ベルリンの家探しは一筋縄ではいかない。ということで、ベルリンで家探しをした体験をもとに、使った物件サイトや友人から聞いたベルリンのおすすめエリアなどをまとめた。ちなみに私の場合、国外からベルリンでの物件探し、そして1人用のアパートで、ビザ申請のために住民登録が可能な物件を探していたという経緯である。
ベルリンの家探し事情
ベルリンはアムステルダムやロンドンと並び、家が非常に見つかりにくいことで知られる。何せ大量の移民が押し寄せているのに対し、家の供給量が絶対的に少ない。よって、完全なる貸し手市場なのである。物件がサイトに登場した時点で、膨大な数の問い合わせが入るため、内見にたどり着くのも一苦労。そして問い合わせをしても返ってこないことの方が多い、せっかく家が決まっても詐欺だったなど、とにかくベルリンの家探しはカオスである。
家のタイプ
ベルリンにおいて、家のタイプは大きく分けて2つ。WG(ウェーゲー)と呼ばれるルームシェアタイプと、個人で住むアパートがある。WGの方が家賃が安いため、ベルリンに来たばかりの人や学生などはこちらを選ぶケースが多い。ルームシェアだと、ベルリンのことを教えてもらえたりといったメリットはあるが、ルームメイトとのいざこざや生活習慣の違いで苦労する、といった話もよく耳にする。
私の場合、一人の時間がないと発狂するということがこれまでの経験で分かったので、多少高くとも、精神的安定を求めて個人アパートを探すことにした。また、WGやサブレットではビザ申請に必要な書類を出してくれないところも多かったことも理由。
とにかく内見するべし
口酸っぱくジモティーに言われたのが、内見をしろ、というものである。もちろん日本でも内見せずに家を決めるなんて・・・というのがあるが、ベルリンでは詐欺である可能性もあるので、内見をしないと家が本当に存在するのか分からない、というのが理由らしい。私は当時、国外にいたので内見はできなかったため、とりあえず数ヶ月の短期アパートを見つけるという方法にした。
ベルリンで家を探す方法
ベルリンで家を見つけるのはいくつかある。
1.知人からの紹介
友人や会社の同僚に聞くというパターン。だいたい、いい物件はこの時点で借主が決まっているので、わざわざWebサイトにはおりてこない。私も知人に聞いて、色々と物件を紹介してもらったが、住所登録ができるのか、キッチンはあるか、など逐一情報をやりとりしなければいけないのが、少々煩雑に感じた。ただし、知人紹介なので信頼性としてはかなり高いのがメリット。
2.FBグループを活用
日本だとあまりFBで家を探すことはないが、WGやサブレットに関しては、FBに多くの良さげな物件が出ている。家を探しています、と投稿することで家が見つかるケースもある。私がチェックしていたのが、以下のグループ。
IWB Housing in Berlin
女性限定のグループだが、かなり良さげな物件がそろっている。
ベルリン日本人コミュニティ
ベルリン生活全般における情報が交わされているが、時々物件に関する投稿も。
3.物件サイトを活用
ベルリンには膨大な数の物件サイトがある。Immobilienscout24などもよく紹介されているが、ドイツ語オンリーなのでハードルが高く、私が実際に使っていたのは、英語でも使える以下のサイト。どのサイトも各物件で、住民登録が可能かどうかが分かるので、ビザ申請を考えている人にはありがたい。
Wunderflats
主に家具付きの短期滞在向け物件が充実している。1年など長期で借りることも可能。とにかくサイトが使いやすく、良質そうな物件がそろっている。サイト上で実際に予約をするとなると、Wunderflatsに使用料として249ユーロを払わなければいけない。この出費は痛いが、予約にこぎ着けるまでにかなり手厚いサポートをしてくれる。またお金を払って利用するということもあってか、競合性は低く、他のサイトに比べると家が見つかりやすい印象。
HousingAnywhere
長期滞在向けの物件が充実。家賃の価格帯もややリーズナブル。Wunderlflatsと比べると物件数が少ないように感じるが、契約時にトラブルがあった際の保証や、家主のレビューを見ることができるなど、詐欺が多いベルリンで、嬉しいサービスがそろっている。ただし、家が決まると48時間以内にデポジットなどが引き落とされる仕組みになっている。
Homelike
長期・短期の物件がそろっているが、個人的には上記2つのサイトを使っていると、あまり魅力を感じず、あまり使うことはなかった。
4.日本人コミュニティサイトを活用
よく知られているのがMixBやベルリン掲示板といった日本語話者向けのコミュニティサイト。日本語でやり取りができて安心だが、油断はならない。日本人が日本人を騙したり、日本人に扮した外国人が騙すというケースもあるからだ。特に日本語で募集をかけているのに、問い合わせはドイツ語か英語オンリーといったものは注意する必要があるだろう。
ベルリンのどこに住むか?
初めてベルリンに住むにあたり、どこに住めば良いかわからなかったが、以下のような場所をジモティー友人から紹介された。
ミッテ(Mitte)
ベルリンで一番人気のエリアといっても過言ではない。何せベルリンの中心地。場所によってはアジア人エクスパットが多いエリアもあり、どこへ行くのにも便利。ただし、観光地なので物価が高い、人通りが多いといった意見も聞く。私はミッテのモアビット(トルコ、アラブ系が多い)という場所に住んでいるのだが、スーパーも多く、交通の便も良いので気に入っている。初めてベルリンに住むのであれば、まずはミッテがおすすめ。
シャルロッテンブルグ(Charlottenburg)
こちらも日本人に人気のエリア。友達が住んでいるので良く行くのだが、閑静な住宅地という感じで治安もよく、スーパーやジムなども充実している。地図でみるとやや中心地から離れているが、意外にもアクセスは良い。そのほかにも、シェーネベルク(Schöneberg)も治安が良くて住みやすいとのこと。
ノイケルン(Neukölln)&クロイツベルグ(Kreuzberg)
聞く人によって賛否が分かれる場所。中東系の人が多く住むと言われる。いい意見としては、若者に人気のエリアでバーやオシャレなショップが充実。またミッテに比べると、家賃もやや安め。悪い意見としては、売人がたむろする公園など治安が良くないエリアなどがあるとのこと。実際に行ってみると、確かに町はミッテやシャルロッテンブルグより小汚かったが、そこまで治安が悪いという印象はなかった。物価が安めで、いい物件などもあるため、気にしないのであれば住む価値はありだと思う。
ウェディング(Wedding)
安くいい物件があったので、ここも良いかも?と思ったが、ジモティー友達にやめとけと言われた場所。調べてみると、物価は安いが貧困率がかなり高く、住民の3割近くが貧困ライン以下で暮らしているという。確かに安いが、中心地からやや離れているので、ウェデイングを選ばなくてよかったかもしれない。
場所によっては確かに家賃や物価が安い場所もあるが、それなりの理由がある。また地域によって、住んでいるエスニックグループも異なるのが特徴である。中東系が多いエリアや、アフリカ系が多いエリアなど。安い家賃を求めてあまりにも遠い場所を選んでしまうと、移動に苦労するため、目安としては中心地のミッテまで電車で30~40分ぐらいのエリアが便利だ。
こちらのサイトではおすすめエリアごとに、家賃の相場などを紹介している。
ベルリンの家賃相場
これはもうエリアによってピンキリと言うしかないが、WGタイプだと月600~800ユーロ、1人用のアパートだと1,000〜と上を見えればとにかくキリがない。また、安くていい物件は早く埋まるので、なるべく早めに家を見つける方が良いということを学んだ。
Wunderflatsを使って家を見つけるまで
色々と見て回ったが、最終的にはWunderflatsで家を決めた。正直いうと、このサイトで探すとそれほど家探しは難しくないように思える。何せ、1つ目の物件で申し込んだところ、即時OKが来て、2日目には契約書に進んだからである。
しかし、難しいと言われているベルリンの家探しがこんなにあっさり決まっていいのか?と逆に恐ろしくなり、再度家を探すことにした。というのも1つ目の物件では、私が希望した入居日よりもだいぶ前に入居するならいいよ、という条件だったからだ。この手のことはよくあり、自分の都合よりも家主の都合(空きを作りたくない)に合わせて、入居日や退去日が決められるケースが多い。結局その後2週間ほどかかり、ようやく物件が決まったのだった(そして詐欺ではなかった)。
Wunderflatsで家を見つけるまでの詳細はこちら
詐欺が多発!苦労したベルリンでの家探し
というわけでWunderflatsはおすすめだ。何よりまずサイトの使い勝手がいいことと、光熱費込みなのか、住所登録ができるのか、といった重要な情報がしっかりと書き込まれている。また、家主との契約にこぎ着けるまでに、何度もメールで「物件見つかった?この物件にフォローアップしとこうか?」といった手厚いサポートもあった。というか、Wunderflatsに一度手数料を払うと、特段のことがない限り返金されないので、見つかるまでこのサイトで物件を探し続けなければならないという理由もある。
ちなみに私の物件は不動産会社が管理しており、なかなかしっかりしていたのでここで紹介しておく。このサイトでもいくつか物件を扱っている。
White Apartments
というわけで、サイトによってはそこまで家探しのハードルが高くないものあるが、それでも詐欺物件が紛れ込んでいることは否めない。よって、詐欺に警戒しつつ、物件を探すことが求められるのがベルリンである。