外国人が付き合っている日本人女性は本当に”イマイチ”なのか

「美女と野獣カップルはいるが、その逆は存在しない」という説を立証しようという番組を見た。

プレゼンターが企画を説明すると、1人のタレントが「確かに、外国人が連れている日本人女性はそれほどきれいじゃないですよね」とさらり。

ふむ、確かに。私も高校生ぐらいから、その疑問は抱いていた。とあるお笑いタレントも別の番組で同様の発言をして、その発言がYahooニュースになり、多くの賛同する意見が寄せられたという。

果たして、外国人が付き合っている日本人女性は本当に見た目がイマイチなのか。その疑問について考えてみる。

外国人=イケメンというフィルターがかかっている

そもそも考えてみれば、我々がいう「外国人」というのは、金髪で青目をした典型的なヨーロッパ人なりアメリカ人だったりする。我々にとっては、そうした「外国人」というのは、ほぼ無条件降伏で、かっこよく見える。つまりはイケメンの部類に属するわけだ。

「外国人が連れている日本人女性はそれほどきれいじゃないですよね」は、「外国人はイケメンなのに日本人女性の方は美人ではない」という風に翻訳することができる。

細い目をした平い顏族が多く生息する島国においては、目鼻立ちがはっきりしているというだけで、イケメンに見えるというカラクリが存在するのだ。

つまり、我々が「外国人」を見ているを見ている時には、必然的にイケメンフィルターがかかっていることを理解しなければならない。私はこれを「格上げフィルター」と読んでいる。

さらに、日本にいる一部の外国人男たちが自称するように「日本に行けば、母国よりもモテる。なんてったって俺は外国人なんだからな」というのだ。実際に、この趣旨の発言を日本で暮らす外国人から聞いたことがある。

見慣れれば”イケメン外国人”もイケメンでなくなる

日本にいると、外国人なんて見慣れないので、外国人というだけで、かっこよく見える。しかし、いったん日本を出て、各国の人々に見慣れると、「外国人」を見る目が補正されるのだ。つまりは、イケメンではないものはイケメンでない、という当たり前の判断が下せるようになる。

それに、金髪の欧米人男性がそこらじゅうにいる生活を送っていると、金髪青目に対する免疫もついて、そう簡単には外見的魅力だけで、おちなくなるのだ。

補正された目で、日本にいる外国人を見ると、たとえ日本のテレビや日本人がイケメンだといっても、母国や世界レベルでは普通レベルに入る外国人がごまんといる。それが、私が見ている世界である。

しょせん、人間は異なるものに惹かれる生物

このことから当たり前のことが導き出される。人間は、自分とは異なるもの、見慣れないものに魅力を感じる生物なのだ、と。ヨーロッパやアメリカの人々が、東洋のことをエキゾチックだといったり、我々もまた中東の砂漠やアラブ文化をエキゾチックだという。

「かっこいいイケメン外国人が、イマイチな日本人女性を連れている」。この状態は、自然の理にかなっている。我々からするとかっこいい外国人にとっては、一重で目鼻立ちがそんなにはっきりしていない女性も美しく見えるのだ。

「 美しさ」なんてものは、絶対的ではない。時代や見る人間によって異なる、そんな当たり前の前提がある。

けれども、日本のように、同じような文化的背景をもつ民族が多数派を占める均質的な社会では、絶対的な「美人」が作られやすい。けれども、その絶対的な「美人」が、その社会から出ても「美人」であるかどうかは、保証されない。

日本と海外のモテ条件は違う

モテる条件も日本と海外では異なる。日本では、「可愛さ」がモテの先導をきっているといっても過言ではないが、海外では幼稚に見られる。むしろセクシー路線の方が、男ウケは良い。

さらに極端な例をあげると、「内股」。

柔道のかけ技ではない。

両足のつまさきを自分向きにㇵの字にして立つ、立ち方の1種である。

内股の発生源はよくわからないが、ある時から「内股=かわいい」、などという謎の概念が流布しはじめ、日本の街中ではごく普通に内股女子の生息を確認することができる。

しかし、日本に住んでいたことがあるというイスラエル人男性は、内股についてこう語った。

「なにあれ?足の病気なの?」

正論である。

200ヵ国以上の人間が住むUAEという国に私は住んでいるが、これまでに内股女子というのは見かけたことがない。あと、何気に日本にはO脚の人が多いように見受けられる。

はたから見れば病気の現象に見えるものでも、日本では「かわいい」と捉えられる。我々日本人は、世界に類を見ない感受性がインストールされている、ということを自覚したい。

逆パターンも存在する

公平性を期すために、逆パターンがあることもお伝えしておきたい。つまり、あまりイケメンでない外国人男性に対して、美しい日本人女性というパターンである。

実際に目視でこの手のパターンを確認している。どう見ても、女性側の方が端正な顔立ちをしているのだが、男性側が母国のイケメンレベルでいえば、そこそこというパターンである。

これは一体・・・女性からすれば、とりあえず欧米人っぽくて金髪がかっていれば、とりあえずイケメンに見ているのかもしれない。いや、もしくは単なる美女と野獣パターンか・・・真意はともかく、本人たちが幸せならそれでよしとしよう。

まとめると、「外国人が連れている日本人女性はイマイチ」のカラクリは、外国人慣れしていない目による「格上げフィルター」がかかった結果、と言えよう。そして、逆パターンも確実に存在する。

そして、公平に物事に対して判断を下すためには、とにかく外国人に見慣れるしかない。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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