トルコ国内で生活にするにあたり、毎度お世話になっているのがAirbnbというサイト。
Airbnbの物件だと、家具、洗濯機、調理器具などがすべてそろっていて、入った瞬間から生活ができるということで長期旅行者がよく利用している。そしてホテルに泊まるよりもずっと安い。そして例のごとく、私もそれを利用している。
イスタンブールやイズミルでは、写真で見る感じよりも実際の物件はよかった。マッチングアプリの写真よりも本人が美女メーンもしくはイケメンだった時ぐらい、テンションが上がるものである。
廃墟感ただよう地雷物件に遭遇
逆も然りで、写真と本人が全然違うじゃないか・・・ということもまれにある。マッチングアプリであれば、「あ、すみません急に用事ができちゃって」などとぬかせば良いが、物件の場合は金銭が絡むので、対処が少々面倒である。
トラブルは面倒なので、物件選びは慎重に行う。しかし、何事も慎重になったところで、やはりトラブルは起きてしまうのである。
あかん・・・これは地雷物件じゃないか・・・
地中海に面する町アンタルヤでの出来事である。物件のレビューはすべて5つ星。写真で見る限りでは、清潔感がある。お値段も相場よりはちょっと高めだが、このクオリティなら、ということで決めた。新居生活にときめく、新婚夫婦の面持ちである。
しかし、アパートのビルに入った瞬間から、よくわからないが嫌な雰囲気がした。
写真で見るよりも、建物はずっとオンボロで、昼間だというのに電気がついていなくて全体的に暗い。どうもオンボロ感というのは、写真には現れないらしい。
部屋に案内されて、それは決定的となった。
綺麗に掃除はしてあるのだが、なんか人が住む家というよりかは、廃墟に近いものがある。
しばらく人が使った気配があまりない。具体的にどこが?と聞かれてもわからないが、感覚的にである。タンザニアでの廃墟ホテル事件のトラウマが再びよみがえった。あちらは、ガチの廃墟だったけども。
冷蔵庫には、キッズの食べかけスナックが、放置されていた。
寝室のベッド横には、なぜか非常階段へのドアが設置されていた。しかも、ドアがきちんとハマっておらず、下が5センチぐらい空いている・・・さらに、ぐるぐるに巻かれたなんのコードがわからない電線コードが思いっきり壁から飛び出していたり。
とにかく家の作りが、かなり雑である。
部屋に入って30分後にやってきたのは、ゴキブリだった。食べ物もないのに、挨拶しにくんなよと思ったが、行くあてもないようで、その辺をずっとウロウロしている。
ネットが使えない!
しかし、決定的だったのは、ネットが使えないということである。Wi-Fiを見ると4種類ぐらいあり、この中から好きなネットワークを選んでつなげ、ということらしい。しかし、どれも弱すぎて、サイトの読み込みすらできない状況なのである。
ちなみに、玄関近くではかろうじてネットが使えたが、玄関で仕事をするのもなあ・・・
デジタルノマドにとって、ネットは水、空気、電気の次に必須である。パソコンさえあれば、どこでも仕事できちゃうもんね♪などとイキっているが、ネットがなければただの人である。
そう、ネットなくしてデジタルノマドは、生きていくことはできないのである。”世界のどこでも”というのは、正確には”Wi-Fiがある場所ならどこでも”という意味なのである。
そして、この世の中はネットが通じない(もしくは仕事に使えるだけのネット回線がない)場所が、結構あるのだ。
この事実を実感した時、私はひどくがっかりした。仕事をするためには結局、ネットがある場所に身を置かなければならないからである。
そしてネットがある場所というのは、たいていある程度のインフラが整っている、暮らしやすい都市だ。都市というのはどこの国でも、暮らしやすいのだが、ある程度似たり寄ったりである。
なんだあ・・・どこでも働けるわけじゃないのか・・・
ともかく、ネットがないので私はひどく取り乱していた。発狂しかけていたかもしれない。今日を何のために生きるのか、という生きる意味すら失いそうになった。
1時間でチェックアウト
というわけで、10日間の予約をまずは明日チェックアウトに変更。返金手続きを行った。幸いにもホストによって、返金は承認された。
とりあえず、1日ここに泊まってしのごう・・・と思ったが、ネットが使えない以上ここにいることはできない。別の物件を探すか、ホテルに泊まるか。しばし考えた後、歩いて10メートル先の場所にホテルがあったことを思い出す。
ホテルに避難しよう。
ということで、速攻でチェックアウトし(受付のお姉さんは、は?という顔をしていた)、10メートル先のホテルにチェックイン。料金は思ったほど高くなくてよかった。
ネットの復旧とともに、私の心にも平穏が戻ってきたのである。
それにしても、なぜあの場所に5つ星レビューが5つもついていたのかは、謎である。
私の方がおかしいのだろうか。
あの部屋にこれ以上いたくない、という感覚的なものである。いや、感覚的なものをのぞいても、説明と実際の物件が違ったのは、事実だ。
ヘアドライヤーや洗濯機が備わっている、と書いてあったけれども、なぜかアパートビルの共有部でしか使えなかったり。キッチン用品があると言っても、まな板はあるが包丁がなかったり。
失敗しないために
ちなみに、Aribnbにはこうしたケースに申し立てを行うと返金してもらえる。これは後で気づいたのだが、こうしたやり取りも含めてちょっと面倒である。だから、できればこうした地雷物件を踏みたくないのである。
この件により、私は以下を心に刻むことにした
・レビューが少ない場合はあてにならないこともある
・レビュー数が多い物件を選ぶ
・値段とクオリティは比例しない
・同じビルで複数の部屋を貸し出している場合は要注意(物件紹介と実際の部屋が違うケースがある)
・キッチン用品などの設備は説明よりも写真で判断する
こうやって書くと、Airbnbは使わない方がいいんじゃ、と思うかもしれない。が、ほとんどの場合は選び方にもよるが、ちゃんとした満足物件である。
しかし、やはりレビューや写真だけでは、見抜けないのが物件でもある。だからこそ、こうした地雷物件に当たることもまれにあるのだ。