一見するとどれも同じような形をしているデーツだが、実は奥が深い。
古くからはメソポタミアにある世界最古の都市「ウル」で、ナツメヤシの木が建物に使われたというレポートもある。つまり紀元前4,000年ほど前からデーツが存在していたかもしれないということだ。
栄養バランスに優れたデーツ
そんな古代から存在していたデーツだが、現代では栄養価が高い食べ物として注目を集めている。
100グラムあたり8グラムほどの食物繊維が含まれており、便秘にもきく。カルシウム、マグネシウム、カリウムなど多くのミネラルに加え、ビタミンA、B1、B2などもバランスよく含まれている。
デーツ自体はかなり甘い。てっきり太るものかと思いきやデーツに含まれている糖質は、ご飯やパスタと違って体内にたまる糖質ではないらしい。
そんな優れた栄養バランスが評価されて、巷ではダイエットにいいとか、美容に効くなどとスーパーフード並みに褒めそやされている。
デーツの産地で買ってみたデーツの種類いろいろ
一方でデーツがよくとれる中東では、日常的にデーツが食べられている。ドバイがあるUAEもその1つで、デーツはドバイ土産の定番にもなっている。
そんなドバイで買い集めたデーツがこちら。同じデーツでも並べてみると、色形が異なることがわかる。
アンバー(サウジアラビア産)
見た目は大きいが、中はちょっとスカスカ。甘みは少ない。ちょっと繊維が多めな印象。
サガイ(サウジアラビア産)
果肉が厚めで、歯ごたえがある。甘みはやや強め。
マブルーム(サウジアラビア産)
干し柿のような甘さで食べやすい。砂糖の甘さというよりも果物の甘さに近い。
アジュワ(サウジアラビア産)
デーツの王様と言われるほど、現地では人気が高い。確かに食べてみると、通常のデーツよりも甘さ控え目でずいぶんと食べやすい。日本人が好みそうな糖度である。
特にこのデーツは、イスラーム教の預言者ムハンマドもよく食べていたということで、ムスリムたちの間でも積極的にアジュワを食べる人は多い。
スッカリ(サウジアラビア産)
アラビア語でスッカリは砂糖。砂糖と呼ばれるだけあって、スッカリはまるで黒糖を食べているような甘さがある。アンバーよりも甘さがぎゅっと凝縮した感じだ。
そのほかにUAEやモコッロ、アメリカ、サウジなどでとれる「マジドゥール」やUAE産の「ルル」などもある。なにせデーツは2,000種類以上もあるといわれているのだ。日本の米よりも種類がある。これを制覇するのは結構大変。
種類が違えども、甘さや栄養に大きな違いがあるものではない。あくまで個人の好みによるところも多いだろう。デーツがはじめてという人は、こちらのクラウンデーツシリーズがオススメ。
ドライデーツに対して、生デーツというのもある。生デーツはその名の通り、ナツメヤシの木から取れたばかりの実。賞味期限も1週間ほどである。
右がとれたての生デーツ。左が熟れた生デーツ。
とれたては渋柿のように固い。ドライフルーツというよりも、フルーツを食べている感覚。しかし熟していくにつれ、干し柿のような甘みを帯びてくるのだ。一方でドライデーツは1年以上はもつといわれている。
おすすめのデーツの食べ方
デーツは万能。腹持ちもよくて、私なんかは朝2~3粒ほどつまんで朝食にしたりする。小腹が空いた時やおやつなんかにもちょっとつまめるのでありがたい。
ついつい食べすぎるとちょっと飽きてくるので、アレンジを加えて食べてみるのもあり。
個人的に好きなのが、ナッツを挟んで食べるというもの。
アプリコットなどのドライフルーツをいれてみてもいい。塩気のあるナッツと甘いデーツがドッキングすると、お酒のつまみとしてもいけるのだ。
もう一つは実際にサウジアラビア人から教えてもらったアレンジレシピ。オリーブオイルを少しかけて、白ゴマとあえる。あらまあ不思議。甘いデーツとはまた違った顔を見せるのだ。