なぜイスラーム教で猫は大切にされるのか?その意外な関係とは?

イスラーム教といえば、犬は不浄のものとして扱われている、ということはおぼろげに認知されているかもしれない。

一方の猫はといえば、これが犬とは真逆で人々の間では、まあ愛でられているらしい。ワンコからすれば、「猫だけ可愛がられてずるい!」という状況である。

実際にイスラーム教の国を歩いてみると、確かに猫が多い。


ドバイのビーチでくつろぐ猫

しかし、なぜイスラーム教で猫は可愛がられているのだろう。イスラーム教と猫にまつわるストーリーがいくつかある。

たとえば、イスラーム教徒にとっての絶大なカリスマ、預言者ムハンマドの猫エピソード

預言者ムハンマドが、礼拝のため外出しようとした時のこと。着ようと思っていた服の袖部分に、愛猫のムエッザが寝ているではないか。

ムエッザを起こすまいと、慈悲深い預言者ムハンマドはハサミで袖の部分を切り取り、そのまま出かけていった。おかげで、ムエッザは引き続き、すやすや眠ることができたそうな。

己の服よりも猫。なんと慈悲深い。果たして、こんな強力なエピソードをもつ愛猫家が、この世にいるだろうか。

しかし、袖が切り取られた服を着ていて、周りの人間はどう反応したのかが気になる。

預言者ムハンマドのマブダチであるアブー・フライラは、俺の猫エピソードを語り、いかに猫がすばらしいかを説いている。

こうした言説がハディース(小学生にとっての道徳の教科書みたいなもの)で紹介されている。

さらに有名な猫エピソードがある。現在のイラン・イラクあたりに存在したブワイフ朝の王が、自分の執務室に猫を連れ込み、猫に用務をとりつがさせていたという話。

それが本当ならば、動物愛護法違反である。

これだけの猫エピソードをつきつけられたら、「猫ってめっちゃすばらしい生き物やん」と思うだろう。

イスラーム圏で猫が可愛がられるのは、こうした理由なのかもしれない。

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サイゾー

20代後半から海外で生活。ドバイで5年暮らした後、イスラーム圏を2年に渡り旅する。その後マレーシアで生活。大学では社会科学を専攻。イスラエル・パレスチナの大学に留学し、ジャーナリズム、国際政治を学ぶ。読売新聞ニューヨーク支局でインターンを行った後、10年以上に渡りWPPやHavasなどの外資系広告代理店を通じて、マーケティング業界に携わる。

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