これまで何度か訪れたバーレーンであったが、ついに買ってしまった。バーレーン土産を。
普段は、雑貨だのお土産などは一切買わない派なのだが、バーレーンだけは違う。バーレーン土産はひたすら健気なのだ。
まずは見ていただきたい。
ポップな小物入れと陶器。ほどよいアラブっぽさとハンドメイド感が一押しのポイント。
これらはすべてバーレーンで作られたハンドメイド土産である。世界中どこにでも流通している既製品が蔓延するドバイ生活の反動だろうか。ついついこうしたモノにほっとしてしまうのである。
こうした現地で作られた土産を見るたびに、私は思ってしまう。ドバイよ、これが本当の土産というものだぞ、と。事実、ドバイ土産のほとんどは、ドバイのものではない。
高級デーツの「バティール」は、サウジアラビア。高級チョコ「パッチ・チョコレート」はレバノン。クレオパトラ石鹸もサウジ。スパイス類はインドやイラン。真のドバイ土産といえば、ラクダのミルクチョコレートぐらいである。
このような実態を見て、高級の威を借るドバイめ、と思う。
なんでも高級といえば、売れるんかいと。しかし、それが高級イメージの強いドバイだからこそ、バティールもパッチも売れるのである。自国で日の目をみない土産たちが、ドバイで売れていく。それがドバイ土産の構造である。
このようにドバイ土産への思いは複雑だが、バーレーン土産に関しては素直になってしまう。もともとバーレーンには、機織りや陶器といったモノづくりに従事する人が多くいた。
今ではバーレーン人ではなく、国外からやってきた労働者が担っている場合もあるが、それでも細々とそうしたモノづくりの歴史はバーレーンで受け継がれている。そんなバーレーンの伝統の断片を見出せるのが、このハンドメイド土産だったりするのだ。
こうしたハンドメイド土産を探すなら、アル・ジャズラクラフトセンターやキャピタル・モールがよい。手近で済ますならバブ・アル・バーレーン近くのショッピングセンターに入っているクラフトショップがおすすめだ。さらには数は少ないが空港にも売っているので、チェックされたし。
さらにこちら。ハンドメイドではないが、アンティークショップで購入したアラブコーヒーカップ。日本のおちょこにも似ている。こうしたいかにもアラブ風の土産のほとんどは、インドで作られた物が多いのだが、アンティークショップに行けばそれらしいものが見つかる。
メイドインジャパンのコーヒーカップも。
一方でバーレーンにはいくつかアンティークショップがあり、そうした場所をのぞくと店主がこだわって集めた品物が並ぶ。そうした場所で掘り出し物を見つけるのも楽しい。
ちなみにバーレーンはちょっとしたお菓子大国でもある。スイーツショップには他の湾岸諸国では見かけない自作感たっぷりのお菓子たちが並ぶ。
さらにバーレーンでアフガニスタン土産もつい買ってしまった。
カーペットに手爆弾、戦車・・・もはや陽気なカーペットではなく、アフガニスタン国民の鬱屈を反映した作品である。カーペットに爆弾て。このコンセプトが気に入り衝動買い。
アフガニスタン戦争後から作られたというカーペットには、作られた年数が刺繍されている。2011年に始まり、2016年を最後にそれ以降は作られていないという謎のカーペットであった。