リヤドの町にひょうひょうとそびえ立つ高層ビル。キングダム・センター・タワーは、リヤドを代表するランドマークだ。
高さ302メートルで、国内では5番目に高いビル。99階には「スカイブリッジ」と呼ばれる展望台がある。
そんなリヤドの町を一望できる展望台への行き方や注意点などをご紹介。
キングダムセンター。ビルのオーナーは、サウジの王族であり大富豪でもあるワリード王子
近くには近代的なビルが並ぶ
展望台へ行くには2種類の方法がある。キングダムセンターのビルから正面突破する方法と、隣接するモールから入る方法である。
キングダムタワーの正面から入った場合は、右へ直進するとモールに出る
モールの入り口から入った場合は、そのまま直進
階段を登って2階へ行くと売り場がある
展望台のチケット売り場があるのは、モールの2階。チケット売り場はまるで秘密の入り口のようなたたずまいだが、横にあるモンブランが目印。
モンブランとCHの間に囲まれた展望台への入り口
チケット代は税込みで1人63リヤル。チケット購入は現金のみ。営業時間は、土曜から木曜は、昼の12時から夜の11時まで。金曜日は16時から営業開始なので、要注意。
観光スポットなのに昼から営業とは何事や、と思われるかもしれないが、サウジで人々が活発に活動し始めるのは、だいたい夕方からである。
夏は気温が40度を超える日もしばしばで、暑すぎて10分も外で歩くことができない。死すら感じさせる暑さである。
ゆえに、サウジだけに限らずこの地域の人々は、暑さが和らぐ夕方から行動し始めるのである。
このように、まだ観光を解禁したばかりで、多くの場所では”観光スポット”とうたっていても、ジモティーたちの生活サイクルに合わせた場所が多い。
今後、”観光地化”していくにつれ、こうした営業時間も見直されるだろう。
チケットを購入したら、ゲートを通り、エレベーターを待つ。そこから一気に99階へ行くのか!?と思いきや、77階でエレベーターを乗り換える。ちなみにここには、世界で一番高い場所にあるモスクがある。
モスクがある77階
99という数字は、日本人にとってはあまりよろしくない数字である。けれども、イスラーム教では偶数よりも奇数の方が縁起が良いと好まれる。
また、99というのは、イスラーム教の神がもつ美称(ニックネームみたいなもん)の数である。なぜ99階なのかは定かではないが、それに由来しているのであれば、いかにもサウジらしい。
電車のアナウンスで、「神は偉大なり!神は偉大なり!」と言ったり、ナショナルフラッグのサウディアの機体には、「神のご加護がありますように!」という文字がある。
このように、町のいたるところで神が登場するのが、サウジである。
エレベーターを乗り換えると、ようやくスカイブリッジへ到着。展望台から見渡すリヤドの町は圧巻だ。
展望台になっているスカイブリッジ
その日は、砂が舞っており、かつ昼間すぎに行ったので、景色は若干ぼやっとしていた。しかし、それでも町の規模感や人口の多さを一目で感じられる場所である。日暮れから夜にかけての方が、美しい景色が見られるだろう。
アラビア半島で最大規模の都市リヤド。その人口は690万人。
とまあ、こんな具合である。リヤドの町を一望できる、それ以上でも以下でもない。唯一観光地っぽいのは、プロの空気感を出すカメラマンによる記念撮影コーナーぐらいだ。
お土産ショップも準備中のようで、今後の動きに注目したいところである。