海外に出ると一度はみな感じたことがあるのではないか?「こいつら全然時間守んねえな」と。10分前行動などといった規律を小学生から叩き込まれる日本人にとっては、時間よりも早めに来ることが求められることが多いし、それと同様に他人にも時間通りにやってくることを期待してしまう。だから、海外で平気で時間通りにやってこない人を見て憤慨することがある。
サウジアラビアの日本を紹介する番組、「ハワーテル」で、日本人がいかに時間に正確かということが紹介されていた。レポーターのおっさんが若干やーさんな感じが否めないが、それでもこの番組はYouTubeにて1エピソードにつき50万~100万回以上再生されており、人気番組といっても差し支えはないだろう。
はじめに紹介されたのは、開店前の銀座三越デパートの様子。「日本では1分前でも開店時間の10時でないと店には入ってはいけないのれす!」と紹介。
次はバス停で、時刻表通りにバスが来るのかを検証。バスがやってくる時刻は11時34分とのこと。
出発時刻の前にはすでにバスが来た!
「34分ぴったりですぜ、旦那。信じられます?」と驚愕するやーさんレポーター。
お次は自国のサウジアラビアと比較。サウジアラビアのバスの運行状況は一体どうなっているのか?バスの時刻表はないのでバス会社に電話をして次にやってくるバスの時間を確認。
後ろの建物が崩れかかっていることには触れない。
9時半にバスが着く予定だが・・?20分以上経過しても、バスがやってこないので暇になったのか、「えーまだバスはやってこない模様です」と日傘をくるくる回して遊び始めるやーさん。
バスがやってきたのは30分後。
確かにサウジアラビア社会から見れば、1分刻みで正確にやってくる日本のバスは驚愕に値するだろう。それが当たり前だった世界からそうでない世界へやってくると、一体どのようなシステムを使って時刻表通りに運行しているのか気になってしまう。
ドバイにいるとメトロをのぞき、みな特に時間通りに動くということはないので逆に時間を守るという意識が薄れる。そもそも誰も時間通りに始まることも、人がやってくることも期待していないので、気楽だ。逆に本当に時間通りに来て欲しい場合は、「時間厳守」などと口添えをする。そうして初めて、ああ、時間通りに行かなきゃいけないのね、と思う。
会社にしても9時から10時ぐらいにくればよい、というざっくりとした規定になっているし、実際に同僚たちもみな9時頃にバラバラとやってくるぐらいである。むしろ9時前にきっちりといる方が不気味である。
こうした環境にいると、日本ではいかに時間通りに動こうとして焦りを感じていたかと思う。ドバイにいるとそんな焦りとは無縁だが、こちらで日本人リーマンと会うとなるとやっぱり10分前行動をしなければならないなと思うのである。この切り替えはそれなりに大変である。