ここだけは押さえておきたい!クウェートのおすすめ観光スポット8選

定番の旅行ガイド、「地球の歩き方」でもクウェートに関する情報は少ない。もはやカラーではなく3色刷り扱いだ。けれども、よく見れば実に魅力が詰まった場所であり、歴史もある。

アラブ首長国連邦やカタールといった他の石油産油国とは違う、クウェートならではの雰囲気や建物がある。

そんなクウェートならではの観光スポットを厳選してご紹介。

クウェートのシンボル、クウェート・タワー

クウェート観光といえば、ここはマストだろう。1979年に建設されたクウェート・タワー。近未来的かつ摩訶不思議な形をしているが、やっていることはかなり実用的である。間違っても単なる不可思議なオブジェにとどまらない。

クウェート・タワーは3本の塔から成っている。一番高い塔は187メートルにもなり、レストランが入っており、給水塔の役目も果たしている。針のような塔には、電力供給を制御する機器が収められている。一応は市民の暮らしに貢献しているわけだ。

上空120メートルからクウェート市内を見渡せる展望台がある。どこぞの高層レストランのごとく、自動で回転し、30分で1回転する展望台になっている。どう見てもそんな機能はいらないと思うが・・・

クウェート・タワーはビーチやレストランが充実した海岸沿いにある。10月から3月の冬季であれば、海沿いを歩いて散策するのもよいだろう。

入場料は一人当たり3KWD。年中無休で8時から23時まで営業している。

グランド・モスク

クウェート国内最大級のモスク。非イスラム教徒向けのツアーが、毎日(金土をのぞく)9時もしくは17時から1時間ほど実施されている。警備員もいるため、それ以外の時間に入ることは難しいだろう。

クウェートのグランド・モスクでは、木材やステンドグラスなどが使われており、ゆったりとした落ち着いた空間を醸し出している。その美しさは必見だ。

世にも奇妙なファティマ・モスク

このファティマ・モスクは正式な観光スポットとは認定されていない。けれども、この奇怪な形に興味を抱かずにはいられないだろう。このプリン型の建物は一体何なのか。

実はこれもモスク。これまで中東諸国で多くのモスクを見てきたが、こんな形は初めてだ。

不思議な形といい、内装といい一見する価値あるだろう。グランド・モスクは常に警備員がいて容易には入れないが、こちらであればすっと入ることができる。もちろんイスラム教徒の礼拝時間帯以外に限るが。個人的には人気が少ない朝の時間帯をおすすめする。


イスラム教の聖典、コーランが置かれた本棚

クウェートの築地市場、フィッシュ・マーケット

砂漠の国で魚?と思われるかもしれないが、クウェートはアラビア湾に面し、かつては漁業も盛んだった。スーク・シャルク近くにあるフィッシュ・マーケットは多くの人でにぎわい、活気あふれる場所だ。


タコやイカなど日本人の食卓に馴染みのある魚介類も並ぶ。

年中無休で朝7時から深夜0時まで営業中。

地元のクウェート人でにぎわう、スーク・アル・ムバラキヤ

スーク・アル・ムバラキヤは1つのスークかと思いきや、30以上の名前の異なるスークが集結している場所だ。同じ湾岸諸国のバーレーンのマナマやドバイのスークと同様のものかと思いきやいい意味で期待を裏切ってくれる。インドテイストのカラフルな子ども服や、食器、パジャマ、香水、野菜などとにかく日常で必要なものが売られている。お土産を購入するにも都合がいいだろう。

金曜日は街中がゴーストタウンのようになっていたが、この場所だけは賑わっていた。アラブ料理レストランなども数多く集まっているので、買い物も食事もここで済ますことができる。

スーク内のグラフィティにも注目。

鏡に魅せられたアーティストの壮大な作品、ミラー・ハウス


公式サイトより

クウェートで密かな人気スポットになっているのが、このミラー・ハウス。イタリア生まれの女性アーティストが、手作業で作り上げた「作品」である。訪問するにはアポが必要。アポは公式サイトから取れる。訪問するとアーティストの女性自身が1~2時間ほどガイドをしてくれる。

残念ながら私がアポを取った時は、一時閉鎖中だったので訪問は叶わなかった。この場所を知った時、江戸川乱歩の「鏡地獄」という話を思い出した。乱歩ファンとしては、「鏡地獄」に類する場所はぜひとも訪れたかったが・・・

公式サイト
https://www.mirrorhouseq8.com/

湾岸戦争の傷跡を伝えるアル・クレイン殉教者博物館

1990年のイラクによる侵攻が発端となり、翌年から始まった多国籍軍とイラク軍による湾岸戦争。イラク軍とクウェート軍が激しい戦闘を繰り広げた場所が、今でも残っている。クウェート・シティから車で30分ほどのアル・クレイン地区にある、「アル・クレイン殉教者博物館」だ。

戦闘が発生したのは、イラク軍撤退宣言が発せられる2日前の、1991年2月24日のことであった。10時間にも及ぶ戦闘で、戦闘に参加した19名のクウェート軍兵士のうち12名が命を落とした。その中には当時21歳の若者もいた。

戦闘があった場所をそのまま博物館として残している。建物の中には殉教したクウェート軍兵士の写真や、当時使われた武器が展示されているコーナーがある。

高級ブランドがそろう360モール

グッチやプラダをはじめとする高級ブランドからギャップ、ザラなどカジュアルブランドなどがコンパクトにそろったモール。よくありがちな商業モールかと思いきや、その作りに注目されたい。

木や緑を基調としており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。またフードコートやカフェでも緑がふんだんに取り入れられ、まるで砂漠のオアシスにいるようである。優雅にお茶をする湾岸のアラブ人たちの姿が見れる。

午前中は比較的空いている。アラブ人は夜になると活発になるため、込み始めるのは夕方以降。


禍々しいオブジェ


モール内の壁に描かれていたアラビア語のグラフィティアート。左側に描かれているのはクウェートの首長

イラクの侵攻を伝える伝説のミュージアムはすでに閉鎖

クウェートに行くならばぜひとも訪れたかったのが、クウェート・ハウスである。1990年に起こったイラク侵攻の様子を生々しく伝える価値ある博物館だった。

しかし、政府開発プロジェクトにより立ち退きを迫られて、今は亡きものとなってしまった・・・

イスラーム・タイムに注意

イスラーム教の国ならではのビジネスタイムには注意しておきたい。イスラーム教の休日である金曜日の午前中は、ほとんどの店や観光スポットは閉まっている。中には夕方から開くものもあるが、金曜日は全日休みという場所もある。

また平日であっても、12時半からは昼休みに入り、16時半から再びオープンというのが一般的なタイミングだ。出かける際にはあらかじめオープン時間をチェックしておいた方がよいだろう。

クウェート市内は小さい。日帰りでも十分にクウェートの観光スポットを見て回れる。観光地としては有名ではないものの、湾岸危機の歴史や湾岸の産油国の違いを知るには興味深い場所である。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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