健康保険の次に大事な保険!ということで、早速入っておいた。

知らない場所を歩くという恐怖

物理的にベルリンにはいるが、やっぱり脳は追いついていない。何せ昨日は、南国のマレーシアにいたのに、今日は秋のベルリンだもの。マレーシアで買ったヒートテックが早くも役立っている。11月に差し掛かっているので、もう太陽の姿はないと思いきや、カラッと雲1つない晴天であったことが幸いである。

街を行く人々の顔ぶれも変わり、アジア人はうって見かけない。いるのは、ヨーロッパ系の人々や中東の人々である。アジア人を見るとほっとするが、騙されてはいけない。移民が多い国では、見た目と国籍が一致しないケースもよくある。イスラエル留学時代に、アジア人っぽい見た目の留学生を見て、アジア人だ!と見てテンションが上がったが、アジア系のアメリカ人で、しかもハーバード大という、全くもって私とは程遠い存在だった衝撃は今も忘れない。

景色もルールもまったく違う世界にポイっと放り込まれ、ワクワクというより、緊張感である。歩き方もどこかぎこちない。何をするにも緊張が走る。信号を無視してもOKなのか(他の国だと罰金になるケースもあるので)とか。とりあえずここは周りの様子を伺うばかりである。

早速スーパーへ行くが、商品の面々も初めましてのものばかり。顔馴染みは、野菜ぐらいである。水もビールも見たことのない銘柄ばかりである。

忘れた頃にやってくるトップレス

通りを歩いていると、文房具屋が目に入った。

ぎゃっ

なななななナナナNANANA7?

またしてもトップレスの女性のお出ましである。なんと上半身裸のセクシー女性カレンダーが、何食わぬ顔して売られているではないか。

キッズも普通に通る場所なのに!?

私は一人動揺していた。いや、動揺する方がベルリンではおかしいのだろう。

後でドイツの友人に聞くと、至って普通のことであり、問題ないのじゃ!とのこと。確かにセクシーだと感じてしまう部分は個人的に否めないが、社会がそれを許容しているのだから、我々もそれに対してとやかくいうべきではない、ということらしい。

でも、子供と歩いている時に聞かれたら?

その時は、これは裸の女性でね、と説明するまでだ。

などと大袈裟にいってみたが、よく考えれば日本にだってあるのだ。トップレスでこそないものの、青年誌や週刊誌には水着姿の女性据えられ、ルアーの役割を果たしている。日本にいるとそれはなんてことないが、他の文化からすると、目をひん剥くものなのかもしれない。

ベルリンは人をどう変えるのか

というわけで、ここぞという時にドイツ人の友人を召喚。知らない場所で知り合いがいるという、絶大なる安心感。そしてドイツ移住では、徹底的に人に頼って生きよう、と決心したので、公共交通機関の1ヶ月チケットの購入を助けてもらう。久しぶりの再会もそこそこに、我々は元々市場だったところを改装したフードコオートへ向かった。

一見すると建物は廃墟にしか見えないのだが、中へ入るとあら不思議。雰囲気のいいバーやレストランがずらりと並んでいる。その雰囲気の良さをもっとアピールすればいいのにと思うのだが、どうもベルリンではこの手のギャップに驚かされる。

ドイツ初日ということで、シュニッツェルと白ビールを頼んでみたのだが、これまたサイズがでかい。ドイツ人体型からすると、ちょうど良い分量なのだろうが、アジア人からすると2~3人前はある。シュニッツェルの見た目は、イギリスのフィッシュ&チップスだが、日本のトンカツよりも薄くあっさりして食べやすいというのが印象。

お腹も満たされ、フードコートを後にしようとすると、レトロな証明写真機が目に入った。

これで記念写真撮ろうぜ!

ベルリンに住んで半年後、1年後ごとに写真を撮ると、ベルリンによって私がどう変わっていくのかを定点観察するのが狙いらしい。

半年後には、顔にピアス開けて、タトゥーまみれになってるかもな!

まさか、と思うが、ベルリンにいたらありえるかもしれない、と思ってしまう。それを知りたくて、ベルリンにやってきたというのもある。

証明写真機はレトロそのもので、こちらにお構いなく、光が点滅して写真を撮るという単純なシステム。現代のように、撮った写真を確認することはおろか、3、2、1などカウントダウンもしてくれない。

写真を撮り終えた後。我々は友人一押しの「クレイジーエリア」にいくことになっていたが、あまりにも寒いため断念。

これがドイツの冬だよ。冬になると寒すぎて、外に出る機会が減る。そうすると、人に会うことも少なくなるから、コミュニティを広げるなら今のうちだな。

半分冗談で受け止めたが、あながち間違ってはないように聞こえる。マレーシアでは、暑すぎることもあるが、それにより外に出るのをやめようと思ったことはない。むしろいつも同じ気候なので、外出のハードルが下がっていたぐらいだ。

そんなわけでベルリン移住初日は終了。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。

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