ドバイから日本へ帰国。やることリストと注意点

何度もドバイから去ってやる!といいながら、本当にドバイを去ることになった。

誰かに帰国の手順をたずねようにも、周りにいるのは、ドバイ離脱の未経験者のみ。経験者はみな、ドバイにいないのだ。

なんという盲点。

そんな探り探りの中で、離脱準備をすすめることになった。

そんなわけで、ドバイを去る準備とやったことをドキュメンタリータッチでまとめておく。

家の契約解除

ドバイを去ることを決意して、真っ先にやったのがコレ。ドバイの賃貸は、ほとんどが年間契約。家賃支払いも年間一括だとか、よくて年3回払いとかになる。

契約が終了する時期とドバイを去る時期が、ぴったんこかんかんすれば、ペナルティなどを払わなくて済む。理想はこのパターンだ。しかし、現実はそう甘くない。

契約によっても異なるが、だいたい2ヶ月前に出ますよ、と知らせても、1~2ヶ月分の家賃が差し引かれる。私の場合は、1ヶ月分であった。

あとは、デポジットの返金などがあるので、こちらは早めにやっておくにこしたことはない。

相手によっては、UAE以外の銀行口座に送金してくれる場合もある。UAEの銀行口座のみにしか送金しまへん!というケースもありえるので、後述する口座解約までに、これを済ませておきたい。

不用品を売る

ドバイやアブダビで物を売るとなったらDubizzleだろう。フリマアプリのごとく、無料で商品を掲載することができる。

私は、最初からドバイ生活がそう長くないこと、何時でもさっさとドバイを立ち去れるようにと、家具付きの家に住んでいた。

そして、日本で事故ったというトラウマから、車生活が推奨されるドバイで、4年間車なしで生活をするという暴挙を続けていた。

よって、売るものというのは、ほとんどない。唯一、出品したのは、愛用のピアノだけだ。労働者の街ドバイに、芸術をたしなむ人間などいようか、と思っていたが、これが結構いたのである。

気合いを入れた写真をつけたせいか、掲載翌日から6件ほどのお問い合わせがきた。

そして、掲載から4日目で、ピアノは次の主の手へと渡っていったのである。

なんともスピード感がある。

ピアノを落札したのは、チリ人の家族だった。ここにきて、お初の国である。こうした多国籍なドバイらしさとも、しばしお別れか。

かつてドバイに住んでいた知人から、車を売ったとかいう話を聞いたので、とりあえずDubizzleにのせておけば、あらかたのものは売れそうである。

在住日本人向けのドバイ掲示板というのもある。日本語でやりとりできるという安心感がある。

最後の給与振り込みを確認

ドバイで転職する場合、最後の給料は、基本的には小切手で支払われる。

会社をやめたのに、小切手だけを受け取りにいくためだけに、前の会社に行かなければならないのだ。

よって、いくら会社が気に入らなくとも、最終日に悪態をつくなどということは、しないほうがよいだろう。

では、ドバイを完全に去る場合はどうなのか。この場合だけは、小切手でなく、銀行振り込みで、最後の給料がもらえる。

会社にもよるだろうが、私の場合は退職日の翌日には、振り込まれていた。この辺は、会社に何日ぐらいかかるのか、確認したほうがよいだろう。

銀行口座のお金を送金

ドバイの出稼ぎでたまったお金。これをどうするか、である。

基本的に、日本への現金持ち込みは、100万ほど。よって、それ以上の額がある場合は、日本の口座に送金することになる。

私の場合は、現金持ち込み可能な額だけを口座にキープ。そのほかは、自分の日本口座に送金するという手段をとった。

TransferWiseのような送金サービスが使えたらいいのだが、残念ながらUAE通貨は現時点で対応していない。なので、数回にわけて送金を行った。

いきなり高額送金をしたためか、銀行がビビって、マネーロンダリングちゃいますか?というような、あらぬ嫌疑をかけられた。

銀行からしたら、そんな大した額ではないはずなのに、なんでお前はそんなに金もってる?直近の給与明細出せ!さもないと、送金受け付けまへん!などと、いちゃもんをつけてきたのである。

面倒な手続きを経て、なんとか送金できたのだが、これを避けるためにも、少額で何度かに分けたほうがいいだろう。

銀行口座の解約

UAEを去る時には、基本的に銀行口座を閉じる必要がある。口座をキープしたまま、ということはできない。
(注:私がドバイを去ってから、UAE系の銀行であれば、口座を維持できることになった!

これがやっかいだ。タイミングが重要である。

最後の給料が振り込まれたのを確認(家賃のデポジットが戻る場合は、そちらも確認)して、銀行口座を閉めることになる。

口座解約の前には、クレジットカードの解約をしておく必要がある。また、解約の数日前に、買い物をしたりするのは控えたほうがよいだろう。

私の場合、銀行の支店にいったのだが、「まだ引き落としが完了していないから、今日は口座解約無理だね」と言われた。ドバイを去る2日前である。

一体どうすれば・・・?

日本にも銀行の支社があれば、そこで解約できるぜ!と言われたが、結局できなかったので、カスタマーサポートセンターに電話し、口座解約することになった。

というわけで、銀行によっては、UAEを去った後でも、解約手続きはできるらしい。

あと、思ったのは、日本のクレジットカードを持ってると便利だよな、ということ。UAEのクレカしか持っていなかったので、数日間はクレカなしで生活するハメになった。

いや、現金があればひとまず問題ないのだが、一時的にネットで買い物ができなくなったりするので、少々困る。

電話サービスのキャンセル

私は帰国の2日前に行ったのだが、目安としてはドバイを去る1週間前ぐらいには、手続きをしたほうが、精神的にはよいだろう。

私が使っているのは、Ethisalatなのだが、解約は電話でしか受け付けないという。店舗にいって得たのがこの情報、というから悲しい。

帰国して日本のSIMを使うなりする人は、キャンセルでよい。ただ、私は電話番号を引き続き使いたかったので、後払いから先払いに変更するだけに、とどめた。

荷物を送る

スーツケースに入らない分は、船便などで送る必要がある。私の場合、一番荷物になるのが、本であった。日本からせっせと持ってきて100冊以上はある。

どうしよ、これ・・・

はじめは郵便局に行って、全部送ったれ!というプランだった。しかし、何を思ったか、ドバイで自炊をしたのである。自炊というのは、本を裁断し、スマホなどで読める状態にすることである。

自炊大国な日本であれば、簡単に手に入る裁断機やスキャナーも、ドバイでは手に入りにくい。業務用の店に連絡してやっとこさ道具を手に入れた。

しかし、予想以上に時間がかかる。そして、しんどい。

後で知ったことだが、日本の業者に頼んでも、100冊以上を自炊しようとしたら、1ヶ月はかかるのだ。

それを帰国の2週間前から、のうのうと始めていた私は、狂気の沙汰としかいいようがない。けれども、とりあえず荷物が軽くなったので、もうよい。

引き落とし口座の切り替え

UAEクレカ解約に伴い、アマゾンやVPN、クラウドデータといったネットサービスの引き落とし情報も更新していかなければならない。

この時に、日本のクレカがあるとだいぶスムーズ。サービスによっては、国の変更がこちらではできず、わざわざカスタマーサポートに連絡しなければいけない、というのもあった。

ギリギリまで放っておくよりかは、早めに切り替えたほうが、やはり精神的にはよい。

お土産を買う

荷物を詰める時に覚えておきたいのが、駆け込みのお土産依頼が舞い込む、ということだ。

普段の一時帰国では、「お土産なんていらん」という母親が、「パッチのチョコを爆買してこい」と、のたまうのである。

ひえっ!?

おいしいチョコなら、日本にもたくさんあるじゃないか。なんでわざわざパッチなんだよ、と悪態をつきそうになったが、まあこれで最後なのだ。

そんなわけで、こうした土産用に、スペースを作っておく必要がある。

こんなところだろうか。

あとは、残りのドバイ生活をしみじみと送るだけだ。

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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