クウェートを歩いて感じたリアルなクウェートの治安

アラビア半島にあるクウェート。アラビア語で「小さな砦」を意味する名の通り、面積は日本の四国ほどしかなく小さい。

訪れる観光客も少ないためか、同国についての情報は少ない。そんなクウェートについて、観光に訪れる前に知っておきたい基本的な情報をまとめた。

クウェートはどこにある?

クウェートはイラク、サウジアラビアに国境を接する湾岸諸国の1つである。世界第9位の石油産出量を誇り、石油で潤う国の一つ。日本との時差は6時間。

観光シーズンは?

気をつけたいのが観光に行くシーズン。アラビア半島の国一般に通ずることだが、6月から9月は避けるべし。日中の気温が50度近くなることもある。暑いけどなんとか外で活動できる、という日本の夏と全く異なることを肝に銘じておきたい。

クウェートの夏はとにかく暑い。10分すら外にいられない。もはや外出禁止令を出してもいいぐらいのレベルである。車で移動する分には問題ないが、トラウマになるのでできれば避けたいクウェートの夏である。

治安は大丈夫?

中東にあるだけで、治安が悪そう・・・と思われるかもしれないが、女一人で旅をするにもさした危険はないと言えよう。外務省の海外安全サイトでも危険レベルがもっとも低い、「十分注意」になっている。

ただ、イスラーム教のお国柄、女性が一人で旅をすることは珍しい。ゆえに場所によっては好奇の目でみられることもある。全身の肌を隠すアバヤというロングワンピースをきた女性が多い。夏であっても、国の宗教を尊重する意味で露出を控えた服装が好まれるだろう。

通貨は?


通貨はクウェート・ディナール(KWD)。1KWD=355円(2018年3月時点)。独立前の1960年までは湾岸ルピーという通貨が流通していた。特徴的なのは、1KWDが最小単位かと思いきや、1/2KWD、1/4KWDという紙幣が存在する。一番大きな単位は20KWD。世界で一番価値が高い貨幣としても知られている。

市内での移動は?

こちらも湾岸諸国によく見られるが、都市は車を中心に作られている。つまりは歩行者フレンドリーではない。気候のせいもあるが、とにかく歩いている人も少ない。手軽な移動法としてはレンタカーかタクシーが一般的だ。市内は小さいのでタクシーの移動であれば0.5KWD〜2KWDほどである。


運転手の個人情報を垂れ流すのが、クウェートのタクシースタイル

個人的な経験からはタクシーには気を付けたい。メーターがない(もしくはあっても回さない)タクシーだと、言い値になり通常の2倍以上の値段をふっかけられることもある。

またメーターを回していても、「このメーターは遅いんだ。だからこの値段で」という輩もいた。場所がわかっているようなふりをして、実は別の場所に行ってしまうケースもあった。どうやら決してクウェートのタクシーに高望みをしてはいけないようだ。

なのでタクシーに乗る際はメーターを回すよう促し、場所も何度か確認するようにしたほうがよいだろう。

クウェートで使われている言語は?


クウェートの人口は405万人ほどで、そのうちの3割がクウェート人。残る7割は海外からの出稼ぎ労働者たちである。出稼ぎ労働者の中でも3割がエジプトなどのアラブ諸国で、残りはインドやパキスタンなどのアジア系である。

Wikipediaなどでは英語が広く話されていると書かれているが、個人的な体験では違った。観光客向けレストランやホテルを除けば、街中で英語を話す人は少ないというのが印象だ。こちらがアラビア語を話さないとわかっても、とにかく人々はアラビア語で話し続けてくる。

ドバイやアブダビに比べるとぐっと英語が通じる率は低くなる、というのが個人的な感想。英語よりもアラビア語が得意なインド人に出会った時には驚いた。クウェートに限らず、サウジアラビアやカタールなど石油で潤う湾岸諸国ではよく見られる光景らしい。

空港から市内までの移動は?

レンタカーを借りないのであれば、タクシーが一般的だろう。リムジンの配車サービス業者が客引きしてくるが、振り切って空港専用のタクシーに乗るべし。タクシーにはメーターがついておらず、場所によって料金がすでに決まっている。

空港からの料金表。空港から市内までのタクシー料金は5KWD〜8KWD。市内へは20分ほどで行ける。

ちなみにクウェートには2つの空港がある。1つは国際便が発着するクウェート国際空港。もう一つはドバイのLCC航空会社、フライドバイが発着するシェイク・サアード・アル・アブドゥッラ空港(Sheikh Saad Al Abdallah ِAirport)である。

フライドバイを利用する場合は、市内から空港へ行く際に運転手にちゃんと伝えるべし。空港とだけ言うと、国際空港の方へ行ってしまうこともある。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

管理人をフォローする
クウェート
シェアする
進め!中東探検隊